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春休みと禊
弐
しおりを挟むみんなで焼肉を食べたあと、大人三人が居間でしっぽりお酒を酌み交わし始めたので、私と恵理ちゃんは私の部屋に移動した。
お兄ちゃんが焼いてくれたシフォンケーキを食べながらガールズトークに花を咲かせる。
「それで、泰紀くん関連で話したいことって?」
「そうそれ! 長くなるけど話していい!? てか長くなるけど聞いて!」
「あはは、いいよ。聞く聞く」
怒涛の勢いで話し始めた恵理ちゃん。
恵理ちゃんは現在、私のクラスメイトである近衛泰紀くんに絶賛片思い中だ。
去年の夏休みに一緒に遊ぶ機会があってその後色々あり一目惚れし、駅の改札で公開告白をしたのは記憶に新しい。いつの間にか連絡先を公開していたらしく、ほぼ毎日連絡を取り合っているらしい。
「────それで"今何してんの"って聞かれたから、クラスメイトとカラオケだよーって写真送ったら"隣の男誰?"って!! これって嫉妬だよね!? 脈ありってことだよね!?」
「泰紀くんも何か思うところがあるのかもね~」
親友の恵理ちゃんの恋なら全力で応援してあげたい。
泰紀くんがどんな様子なのか伝えてあげられたらいいんだけれど、いつも恵理ちゃんの話題になると顔を真っ赤にして逃げてしまう。
十分に意識している証拠なんだけれど、クラスメイト達はその度に「怒って出て行った」と思っているようだ。
「でも大晦日に会おうって誘ったんだけど、家が忙しいって断られたんだよねぇ。なんか体のいい断り文句って感じじゃない?」
「あ、それはね、本当なの。泰紀くんのお家って神社だから、年末年始は参拝客の相手やご祈祷の依頼でめちゃくちゃ忙しくなるんだよ」
「そうなの? なんだ良かったー!」
ホッと息を吐いた恵理ちゃん。頬を赤らめるその顔は恋する乙女そのもので凄く可愛い。なんかちょっと羨ましいかも、なんて少し思ったり。
「あ、でも春休みは会うんだよ! 4月の頭に家族旅行に行くって話をしたら、丁度泰紀くんも用事で近くにいるんだって。少しだけ会える?って言われちゃった! 近くの神社でひな祭りのイベントやってるから一緒に行こうって~」
「えっ! ということはデート……!?」
「やだ巫寿ったらもうッ! 少し会うだけだよ~!」
私の肩をバシバシと叩きながら体をくねらせる恵理ちゃん。その表情は本当に幸せそうでなんだか私まで嬉しくなる。
デートの話はほかのクラスメイトには内緒にしておこう。二人がデートに行くなんて話したら、ついて行こうとする可能性が大いにある。
恵理ちゃんにはこの恋を大事に育てて欲しい。
「そういえば、聖仁さんと瑞祥さん! 巫寿の推しカプは最近どうなのよ!」
「ふふ、推しカプって」
「だってそうでしょ~? 会ったことはないけど私も二人のこと応援したいなぁ。幼馴染なんだっけ?」
そうだよ、と頷く。
榊聖仁さんと夏目瑞祥さんは一学年上の先輩で、私が所属する神楽部の部長と副部長だ。
穏やかで落ち着いた性格の聖仁さんと活発な で天真爛漫な性格の瑞祥さんは正反対のように見えて唯一無二のバディだ。
二学期に応声虫と呼ばれる怪虫が神修の寮内に入り込み、体に寄生された生徒が次々と倒れる事件が起きた。瑞祥さんもその被害に遭い、声が出なくなった。
その時の聖仁さんの己の無力さに苛立ち思い詰める姿は、瑞祥さんがどれほどの存在なのかを物語っていた。
全てが解決したあと、帰ってきた瑞祥さんを反り橋の下できつく抱きしめた聖仁さん。二人がただの幼馴染ではないということは薄々気付いていたが、それで私は確信した。
間違いなく二人はお互いのことを深く想いあっている。少なくとも聖仁さんは幼馴染に抱く感情とは違う、特別な感情を抱いているはずだ。
男女の機微に疎いクラスメイト達はそれを見ても「仲のいい幼馴染」としか思わないらしく、どうしても誰かと共有したかった私はこっそり恵理ちゃんに電話した。
恋バナが大好きな恵理ちゃんはすっかり興奮して、それからというもの電話する度に「あの二人はどうなった!?」と聞いてくる。
「それが、三学期は神社実習があったから報告することはないの。瑞祥さんからは、二人で休みの日に出かけてる写真がたまに送られてきたけど」
「それってデートじゃん!」
「でも二人がその自覚ないからなぁ」
これまで間幼馴染として過ごしてきた期間が長い分、その関係が形を変えるのは難しいはずだ。
私だったら今の関係の心地良さを優先させてしまうかもしれない。
恵理ちゃん達もそうだけれど、聖仁さん達もその気持ちを大切に育てて欲しい。人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られてなんとやら、だ。外野の私は黙って見守るに限る。
けどトキメキは共有したいので、恵理ちゃんには今後も引き続き報告させてもらおう。
一通り恋バナを堪能した後は、学校生活や最近見たドラマの話でまた盛り上がった。
それから何時間かたった頃、コンコンと部屋の扉がノックされてお兄ちゃんが顔を覗かせた。
「恵理ちゃん今日うち泊まるの? もうかなり遅いし、泊まるならお家の人に連絡しなよ」
「え、もうそんな時間!?」
時計を見上げると22時を過ぎた頃だった。
「明日部活あるし今日は帰る! ありがとイコくん!」
「ん、なら玉じいが家まで送ってくれるから準備できたらリビングね」
「えー、別に一人でも帰れるのに~」
「いいから言うこと聞く」
はーい、と唇をとがらせた恵理ちゃんはテキパキ鞄に荷物を詰めると立ち上がった。
話の続きは次会う時ね、と約束をして玄関まで玉じいと恵理ちゃんを見送る。遠ざかっていく二人に大きく手を振り、家の中へ戻った。
居間に戻ると禄輪さんとお兄ちゃんが机を挟んで座っている。
「巫寿、ちょっと話したいことがあるからこっちに来てくれ」
禄輪さんにそう呼ばれて、そういえば今日はその用事で家に来ていたことを思い出した。お兄ちゃんの隣に座れば、禄輪さんは真面目な顔で私たちを見た。
「さて、今日来たのは他でもなく巫寿のことについて話すためだ」
「私のこと、ですか?」
ああ、と禄輪さんがひとつ頷く。そしてテーブルの上に手をついて一つ息を吐く。
「この一年で色々なことがあっただろう。楽しい事じゃなくい。苦しいことも悲しいことも、辛いこともあったはずだ」
あ、と小さく声を漏らす。
この一年は本当に楽しかった。新しい友達に新しい環境、慣れないことは多かったけれど毎日が新鮮だった。
それ以上に、この世界に踏み込んでいなければ味わわずに済んだ悲しみや苦しみも沢山あった。垣間見た人間の醜さや恐ろしさは今もこの目にしっかりと焼き付いている。
自分の私利私欲のために禁忌を犯した人、圧倒的な悪意を抱いた人、復讐のために道を踏み外した人。
許されることではないと分かっている。ただ、その道に走ってしまった気持ちが少し分かるからこそ苦しかった。
私達はそんな人たちを導き、時に罰さなければならない。神職というのはそういう仕事だから。
「これからもこの世界に身を置くなら、ずっとそれはついてまわる。優しい者ほど時に心を病む」
禄輪さんが真剣な眼差しを向けた。
「神修で一年間学べば、ある程度は自分で身を守れるだけの力は付く。薫にもそう教育するよう頼んだ」
「えっと……」
「それにこの一年巫寿に起きた出来事を思うと、私も祝寿も新学期に快く神修へ送り出すことは難しい」
ドクン、と心臓が嫌な音を立てた。
目を見開いて禄輪さんを見つめる。
「だから私や祝寿の意見としては、二年生からは────」
「嫌ですッ!」
咄嗟に出た言葉は思ったよりも大きくて、勢いよく立ち上がった私を二人は驚いたように見上げていた。
「あのな巫寿、ちゃんと聞いて」
諭すようなお兄ちゃんの声色に顔を顰めた。その続きは聞かなくたって分かる。
どうして? だって夏休みに話し合った時に、認めてくれたんじゃなかったの?
確かにこの一年沢山危ない目には遭ったし、それで周りの人達に心配をかけた自覚もある。それでも私の思いを聞いて、尊重してくれたんじゃなかったの?
「また神修へは行かせないっていうの……? 嫌だよ、私はあそこで勉強したい……ッ! やっと見えてきたの、目指したい背中とかなりたい姿とか。やっと皆の役に立てたの。守られてばかりじゃなくて、私もみんなを守ってあげられたの……!」
両親が命にかえて守ってくれて、そこからお兄ちゃんが大切に守って育ててくれた。初めて妖に襲われた時は禄輪さんが助けてくれて、空亡の残穢を封じた時はみんなに背中を押してもらった。
何度も助けられ守られて、ずっと私は何も返せていなかった。でも三学期に授力が使えるようになって、守られてばかりだったこんな私でも役に立つことが出来た。
誰かを助け、守ることが出来た。それがどれほど嬉しかったか。
「大切な友達もできたし尊敬してる先生もいるの。簡単に辞めろなんて、言わないで」
唇を噛み締めてそう呟く。震える拳をきつく握った。
最初は禄輪さんに言われて決めた道だったかもしれない。けれどその先で、私は私自信で進みたい道を見つけ始めている。
まだ迷うことは沢山あるし勝たんな事じゃないけれど、今はそうなれるように神修で頑張りたい。みんなと一緒に研鑽したい。
「そ、それでも駄目って言うなら私────」
「ちょっ、ストップストップ! 落ち着け巫寿!」
出て行く、と叫ぼうとしてお兄ちゃんが慌てて立ち上がった。
「ったく、今"出て行く!"って言おうとしたろ? 怖がりのくせに思い切りがいいのはホント昔から変わんないね……」
「その思い切りの良さはしっかり泉寿の遺伝子を受け継いでるな。諦めろ、祝寿。椎名の家系は兄が苦労する運命なんだよ」
ハッハッハ、と声を上げて笑う禄輪さんに、「笑い事じゃないですよ」とお兄ちゃんは疲れ果てた様子で呟いた。
話の展開が読めずにオロオロと二人の顔を交互に見ていると、お兄ちゃんが少し乱暴に私の頭を撫でた。
「意地悪な言い方して悪かったよ。でも俺や禄輪さんに散々心配かけたんだから、これぐらい甘んじて受けなさい」
え?と目を瞬かせる。
禄輪さんがテーブルに頬杖をついてにやりと笑った。
「この一年巫寿に起きた出来事を思うと、私も祝寿も新学期に快く神修へ送り出すことは難しい。だから私たちに心配されないくらい、今後もしっかり研鑽して学びを深めてきなさい」
え、と目を丸くする。
「巫寿が最後まで人の話を聞かないから悪いんだぞ」
「兄ちゃんもう反対はしてないよ。巫寿が選んだ道なんだからもちろん尊重する。ただね、禄輪さんと話して、本当にこのまま神修に通いたいのかこのタイミングで確かめておきたかったんだ」
お兄ちゃんが眉を下げて笑う。その表情をされるといつも何だかむず痒い。
「巫寿自信でそう決めたなら、もう私たちから言うことはないよ」
「でも兄ちゃんが恋しくなったら直ぐ辞めて帰ってくるんだぞ!」
二人からぽんと肩を叩かれた。途端胸が熱くなって、鼻の奥がツンとする。
何とか「はい」と返事をすると、お兄ちゃんが瞳をうるうるさせながらガバッと両腕を広げた。「巫寿~ッ!」と私の名前を叫び、そのまま抱きつこうと走ってきたのでサッと身を翻して避ける。背後で盛大に転ぶ音が聞こえた。
「まぁあれだ。そうは言いつつ巫寿は一恍に似て真面目で勤勉だから、勉強面では私が心配するようなことはない。ただ、勉強面以外がどうにも不安なんだ。また夏休みのような事が起これば……」
言葉を濁した禄輪さんにごくりと唾を飲み込んで慎重に頷く。
お兄ちゃんが「夏休み? 何かあったの?」と赤くなったおでこを擦りながら間に入ってきたので、「何でもないッ!」と即答する。
「とにかく危険なことには首を突っ込まないこと、無茶しないこと。悪友達にも重々伝えておきなさい」
はい、と首をすくめると笑った禄輪さんが私の頭をぽんと叩いた。
「そういえば巫寿、騰蛇はどうした? 何かあれば私へ伝えるように頼んでいたが、最近は全く顔を見ていないぞ」
何度か瞬きをして、確かにそうだと目を見張る。
騰蛇────十二神使と呼ばれる妖にして妖にあらず穢れを嫌う清廉潔白な存在だ。
最高神、撞賢木厳之御魂天疎向津媛命に仕える十二匹の神使の一匹で、燃えるような真っ赤な髪と瞳を持っている美しい妖だ。
書物では審神者しか使役できないのだと書いていたけれど、意外とそうでもないらしい。
実際に騰蛇も禄輪さんが使役していたところを私が譲り受け、今は私のそばにいてくれている。十二神使側から主従関係を反故にすることで、審神者以外の人間でも使役できるみたいだ。
名前も教えてもらった。赤眼の妖十二神使の騰蛇、彼女の真名は眞奉。
普段は人の目には見えない姿で私のそばにいる。何か頼めば淡々と手伝ってくれるけれど、基本的に話しかけても一言二言しか返って来ない。
眞奉の性格も寡黙で淡々としているし、人と話すことはそんなに好きではないのかもしれないと思って私も話しかけることは滅多にしなかった。
思えば眞奉と話したのは一学期のあの事件に遭った時が最後だ。私が現状を禄輪さんへ知らせるようにお願いして、眞奉は私から離れた。
それからは一度も姿を見せてくれていない。
「眞奉?」
呼びかけてみるも返事はなく、首を傾げた。
「眞奉って誰のこと?」
不思議そうな顔をしたお兄ちゃん。
「禄輪さんから借りてる十二神使の騰蛇だよ。元からあんまり表に出てくる子ではないんだけど、そういえば最近出てきてないなって」
はァ!?とお兄ちゃんが素っ頓狂な声を上げた。
「十二神使を使役してる!? 巫寿が!?」
「あとでちゃんと説明するから……」
お兄ちゃんをそう宥めて、一度心を落ち着けると今度は頭の中で名前を呼んだ。
────眞奉? 出てこられる?
やはり返事はない。
「そばにいないみたいです」
「そばにいない? 十二神使が主の傍を離れることなんて────」
何かに気が付いたのか言葉をとめて、険しい表情を浮かべる。何かまずいことが起きているんだろうかと不安になる。
「今すぐかむくらの社へ行くぞ」
禄輪さんはそう言って立ち上がった。
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