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昇階位試験
壱
しおりを挟む「そこまで、ペンを起きなさい」
試験監督の声が教室に響き、私達は鉛筆を机の上に伏せた。解答用紙が集められていき「では午後の実技試験も頑張るように」と言い残して教室から出ていく。
ピシャリと扉が閉まると同時に、皆はプハッと苦しそうに息を吐いた。
「大門二の問五、答え何!?」
「俺は一番にしたよ」
「はァ!? 三の復命祝詞じゃねぇの!?」
「ここの穴埋めは!?」
一斉に立ち上がって嘉正くんの周りを取り囲む皆。私も自分の問題用紙を持ってその輪に混ざる。
今日はいよいよやってきた昇階位試験の日、今は午前の試験である筆記試験が終わったばかりだ。
「お疲れさまー、皆どんな感じ?」
答え合わせでわいわい騒いでいると前の扉から薫先生が入ってきた。
「ちゃんと問題用紙に答え転記した?」
「ちゃんとした! だから早く答え合わせしてくれよ先生!」
「あはは、分かった分かった。実技試験終わる頃までにはやっとくから、早くお昼食べてきな」
皆祈るような表情で問題用紙を先生に渡す。
「巫寿は出来た?」
「えっと、多分……」
「あはは、自信ないんだねぇ」
そう言われて肩をすくめる。
一応設問は全て解いて、解答用紙を埋めることは出来た。でも間違いないと自信を持てる解答は七割程度だ。
「ま、七割正解で合格だから大丈夫だよ」
「俺自信あるの五割くらいなんだけど!?」
「……泰紀は来年も一年生かぁ」
「薫先生!?」
そうやって騒ぐ皆を見ていると少しだけ緊張が解けた。
とにかく筆記試験は終わった。後は実技試験さえ乗り越えればいい。一体どんな試験なんだろう。
薫先生は習った範囲の事しか出ないからって言っていたけど、応用問題みたいな感じで変化球で来られたら対応できるかどうか。
そもそも実技試験の方法がまだ分からない。毎回個人かチームかはその場で言い渡されるらしい。
まだ自分に自信が持てない私はもちろんチームで取り組む試験内容だとがありがたいのだけれど、こればっかりは願ってもどうにもならない。
残りの時間でしっかり復習して上手くいく事を祈るのみだ。
食堂でお昼ご飯を食べたあと、集合場所である車乗り場へ向う。普段は車だけが置かれているそこには数人の神職がいて、屋形にはちゃんとご神馬さまも繋がれている。
「車で移動するのか?」
「どこ連れてかれんだよ俺たち……」
午前中でかなり消耗したらしく慶賀くんと泰紀くんはため息をつく。
車で移動するという事は試験会場はここから離れたところにあるみたいだ。
「もういいや俺……どうせ筆記で赤点だし……俺だけ来年も一年生なんだよ……」
「大丈夫だ泰紀! 留年する時は俺と一緒だ!」
「慶賀ーッ! 心の友よ!」
抱き合っておうおうと泣き真似をする二人を横目に、私達はそそくさと車に乗り込んだ。
先に来ていた恵衣くんが窓際で本を読んでいる。他に紫色の袴を履いた男性が五人ほど乗っていた。彼らはきっと試験監督だろう。
実技試験は五人も試験監督が付くんだ。大掛かりだなぁ。
呑気にそんなことを考えていると、入口からもう一人神職さまが中へ入ってきて扉は閉じられた。
ゆっくりと車が動き始めて、最後に乗ってきた神職さまが私たちを見回す。
「さて、午前の筆記試験はお疲れ様でした。手応えがあった者なかった者それぞれだと思いますが、気持ちを切り替えて実技試験に望んでください」
神職さまは一息置くと私達にA4サイズの一枚の紙を配った。実技試験評価表、と書かれたその紙には自分の名前といくつかのチェック項目が書かれている。
そして一番上の欄には────「試験形式:個人」。
「神職の数で気付いた方もいらっしゃると思いますが、今回の試験は個人で行ってもらいます。所定の場所へついたら、直ぐに開始します。配置された場所の状況を見極め、適切な処置を行ってください」
そんな、と泣きたくなる気持ちをグッとこらえる。
先輩たち曰く、試験形式は毎年個人とグループ交互で行われている。前回のテストが個人だったから今回はグループでの試験だろう、と。
グループ試験だと思っていたから「何とかなるだろう」と安心していたのに、まさか個人で試験だなんて。
「今年は個人かよ~。嘉正と恵衣がいるから楽できると思ったのに」
「先輩達の予想外れたね。まぁどっちにしろ、勉強してきたことを発揮すればいいだけだし」
そう呟いた来光くんに少し驚いた。
だって少し前までは私と同じで"不安だからグループがいい"って言っていたのに。
でも確かにここ数日で、来光くんがめきめきと力をつけていくのを間近で見ていた。大きな経験を経てそれが来光くんの自信に繋がったんだろう。
他人を羨んでる場合じゃない。今から私ひとりで戦わないといけないんだから。
説明が終わってすぐに持ってきた教科書を広げた。
車は一時間程度で静かに停車した。一人ずつ名前を呼ばれて試験監督の神職さまと車を降りていく。
四番目に名前が呼ばれた私は、眼鏡をかけた生真面目そうな壮年の神職さまが試験監督らしい。見るからに自分にも他人にも厳しそうな人だ。
慶賀くんを担当する試験監督は開門祭の神話舞で少しだけ話したことのある神職さまだったから、当たるならその人が良かったな、なんて少し罰当たりなことを考えてしまう。
でも試験監督なんだからきっとどの人に当たったとしても公正公平に合否を決めてくれるはずだ。
車を降りるとそこは深い森の奥だった。太陽の光は木々に遮られ薄暗く空気も重い。重いのは湿気だけのせいじゃないのはすぐに分かった。
────残穢が流れてきてる……。
「ついてきてください」
そう言った神職さまの後を10分くらいついて歩き、辿り着いた先には見るからに雰囲気のあるあばら家だった。
壁は何とか持ちこたえてはいるものの屋根の半分は崩れ落ち、すきま風が吹き込む音が不気味に響いている。
「さて、椎名巫寿さん。このあばら家の異変を解決してください。解決出来ればこの場で合格とします」
「え?」
思わず聞き返してしまった。
「ですから、このあばら家の異変を探し出し、祝詞を奏上して解決してください」
「あ……はい」
思わず頷いてしまったが、本当に私の試験内容は「このあばら家の異変を解決すること」なんだろうか?
もう一度あばら家を見る。
半壊した家屋だ。もとは山小屋かなにかだったんだろう。壊れたドアがギィギィと音を立てて揺れている。
その隙間からあばら家の中が少しだけ見えた。散乱した家具が見えて、吊るされたランタンが青い光をちらちらと放っている。
この荒れ果てたあばら家で"不自然に"青く光り輝いている。もうとっくに使われなくなったであろうこのあばら家で、それはそれは不自然に。
「えっと、あの怪火を祓うだけでいいんでしょうか……?」
振り返って恐る恐る尋ねると、神職さまは眉ひとつ動かさず私を見ている。あの、ともう一度声をかけたがやはり同じで小さく息を吐くとあばら家に向き直った。
青い火の光といえばひとつしかない。火の妖術を扱う妖が残す残穢、怪火だ。神職諸法度では見つけ次第祓うことを推奨されている残穢で、その場に残しておくと勝手に動き回り人を驚かしたり、ボヤの原因になる。
怪火には思い入れがある。なんたって私が初めて使えるようになった祝詞が、怪火を鎮める為の鎮火祝詞だからだ。
とにかくやってみよう。今の所目に見えて分かる異変はあの怪火だ。
ひとつ深く深呼吸をした。
大丈夫、授業でした通りにやればいい。
胸の前でキレのいい柏手を響かせた。
「高天原《たかまのはら》に神留座《かんづまりましま》す 皇親《すめむつ》神漏岐《かむろぎ》神呂美之命《かむろみのみこと》を以《もち》て 皇御孫命《すめみまのみこと》をば 豊葦原《とよあしはら》の水穂《みずほ》の国を安国《やすくに》と平《たひら》けく所知食《しろしめせ》と 天下《あめのした》所寄奉《よさしまつり》し時《とき》に事奉仍《ことよさしまつり》し 天津祝詞《あまつのりと》の太祝詞《ふとのりと》の事《こと》を以《もち》て申《まを》さく……」
これは火を恐れ敬い、火の神に感謝申し上げ、火の災いが起きないように鎮めるための祝詞。
「神《かむ》伊左奈岐《いざなぎ》伊左奈美《いざなみの》命《みこと》妹背《いもせ》二柱《ふたはしら》の神《かみ》嫁継給《とつぎたまひ》て 国の八十国《やそくに》嶋《しま》の八十嶋《やそしま》を生《給うみたま》ひ 八百万《やほよろず》の神等《かみたち》を生給《うみたまひ》て 麻奈弟子《まなおとご》に火結《ほむ》すびの神を生給《うみたま》ひて 美保止《みほと》を被焼《やかえ》て石隠座《いわかくれまし》て 夜七日《よななよ》昼七日《ひななひ》吾をな見給《みたま》ひぞ吾奈背《わがせな》の命と申《まを》し給《たま》ひき 此の七日《ななひ》には不足《たらず》して隠座事《かくります》こと奇《あやし》とて見所行《みほなほ》ず時《とき》に 火を生給《うみたま》ひて御保止《みほと》を所焼座《やかえまし》き 如是時《かかるとき》に吾奈背《わがなせ》の命の吾を見給《みたま》ふなと申《まを》すを 吾を見阿波多《みあはた》し給《たま》ひつと申《まを》し給《たま》ひて 吾奈背《あがなせ》の命《みこと》は上津国《うはつくに》を所知食《しろしめ》すべし」
声は火を吹き消す風のように、強く清く高らかに。
「吾は下津国《したつくに》を所知食《しろしめ》さんと申《まを》して石隠《いはかく》れ給《たま》ひて 與美津牧坂《よみつひらさか》に至座《いたりまし》て所思《食おもほしめさ》く 吾名妹《わがなせ》の命の所知食《しろしめ》す上津国《うはつくに》に 心悪子《こころさがなきこ》を生置《うみおき》て来ぬと宣《のたま》ひて 返座《かへりまし》て更に生子《みこ》をうむ 水神《みづのかみ》瓢《ひさご》 川菜《かはな》 埴山姫《はにやまひめ》 四種《よくさ》の物を生給《うみたま》ひて 此の心悪子《こころさがなきこ》の心荒ひそは 水神《みづのかみ》 瓢《ひさご》 埴山姫《はにやまひめ》 川菜《かはな》を持《もち》て鎮奉《しづめまつ》れと 事教《ことをし》へ悟給《さとしたま》ひき 依之《これにより》て雑々《くさぐさ》の物を供へて」
腹の底が熱くなる感覚、私の中の言祝ぎが昂っていく。
「天津祝詞《あまつのりとの》太祝詞《ふとのりと》の事を以《もち》て 称辞《たたへごと》竟奉《をへまつら》くと申《まを》す……!」
ボッと音を立てて瞬く間に怪火が消えた。成功すれば冷水をかけた火が消えるように消滅するから、間違いなく成功だ。
やった!と小さくガッツポーズをする。
出だしは好調だ。このまま他も落ち着いて対応できれば、私一人でも何とかなるはずだ。でも喜んでる暇はない、さっさと次に進もう。
意気込んだその時。
「椎名巫寿さん、実技試験合格です。お疲れ様でした」
「え?」
振り返ると神職さまはバインダーに挟まれた私の評価シートを差し出した。いくつか書き込みが増えていて、右上には丁寧な文字で「合格」という文字が記入されている。
何度か瞬きをして、評価シートと神職さまの顔を交互に見た。
「今回の試験内容は怪火の修祓でした。問題なく対応出来ていましたので合格です。他の学生の試験が終わるまで車で待機してください」
「あ、はい……」
車に向かって歩き出した神職さまの背中をぽかんと見つめる。
合格……本当に合格? こんなにあっさり合格できるものなの?
なんかこう、色んな祝詞を組み合わせて奏上したり、周囲を観察して残穢や妖の種類を特定したり、そういうのをイメージしてたんだけれど……。
思っていた試験と違いすぎて、肩の力が抜ける。
でもちゃんと合格できたんだし、"結果良ければ全て良し"だよね?
「良かったー……」
思わず天を仰いでそう呟いた。
「おっ巫寿も帰ってきた! お疲れ~」
「どうだった? 上手く行った?」
戻ってくると既に車には嘉正くんと恵衣くん以外のみんなの姿があった。
「合格出来たよ……! みんなは?」
僕らもバッチリと親指をグッとたてた来光くん。やったね、とハイタッチを交わす。皆の傍に腰を下ろした。
「その様子じゃ巫寿ちゃんもサクッと終わらせてきたみたいだね」
「もしかして三人も?」
「うん。思ったよりも簡単で拍子抜けしたよ」
やっぱり簡単だと感じたのは私だけじゃなかったんだ。
「まぁ俺ら空亡の残穢だの牛鬼だの、ヤバいのと散々戦ってきたしなぁ」
「あはは、確かに」
思えばこの一年間、習った祝詞じゃ通用しない相手ばかりと戦ってきた。
実技試験は習ったことからしか出題されないって薫先生も言っていたし、必要以上に怖がりすぎたのかもしれない。
「でも嘉正と恵衣が遅いのは変じゃね?」
「確かに。あの二人なら一番乗りで戻ってきそうなのにね」
「手こずってんじゃねぇの? 戻ってきたらからかってやろ~」
けけけ、と悪い笑い方をした慶賀くんにやれやれと肩を竦める。
それにしても、確かにあの二人が一番最後なんて少し妙だ。何かトラブルでもあったんだろうか、と少し不安になる。
「恵衣だけが落ちて俺らが受かるとか超おもろいんだけど~!」
「地球が反対周りを始めてもそれだけはないから安心しろ」
そんな声が聞こえてハッと振り返ると、冷たい目を向ける恵衣くんと苦笑いの嘉正くんが立っていた。
「おかえり二人とも。どうだった?」
「うん、問題ない。二人とも両方合格」
拳を突き出した嘉正くんに、皆こつんとぶつけて称える。
良かった、これでみんな実技試験は合格────二人とも両方合格?
「俺と恵衣、薫先生に勧められて三級の実技試験も受けたんだよ」
ええっ!とみんなの驚く声が重なる。
三級というと高等部二年の終わりに受験する級だ。二人ともいつの間にそんな準備をしていたんだろう。
「とにかくこれで試験は終わりってことだよな!? いぇーい!」
諸手を挙げて喜ぶ慶賀くんに皆くすくすと笑う。
そうだ、とにかくこれで試験は終わったんだ。実技は無事に合格出来た。あとは戻って薫先生の仮採点の結果を聞けば、無事一年生が終了する。
長いようで短い一年だった。
「帰ったら来光の部屋でお疲れ様会しようぜ!」
「なんで僕の部屋なんだよ!」
「お前の部屋が一番広いし~」
「絶対やだからね!?」
薫先生にお菓子もらいに行こうぜ、なんて作戦を立てながら待っていると、少しして私の試験監督をしていた神職さまが車の中へ戻ってきて私たちを見回した。
「皆さん、もう少しここで待機していてください。少しトラブルが起きました」
トラブル?
何か問題でも起きたんだろうか。だから神職さまたちがなかなか戻ってこなかったの?
「何かあったんすか~?」
「詳しくはお伝えできませんが、近隣の社から応援要請があり、たまたま近くにいた我々が向かうようにと本庁から連絡がありました」
近隣の社から応援……。
地域に根ざした社は神職が常に不足している。だから対応しきれない案件があると本庁に応援を要請し、ほかの社から手の相手いる神職を手配してもらうことが出来る。
つまり社の神職では対応しきれないことが起きてしまったということだ。
「すでに僕以外の神職が全員向かってますので、心配には及びません」
それを聞いてホッと息を吐く。
既に神職さまたちが向かっているなら安心だろう。
「じゃあ待ってる間トランプしようぜ!」
天井の木板を押し上げた泰紀くんが隠していたトランプと瓶に入った金平糖を取り出す。
あれ、その金平糖って薫先生のなんじゃ……まぁいいか。
「何やる?」
「一旦七並べと大富豪して、そっからスピードのトーナメント戦やろうぜ」
賛成~、と皆が輪になって座る。相変わらず恵衣くんは一人隅っこで静かに本を読んでいた。
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