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違えた道

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「────で、庭園の池で釣りをしたのはお前達だな?」


朝拝が終わって教室に戻って来ると、腕を組み仁王立ちでこちらを睨む担任が待ち構えていた。

げ、とお互いに顔を見合せると、一目散に教室の後ろの扉へ走り出す。

担任がすかさず懐から人形ひとがたを取り出してフッと息を吹きかけると、人形はもくもくと膨らんで逃げ出そうとした四人の体にへばりつく。

四人揃って抵抗する術なくばたんと床に倒れた。


「卑怯だぞ斎賀っちょ! 人形ひとがたはルール違反だろッ!」

「顔から転けたんですけど。危うく怪我するところでしたー」

「元はと言えば宙一が誘ってきたのが原因です」

「私を勘定に入れるな」


問答無用で拳骨が落ちてきて、騒いでいた四人は口を閉じる。

こめかみを押えて深いため息を吐くと、恨めしそうにこちらを見上げる四人を見下ろした。


「池の亀を釣る方がルール違反だ宙一。文句を言う前に自分の行いを省みろ薫。誘いに乗ったら同罪だ芽。頼むから傍観じゃなく止めてくれ嬉々」

「こいつらが私の制止を受け入れると思うか」


嬉々の冷静な問いかけに黙り込む。


「あははっ! 聞くわけねぇ!」

「お前が言うな宙一!」


もう一発指導を受けた宙一は反省したのかしゅんと肩を落とした。

人形から解放されたあと四人仲良く両手にバケツを持って廊下に整列させられた。


「お前らはいつまで俺に怒鳴られ続けるつもりだ? 勘弁してくれ、これ以上血圧が上がると困るんだ」

「健康診断、肥満で引っかかった?」


薫がそう尋ねて隣の宙一がきひひ、と笑う。

握った拳を持ち上げた担任に二人は口を閉じて姿勢を正した。


「多くは望まん、ただ一週間に一度くらいは静かに過ごさせてくれ」

「でもさ斎賀っちょ。静かだったらそれはそれで、俺らがまた何か企んでると思わねぇ?」

「思う」

「じゃあ無意味じゃね?」

「いいから全員次の俺の授業はそこで立って受けてろ」


授業にならないのでは、と突っ込めば自分も二発目を貰いそうだったので芽は口を固く閉じた。




「────そっか忘れてた、斎賀先生の誕生日って今月か」

「そ! だから今年はどんなサプライズにするか、そろそろ考えようぜ」

「去年は先生が入ってきた瞬間、顔面にクリームパイぶつけたよね」

「あれはクッソ怒られたよな~」


その日の六限目の後、帰り支度を整えてホームルームが始まるのを待っていると、珍しい人物が教室へ入ってきた。


「あれ、禄輪センセーどうしたの!」


自分たちが高等部に上がると同時に、非常勤講師として神修で教鞭を執っている禄輪だった。

宙一が不思議そうにそう尋ねれば、禄輪は小さく手を挙げて「ちゃんと座りなさい」と促す。その表情は心做しか暗かった。

お互いに顔を見合せながら、各々に椅子の向きを正して席に座る。教壇に立った禄輪は項垂れるように手をついてひとつ息を吐いた。


「禄輪先生……?」


堪らず名前を呼んだ。


「落ち着いて聞きなさい」


禄輪がひと呼吸おいて口を開いた。



────斎賀先生が亡くなった。


教室は水を打ったような静けさに包まれた。

誰も言葉が出てこなかった。出てこなかったと言うよりかは、その言葉を理解するのにとても長い時間を要した。


「あ……あー、えっと? あはは、俺耳おかしくなった?」


一番に沈黙を破ったのは宙一だった。いつものように軽薄な声でそう言う。けれど表情は分かりやすく強ばっていた。


「午後に空亡の修祓に向かわれて、現場で深手を負ったらしい。治療も間に合わず、その場で息を引き取ったと聞いている」

「ま、待ってよ禄輪先生。待って、ちょっと待って」

「明日明後日で神葬祭そうぎがあるから、お前達も出席するように。今後このクラスの担任業務を引き継ぐ神職はまだ決まってないが、暫くは私が……」

「待ってってばッ!」


バン、と机を叩いた宙一が勢いよく立ち上がった。宙一が怒りに任せて声を荒らげたところを初めて見た。


「冗談キツイって。斎賀っちょが死んだ? だって今朝、ほんの数時間前だよ、ホームルームでいつも通り俺らに説教して、キョーレツな拳骨落としてさ。昼飯食う前だって、俺らが廊下走ってたら人形ひとがた投げてきて、それが足に絡まってさ、」


それで、と言葉を詰まらせた宙一が目を見開いた。

禄輪が目も合わせずに力なく首を振ったからだった。


「何で、え? だって斎賀っちょ今月誕生日で、今年はどうやって祝おうかってほんとに今、俺たち────」


宙一の声が分かりやすく震えた。振り向いて宙一を見上げれば、目尻から雫がこぼれる寸前だった。


「斎賀先生だけじゃない、今回は他にも7名の神職が殉職した。怪我を負った者は数え切れないほどいる」


どろり、心の中に重く粘着質な何かが流れ込む。


「何だよ、それ」


力が抜けるように椅子に崩れ落ちた宙一は、そのまま机に突っ伏した。

隣の席の薫を見た。俯いていて表情は分からない。

嬉々はいつもと変わらず、本を読んでいた。同じページだけをずっと読んでいた。




一学期の奉納祭は中止になって、程なくして神修は夏休みに入った。

本庁からは学生へ帰省を自粛するように呼び掛けがあって、今年は半分ほどの生徒が実家には帰らず寮に残った。

神修に通う学生のほとんどが、実家は社を管理している家系、空亡の出現で次々と社が襲撃されている状況の今は実家ですら危険な場所になる。

両親も我が子には、少しでも安全な場所にいてもらいたいのだろう。

本来ならうんと静かになる神修の八月は、いつもよりかは賑やかだったけれど、やはりどこか物寂しくセミの鳴き声がよく響いていた。


「お、芽じゃん」


遅めの朝食を食べていると、寝癖の着いた頭に寝間着姿の宙一が広間にお膳を持ってやって来た。


「おはよ。て言ってももう昼だけど」

「なに、芽も寝坊? めずらしー」


向かいに座った宙一はいただきますと手を合わせる。あまり食が進まないのか、冷奴をちびちびと摘むだけだった。


「……薫とは連絡取り合ってんの?」

「うん。薫ケータイ持ってないからやり取りは全部手紙だけどね。出したら一週間後には返事くれるよ。元気そうだよ。禄輪さんの所で毎日稽古してるみたい」


自分と宙一、嬉々は神修に残ることを選んだけれど、薫は夏休みの初日から禄輪が管轄するほだかの社へ帰省している。

神修に残ることを禄輪からも進められたらしいけれど、ほだかの社に帰ると言い張って半ば無理やり帰って行った。

そんな薫が心配で毎日手紙を送っているけれど、返事をくれるのは七通に一回程度。先日送った手紙に「もっと返事が欲しい」と書けば、「芽が多すぎるんだよ」と一言だけ荒々しい字で書かれた手紙が翌日に送られてきた。


「今どき連絡手段が手紙って。21世紀に時代錯誤過ぎるだろ」


確かにと肩を竦めれば、宙一は乾いた笑みを浮かべた。

宙一の様子がおかしい。

いや宙一だけじゃない。嬉々も薫も、多分自分も。皆隠しきれないやるせない気持ちをずっと抱えている。

無理もない。少し前から毎日のように入ってくる訃報は、心を疲弊させるには十分だった。

聞こえてくる名前は、知っているのもあれば、全く知らない名前もある。気が付けば、知らない名前であることにほっとしている自分がいて、それに気がつく度に心に大きな石が投げ込まれて少しずつ重くなっているような気がした。


「芽、今日は何すんの?」


冷奴を半分食べて、宙一は箸を置いた。


「かむくらの社にいくつもり」

「あー、そっか」

「何か用?」

「いや、暇なら亀釣りに行かねぇかなって。部屋にいてもする事ないし。でも、用事あるならいいよ」


ご馳走様、と手を合わせた宙一はお膳を持って立ち上がる。丸まったその背中に思わず手を伸ばし、届かずに宙を掴んだ。





「おい小童、落ち葉掃き残してるぞ。しっかり最後までやれ」


窓枠を指でなぞる姑のような言い草で御神木の上からそう言った白虎に、芽は顔を顰めながら「はい」と返事をした。

昼過ぎ頃にかむくらの社へやって来た。

しかし志ようが珍しく部屋に籠って仕事をしていたので、彼女が出てくるまでの時間で社頭の掃き掃除をすることにした。

監視するためかついてきた白虎がなにかする度にチクチクと指摘してきてそろそろうんざりしてきた頃だ。はぁ、とため息を零すと「何辛気臭い顔をてるんだよ」とまた咎められる。


「君を心配させるような顔はするな。ただでさえお前が来る日は余計な仕事が増えているんだからな」

「では白虎さまが俺の話を聞いてくださるんですか」


あからさまに嫌そうな顔をした白虎だったが、志ようのことを思い出して天秤にかけたようだ。もっと苦い顔をする。そして「……耳だけ貸してやる」とそれはそれは不本意そうな声で呟いた。

断られるだろうと思っていたし白虎に話す気はさらさらなかったのだが、思わぬ展開に目を瞬かせる。

早くしろ、と急かされて握っていた竹箒の柄をじっと見つめながら口を開いた。


「先の空亡修祓についてはご存知ですか」

「報告は聞いたな」

「俺たちの恩師が、その戦いで亡くなりました」


そうか、と白虎はいつも通り淡々と相槌を打つ。

この白虎に人間らしいリアクションや人の機微の理解を求めても無駄なので、そこで言うのは止めた。

ばさばさと音を立てて御神木から飛び降りてきた白虎は猫のようにしなやかに降り立つ。


「人と妖の統治、それが神職の役目だろう。ならその神職は自分の勤めを全うしたまで」


だからお前達はその神職を讃えてやるのが道義だろう、とでも言いたいのか。

確かに白虎の言う事は何一つ間違ってはいない。けれどあまりにもそれは道徳心から逸脱している。


「お前がいくらへこもうと構わんが、君の前では顔に出すなよ」


白虎がくるりと背を向けて社務所を見た。ちょうどその時ガラリと戸が開いて伸びをしながら志ようが出てくる。

「あれ! 芽くんいつきたのー? ご飯食べた?」そう言って大きく手を振りながらこちらへ駆け寄ってくる。


「一番心を痛めているのは君なんだからな」


白虎はそう言うと笑みを浮かべて志ように駆け寄った。

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