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内緒話

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薫先生に先導されて連れてこられたのは旅館の食堂だ。営業時間は終わっているので緑の非常灯だけが灯っている。食堂の方から何かの機械が低く唸る音が響いてきてちょっと不気味だった。


「薫先生」


暗闇の中から声が聞こえた。誰かが立ち上がったのがうっすら見える。


「遅い。何してたんですか」

「ごめんごめん、可愛い生徒たちが青春を謳歌する姿を眺めてたら遅くなっちゃった」

「なんすかそれ」


スリッパが床と擦れる音がして現れたのは館内着の浴衣に着替えた恵衣くんだった。


「薫先生?」

「ん、一旦座ろうか。恵衣、扉閉めなくていいけど念の為周り見張らせといて」


ひとつ頷いた恵衣くんは懐から袱紗を取り出すと、人型の形代を三枚取りだした。フッと息を吹きかけると、音を立てて膨らんだ形代が扉と窓の前に立つ。

口笛を吹いた薫先生が「流石だねぇ」と笑う。


「さて、じゃあ早速だけど本題に入ろうか」


恵衣くんが椅子に座ったので慌てて私も隣に腰を下ろす。薫先生は腕を組みテーブルに少し腰かける。


「順を追って話すなら、まずは審神者の件からだね」


審神者の件?

思いもしなかった単語に目を瞬かせた。


「巫寿の階位について、一旦俺に預からせてって言ったよね。それで色々探りを入れてるうちに、ひとつの仮説にたどり着いたわけ。いや~な仮説ね」

「嫌な仮説ですか?」

「違うよ、いや~な仮説」

「いや~な仮説……」


そ、と頷いた薫先生。

でも私の階位と審神者について何が関連してくるんだろう?


「お前、次の審神者候補に選ばてるぞ」


恵衣くんがひとつ息を吐いてそう言った。

そうなんだと聞き流しそうになっだけれど、直ぐに「え!?」と身を乗り出した。


「え、待って恵衣くん。私の聞き間違い? 今私が次の審神者候補だって……」

「間違ってない。お前の耳は正常だ」


あんぐり口を開けて絶句した。

審神者……私が審神者?


「恵衣、巫寿が衝撃で固まっちゃったから、ちゃんと一から話してあげて」


珍しく真面目な顔をして腕を組んだ薫先生。その表情から恵衣くんの言葉が嘘でも間違いでもないことが伝わってくる。

ごくりと唾を飲み込み恵衣くんと目を合わせた。


「薫先生に頼まれて、少し前から本庁の上役会議に参加してたら────」

「え、恵衣くんって本庁の上役会議にも参加できるの?」


思わず遮ってしまいジロリと睨まれる。首をすくめた。


「両親が本庁の上役だし、恵衣自身も本庁に誘われてるからね。ジジイ共は若くて優秀な学生を囲うのが好きだから、勉強だなんだって適当に理由つければいくらでも本庁に出入りできるってわけ」


はぁ、と息が漏れる。

成績優秀な学生は在学中に本庁から入庁の誘いがあると聞いたことがあるけれど、ただの噂だと思っていた。

確かに恵衣くんくらい優秀ならお誘いが来ていてもおかしくない。


「……それで、毎週会議に参加していたら先週の頭にあった会議だけ参加するなと言われた。資料の事前準備だけ手伝った際に、お前のプロフィールが印刷されてあったんだよ」


私の……?

知らないところで知らない人達にプロフィールを回し見されていると思うと少しゾッとする。


「当日食い下がったけどやっぱり中には入れて貰えなかったから、盗聴した」

「盗聴!?」


あの真面目で堅物な恵衣くんが盗聴!?

ちょっと、いやかなり信じがたい……。

私の顔を見た恵衣くんがこれでもかというくらい顔を歪めた。


「仕方ないだろッ! 薫先生にゆすられて仕方なくやったんだよ! 俺だって不本意だ!」

「ひっどいなぁ。俺別にゆすったつもりないよ」

「どの口がッ……!」

「分かった分かった。クレームは後でたんまり聞くから、とにかく最後まで話して。それで?」


こめかみにビキビキと血管を浮かび上がらせた恵衣くんはフーッと熱の籠った息を吐いて軽く頭を振った。


「……それで次期審神者候補者の話が出て、巫寿の名前が挙がったんだよ」

「で、でもなんで? 私まだこっちに来て一年ちょっとだし、そもそも学生だし……」


そうだ、私はまだ神修へ来て一年と少ししか経っていない。知識も経験も同級生たちに比べると遥に劣っているし、私を選ぶ理由がわからない。


「審神者になるための条件は揃ってるから選ばれたんだろ」

「審神者の条件って確か……」


言祝ぎが多いこと。二十歳の時点で一級以上の階位であること。未婚女性であること。先見の明があること。

誉さんからそう教えてもらった。


「これがまた、綺麗に当てはまってるんだよなぁ」


薫先生は天を仰いだ。私も思わず頭を抱える。

本当に全部あてはまってる。どうしてあの時気が付かなかったんだろう。


「あ、あのでも……誉さんは家系も関係するって。禄輪さんは両親は本庁の人だったって言ってたし、どこかのお社に仕えていたなんて聞いたことないです」

「あれ、兄貴から教えてもらってないの?」

「え?」


目を瞬かせる。


「……なるほど、祝寿いことは教えてないのか。巫寿のご両親、実家はかなり有名な社だよ」

「え……? そうなんですか!?」


お兄ちゃんからそんな話は聞いたことがない。小さい頃お兄ちゃんに"私たちに親戚や従兄弟はいないのか"と聞いたことがあるけれど、悲しい顔で「いない」と答えていた。

だから両親は共に身寄りがないのだと思っていたんだけれど……。

質問しようと口を開きかけて、詳しくは兄貴から聞きなと薫先生は話を終わらせた。

さっきから衝撃的事実の連発で開いた口が塞がらない。


「本庁は12年間も審神者の席が空いていたことに焦っていたってわけ。そもそも先の戦いで子供の数も減ったし、言祝ぎが強い子供もなかなか生まれなくて、一刻も早く次の優秀な候補者決めたかった。そこに巫寿が編入してきた」


薫先生はため息を吐きながらそう言う。


「言祝ぎも強く未婚で先見の明もあって、両親は社出身。あと足りないのは階位が一級以上であること」


あ、と声を漏らす。

薫先生はひとつ頷き、今考えた通りだよと頭をかいた。

審神者になるために私に足りないもの、階位が一級であること。それさえクリアすれば本庁は私を審神者に推薦できる。


「だから昇階位試験で、私を一級にしたんですか?」

「そういうこと。いきなり階位を授与することは流石に出来ないから、昇階位試験を体よく利用したんだろうね」


私に一級が与えられた理由は分かったけれど、それでも私が審神者の候補者に挙げられたのはやっぱりまだ理解できない。


「あの、でもやっぱり分かりません。どうして私なんですか? 歴代の審神者はみんな成人した女性だったと誉さんから聞いたんです。私はまだ学生だし……」

「審神者の候補者を学生の中から選ぶ話は、前からあったらしい。学習能力の高いうちから先代に適切な審神者教育を施してもらって次の審神者に据える、という魂胆だろうな」


審神者教育と表現した恵衣くんの言葉を繰り返し目を瞠った。


「……ほんっと嫌な奴らだよ。今巫寿がやってる誉さまとの授力稽古も、審神者教育の一環なんだろうね」


誉さんとの稽古が、審神者教育の一環……?


「本庁派だとか神職派だとか、俺はクソどうでといいけど、教え子を影で好き勝手されるのは頂けないね。ああでも、巫寿が審神者を目指したいなら話は別だけど」


二人の視線が私に向けられる。

審神者がどういう役職なのかは教えてもらった。審神者になると生活がどう変わるのかも志らくさんの話でなんとなく想像は付く。

大切なお役目で名誉ある仕事なのも分かっているけど……。


「条件どうこう言う前に、そもそもお前審神者になるための体力気力根性全部あんのか」


あの広いお社をたった一人で維持する体力、一人で住む気力、全神職のトップに立つ根性。

恵衣くんの冷静な質問に、混乱していた頭がスっと落ち着く。


「全部ないかも」

「じゃあ無理だろ。ていうかお前が引き受けるよりも先にお前の兄貴がかむくらの社潰すぞ」

「間違いない……」


うちのお兄ちゃんなら本当にやりかねない。

するとさっきまで深刻な顔をしていた薫先生があははっと声を上げて笑った。


「そうだね。あのオニーチャンならやりかねないね」

「笑い事じゃないですよ……」


薫先生はぽふぽふと私の頭を叩く。


「でも恵衣の話じゃ、巫寿はほぼ審神者に内定してるってことになるね。となるとやっぱり結婚するしかないなぁ……」


は!?と素っ頓狂な声を上げた。


「仕方ないだろ。他に今からどうにか出来そうな条件なんてないんだから。俺だって不本意だけど仕方なく────」

「え……え? ちょっと待って。今の話の流れからすると私と恵衣くんが……?」


混乱しながらそう聞き返せば恵衣くんは耳を真っ赤にして眉を釣りあげた。


「事情知ってんの俺と薫先生だけだろうがッ! 薫先生がお前のこと嫁に貰ったら犯罪者になるぞ!」


確かにそれはそうなんだけど、私と恵衣くんが……け、結婚って!

次の瞬間、ブハッと盛大に吹き出した薫先生がお腹を抱えてケタケタ笑いだした。


「はぁ、面白すぎるんだけど二人とも。結婚は冗談だよ、話跳躍しすぎ」


目尻の涙を拭いながら薫先生はそう言う。

恵衣くんに視線を向けてヒッと息を飲む。トマトみたいに顔を真っ赤にした恵衣くんは、鬼みたいな顔で薫先生を睨んでいた。


「審神者って暗黙の了解で断れないことになってるけど、断る選択肢だってちゃんとある。そう不安にならなくてもいいよ」


薫先生はグリグリと私の頭を撫でた。

な、なんだ。別に断ることもできるんだ。でもそうならそうと先に言ってほしい。本当にびっくりした……。


「さて、話すことも話したし内緒話はこれで終わりね。さっきグループトークに嘉正からメッセージきてたよ。部屋でトランプやろうって。若いねぇ、センセーは限界だから先寝るよ」


一つ伸びをした薫先生は手をひらひらさせて歩き出す。食堂の出入口でピタリと足を止めて振り返った。

くるりと振り返って恵衣くんを見る。


「仕方なくでも結婚相手に名乗り出るくらいは、巫寿のこと大事に思ってるんだね。それはオトモダチとしてかな?」


にやりと笑った薫先生は「じゃ」と食堂を出ていく。

隣からブチッと切れてはいけない何かが切れる音がして、振り返ることは出来なかった。

そういえば恵衣くんは、何で薫先生にゆすられたんだろう。



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