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節分祭

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一月の最後の週は、力の入らない一週間だった。

来光くんはまだ寝込んでいるので、残ったメンバーで調査を続けたけれど大きな進展もなく、西院高校の学校内で起きた不可解事件の情報ばかりが集まるだけ。鼓舞の明の稽古も相変わらず進んでいない。

福豆の木箱も二回もひっくり返して千江さんに呆れられた。

他のみんなも同じような感じだった。来光くんの事が気がかりなんだろう。

志ようさんの手紙に書かれていたこともずっと胸に引っかかっていた。


神社実習はあと一ヶ月で終わる、終わればすぐに昇階位試験だ。引き受けた依頼も鼓舞の明も、実習が終わるまでに全て上手くいくんだろうか。

ずっとそんな漠然とした不安が胸の中にあった。


「────慶賀に泰紀! 急いでそこの福豆全部表に運んで! ぶちまけたらシバくで!!」


鬱々とした土日休みが明けて、すぐに節分祭の準備に駆り出された。

鬱々としながら働く暇もないくらい朝からバタバタと走り回っている。今も慶賀くんと泰紀くんが志らくさんに喝を入れられてワーッと走っていった。


「誰か一階にいますか?」


社務所二階から禰宜がそう叫ぶ。はーい、と答えて階段を駆け上がった。会議室へ入ると橙色の着物と赤い帯が桐箱の中に用意されていた。

椅子に座って何かを必死に磨いていた禰宜が顔を上げた。


「ああ巫寿さんちょうど良かった! この着物合わせてみてください、明日の福神ふくのかみの衣装です。問題なければそのままで、合わなければ千江さんを捕まえて直してもらってください。あとお多福の面磨いて貰えますか? 僕もう次の準備に行かなければならなくて。それでは」


本当に時間が無いのか早口でそれだけ言うと、私に手ぬぐいとお面を押し付けて大慌てで会議室を飛び出して行った。


受け取ったお面を見た。

瓢箪のような輪郭に白塗りの顔、線のように細い笑った垂れ目にふっくらした朱色の頬。世間一般で「お多福」と呼ばれている木彫りの面だ。

私は明日、志らくさんとこの面を付けて「福神」の役をするように仰せつかっている。

特になにかする訳ではないらしく、豆まきが始まって鬼が一頻り暴れ怯えた子供たちによって社頭が阿鼻叫喚の図になった後で登場する役なのだとか。

福は内、ということだろう。

毎年泣きじゃくった子供たちが鬼から逃げようと我先にタックルする勢いで抱きついて来るらしく、その大役を任されたその日に志らくさんから「今のうちに腹括っときや。絶対腰いわすから」と据わった目で忠告された。

サポーターとか買っといた方がいいのかな、とネット通販で「腰 サポーター」と少しだけ調べて結局買っていない。

衣装を合わせてみると袖が少しほつれていたので、後で千江さんに頼まなきゃいけないななんて考えながら綺麗に畳み直す。

そして、しばらく椅子に座ってお多福の面を磨いていると今度は下の階から「巫寿上いるー!? いるならちょっと手伝って!」と嘉正くんの悲鳴混じりの声が聞こえた。

はーい、と返事をして面を箱にしまうとパタパタと階段を降りた。


昼過ぎまで社頭に建てられた簡易舞台の上で舞踊や舞楽、今様を明日の節分祭で奉納してくれる地元の人達のリハーサルが行われ、神職さま達はそちらに付きっきりなので裏方の準備は全て私たちで行った。

息つくま間もなくあちこちを駆け回り、やっと各所が落ち着いて「今のうちに昼ご飯食べといで」と志らくさんに促された頃には15時を回っていた。

皆して宿舎の居間へドタドタと雪崩こむと机の上にはラップされたオムライスとコンソメスープが置いてあった。

他の神職は誰もまだ手をつけていない。


「……なぁ、温める?」

「いや……俺このままでいいわ」

「俺も……もう一ミリも動きたくない」


私もこのままで、と苦笑いで返事をする。

ゲッソリした皆がズルズルと身体を引きずりながら席につき、手を合わせた。

一口食べてもぐもぐと咀嚼したみんなはスプーンを置くと「やっぱ温めよ」「俺も」「今は温かいご飯食べたいね」とお皿を持ち上げた。

ぞろぞろと台所へ向かうと、次々と電子レンジにお皿を突っ込む。私はお鍋を拝借して、みんなのコンソメスープを一気に温め直した。

疲れ果てた皆はその場にしゃがみ混むと深く息を吐く。


「節分祭って毎年こんな感じなのかよ? 俺二月嫌いになりそう」


げー、と舌を出して顔を顰めた慶賀くんに、嘉正くんが呆れ顔を浮かべる。


「慶賀お前、実家の社で節分祭の準備手伝わなかったの?」

「あーやだやだ。これだからお坊ちゃまはよぉ」

「普通初等部上がるまでは、ろくに家の手伝いなんてしないもんなんだよ!」


頬を膨らませて抗議する慶賀くんにくすくす笑う。

嘉正くんは良家の長男でお父さんが宮司、泰紀くんは本人曰く神職が雇えないほど貧乏なお社の長男、二人とも自ずと手伝わなければならない環境だったんだろう。

思い返せば私も実家にいた頃は、ほとんどの家事をお兄ちゃんに任せっきりだった。

言えた立場じゃないのでちょっと肩身が狭い。黙ってお鍋をかき混ぜた。


「まぁビックリした! あんたらそんなとこ座り込んで何してんの!」


お盆に空いたお皿を乗せた千江さんが入ってきて、床に座り込む皆に驚いたように声を上げた。


「お昼温めなおしてまーす」

「立ってるのがしんどいので座ってまーす」


そう答えた二人に「この子らはホンマに……」と息を吐く。


「やったるから居間で待っとき」

「やりぃ! サンキュー千江さん!」

「アンタは何にもしてないやろ。電子レンジと巫寿ちゃんにお礼いいなさい」

「電子レンジあんがとな! 巫寿も!」


私がついでなんだ、と心の中で少し突っ込む。千江さんに礼を言いながらお玉を渡して場所を代わった。

代わりに千江さんが持っていたお盆を受け取って流しへ置いた。お皿には半分のオムライスと手付かずのスープが残っている。


「……これ、来光くんのお昼ですよね? 来光くんの体調どうですか?」


鍋の底を覗き込んでコンロの火を調整しながら「うーん」と千江さんが唸る。


「熱も下がったし隔離期間も過ぎたから問題ないとは思うんやけど、まだ起き上がるのはしんどいんやって。本人も"うつしたら悪いからもう少し部屋は分けて欲しい"って言うとるわ」


千江さんが申し訳なさそうに嘉正くんを見る。嘉正くんは胸の前で両手を振った。


「俺は大丈夫です。来光が良くなる事が最優先なので」

「おおきになぁ。ほら、あんたらそんなとこ座っとらんと、居間でコタツ入っとき」


はーい、と返事をした私たちはぞろぞろと居間へ戻った。

コタツに潜りながら皆は少し気がかりな様子で天井を見上げる。上の階は私たちに割りあてられた私室だ。


「来光やっぱ、気にしてんのかな」


慶賀くんがテーブルに突っ伏して呟いた。

みんな考えている事は同じらしい。


「気にしない方が難しいよ。俺だって思い出すだけではらわた煮えくり返りそう」


冷静な声ではあるけれど、きつく握った拳が嘉正くんの気持ちを表している。


「俺バカだから分かんねぇんだけどさ。こういう時って話聞いてやった方がいいのか? 無理に話して思い出させる方が苦しいんじゃないか?」


泰紀くんは神妙な顔でそう言う。

前に来光くんと話したことを思い出す。いつか聞いて欲しい、たしかにそう言っていた。

きっとまだその「いつか」ではなくて、自分の中で整理をつけてある段階なのだろう。だったら無理矢理聞き出すのは、きっとかさぶたを剥がすのと同じなのだろう。

思ったまま伝えると、皆は目を伏せた。


「確かに巫寿の言う通りだ。来光が自分から話すタイミングを作るって言ったなら、それを待とう」

「でもよぉ。その……あいつがいじめられてたってのはもう、俺たちも知ってるわけじゃん? もう隠すも何も、なぁ?」


同意を求めるように泰紀くんに視線を送った慶賀くん。泰紀くんは腕を組んで目を細めた。


「俺さ、あいつがクラスメイトに死神って呼ばれてたことが関係してるんじゃねぇかって思ったんだけど」


それは私も少し思っていたことだ。

クラスメイトに「死神」という名前で呼ばれ、からかわれていた来光くん。そう呼ばれるに至った経緯に、来光くんが塞ぎ込んでいる理由があるような気がした。


「もう理由とかなんでもいいよ。とにかく、やられっぱなしなんて来光らしくねぇよ。やられてもギャンギャン喚いてブチギレるのがあいつだろ」

「だな。それにあいつがいねぇと調子狂う」


揃って三馬鹿と呼ばれる二人は、来光くんが寝込んでからずっと静かだった。

はぁ、と揃えて息を吐いた二人。


「何があったかしらねぇけどさ~」

「そうだな。何でもいいけど、とにかくあいつがいねぇと暇」


もう一度ため息をついた二人。

ちょうどその時千江さんが温め直したお昼ご飯を運んできてくれた。いただきます、とみんなで声を揃える。

もそもそと咀嚼した慶賀くんはごくんと飲み込む。そしていきなり「ウワーッ」と叫びながら頭を抱えたかと思うと自分の頭をガシガシと掻きむしった。

嘉正くんが「け、慶賀?」と顔をひきつらせる。そのままうずくまって動かなくなった慶賀くんは「ハイッ!」といきなり手を挙げて立ち上がる。

あまりの勢いに目を瞬かせた。


「知らん知らん知らーーん! もうどうでもいい! あいつが過去にいじめられていようが、実は人間じゃなくて死神だろうが俺は知らねぇ! 励ますとか話聞くとかそんな器用で繊細なことは無理! とにかく来光がいないと退屈、以上! だから俺は明日の節分祭で、奉仕が終わったあとあいつを連れ出して社頭で遊ぶ!」


ふん、と鼻を鳴らした慶賀くんは座り直すとガツガツとオムライスをかき込んだ。

私たちは顔を見合せた。しばらくの沈黙の後、嘉正くんがぷっと吹き出して釣られるようくすくすと笑った。


「確かに内気な来光にはそれくらいが丁度いいのかもね」

「あっ、俺に配慮とか期待すんなよ!?」

「してないよ。そんな器用なこと出来ないでしょ」

「ああ出来ねぇ!」


開き直った慶賀くんがおかしくてたまらない。


「俺も色々気遣って悩むのやーめた。今日から部屋戻ろっと。そろそろベッドで寝たいし」


嘉正くんが伸びをしてスプーンを握り直す。

慶賀くんの頭をぐりぐりと撫でた泰紀くんは久しぶりに晴れた顔をしていた。


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