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大活躍
壱
しおりを挟む「神火清明 神水清明 祓い給え 清め給え、神火清明 神水清明 祓い給え 清め給え、神火清明 神水清明 祓い給え……ねー、聖仁さん! これが応声虫を祓う祝詞なの?」
「おいこら慶賀、口を止めるな。単細胞のお前は脳に刻み込まれるまで唱え続けろ」
「失礼なんですけど亀世パイセン!? 俺もう覚えたし!」
そう噛み付いた慶賀くんに、皆はくすくすと笑う。
寮には帰らず調薬室へ戻ってきた私達は、応声虫掃討作戦を実行すべく準備に取り掛かっていた。そこで聖仁さんが教えてくれたのが、この切火清祓の祝詞だ。
「いや、実はそれって対応声虫の祝詞じゃないんだよね。どの文献にも詳しい祓い方が載っていないんだ、体から出す方法は何通りかあるみたいなんだけど」
「えっ、それ大丈夫なの!?」
「問題ないよ。今教えた祝詞は、神火で対象を清める祝詞だ。何度か怪虫被害で奏上したことがあるけど、全部これで焼き払えた」
なぜだろう、聖仁さんの"問題ない"という言葉には圧倒的な安心感がある。
なら大丈夫か、と思わせてしまうのはきっと聖仁さんのこれまでの努力と人徳の賜物だろう。
「お、あったぞ聖仁。これでいいか」
亀世さんが調薬室の薬棚の引き出しから、手のひらサイズの赤黒い石を取り出して掲げた。
「赤メノウだ、お望み通り柔らかくてどす黒い赤色の石だ」
「ありがとう、完璧。けどそれ使っていいの?」
「借りるだけだよ。返せば叱られない」
つまり勝手に使えば叱られるような代物らしい。
受け取れよー、と引き出しから取り出したその石をポンポンと放り投げた亀世さん。慌てて両手を差し出して胸の前でキャッチした。
後これも、と鋼鉄の棒を放り投げた。
「あの、聖仁さん。これは……?」
「火打石だよ。火切金でこすると火花が出る。ほら」
聖仁さんが石を撫でるように金具を動かせば、細かい火花がぱちぱちと散った。
「さっき教えた祝詞の後に、これを大幣を振る容量で左右左の順に二回打つ。それで切火清祓ができるはずだよ」
左、右、左……聖仁さんがやっていたように石を撫でるように棒を動かす。ぱちぱち、と火花が散って驚いて手を引っ込めた。
思ったよりも小さな力で火花が出るんだな。
目を丸くして、まじまじとふたつを見比べた。
「見つけたら片っ端から燃やせ。遠慮要らんぞ、じゃないと図鑑で見たあいつらが穴という穴からお前たちの体の中に────」
「ギャーッ!! キモイーー!!」
体を抱きしめて飛び上がった慶賀くんは、虫なんてついて居ないのに叫びながら頭や肩を必死にはたく。
何だか私も首の後ろがソワソワして、思わず手を伸ばした。
「こっちの用意は整ったな。それで亀世、作戦は?」
「ああ、今から話す。みんな集まれ」
皆は亀世さんの周りを囲うようにして立った。
「いいか、むやみやたらに探す必要は無い。探す場所は一箇所でいい。学生寮だ、それも初等部二年の階のな」
学生寮?と聞き返す声が揃った。
亀世さんは大きく頷く。
「応声虫は人から人へは感染らない。そして寄生されたのが神修の学生だけだったということを考えると、発生源は学生しかいない場所────つまり学生寮だ」
なるほど、と目を見開いた。
思い返せば確かに患者は全員が学生で、先生や神職さまは誰も寄生されていなかった。
「でもどうして初等部なんだ?」
「患者のデータをもう一度見返したら、初等部……とりわけ初等部二年の患者数が一番多い。唯一二年だけが全員寄生されているんだ」
二年、嘉明くんの学年だ。つまり応声虫の巣は、学生寮の初等部二年生の階にある可能性が高いということだ。
「ただ、いきなり本丸を叩けば、巣にいる応声虫が一斉に方々に逃げ出して寮内は地獄絵図になる。だから全員が寮内の別の位置からスタートして切火清祓を奏上しながら階を移動、じわじわ追い込んでいく。それで最終的には初等部二年の階で集合して、全員で一気に叩く。いいな?」
応!と気合いの入った返事が部屋に響いた。
「現場の指揮はいつも通り鶴吉に任せる。下手こくなよ」
不敵な笑みを浮かべた亀世さんは握りこぶしを差し出した。同じようにニヤリと口角を上げて鶴吉さんがその拳に自分の拳を当てた。
「俺を誰だと思ってんだ? 任せろ」
亀世さんは私たちを見回した。
「寄生されないようにマスクはしてけよ。耳の穴は……まぁ何とかして守れ」
「何とかして守れ!?」
素っ頓狂な声を上げた来光くんの背中を、亀世さんがケラケラ笑いながら叩いた。
「亀世パイセンは行かねぇの?」
「ああ。知っての通り私は参謀担当。実行役には向いてない。それに」
それに?と聞き返す。
「蚯蚓みたいなのがうじゃうじゃいるかもしれないんだぞ。気持ち悪くて近付きたくもない」
あ、と皆が声を揃えた。
間を置かずして「ズリィ!!」という批判の声が上がったけれど、「さっさと行け」と半ば強引に調薬室から追い出された。
【26:00ぴったりにスタートな。丑三つ時だから気をつけろよ】
指定された一階の厨房へ続く勝手口の前に立つと、グループトーク画面に鶴吉さんからそんなメッセージが届いた。続けざまにみんなから「了解!」のスタンプがみんなからポコポコと送られてきて、慌てて自分も送信する。
あと三分で午前二時、丑三つ時。妖たちの動きが活発になる時間だ。
ごくりと唾を飲み込んで勝手口を見つめる。
ほんとにうじゃうじゃいるのかな。でもミミズサイズだし、そんなに大きくないから大丈夫だよね?
正直細長くてニョロニョロ動く生き物が大嫌いなので、私も亀世さんと一緒に調薬室で留守番しておきたかった。
でもこれ以上被害が大きくならないようにすることが何よりも先決だ。
「怖くない怖くない……」
できる限りの言祝ぎを込めるつもりで、自分自身に言い聞かせるようにそう言う。
大丈夫、祝詞も教わったし火打石だって持った。もし体に付いたとしても叩き潰せばヤれるって亀世さんも言っていた。
ピピピ、と26時を知らせるアラームがなった。
「よし……」
自分を奮い立たせるようにそう呟き、勝手口のドアノブに手をかけた。
寮の作りは5階建ての大きな建物だ。初等部低学年が5階、初等部高学年が4階、中等部が3階で高等部が2階、中央階段を隔てて部屋割りが男女で別れている。1階は寮監の部屋と共有の広間やお風呂、厨房がメインだ。
階段は中央と東側にあり、南側の外壁に鉄製の非常階段がある。
私は勝手口から入って、表玄関から来る泰紀くんと合流して中央階段を登る手筈になっている。
祝詞を唱えながら火打石を鳴らし、ひんやりした夜の廊下を歩いた。
今のところ、祝詞の効果が感じられるような事は一切起きていないけれど、本当に大丈夫なんだろうか。
「神火清明 神水清明 祓い給え 清め給え……」
不安になりながらも祝詞を奏上し、火打石を左右左と二回ずつ打ち付けた次の瞬間、散った火花が床に落ちてボッと大きな火玉になって消えた。
驚いてわっとたたらを踏む。
「な、何……?」
恐る恐るスマホのライトを当てて燃えて黒ずんだ床に顔を寄せると、にょろにょろした形の物体が真っ黒に焦げて干からびていた。
うわ、と顔を顰めた。
間違いない、これが応声虫だ。おおかた神火で体が燃えて、残穢が残ったんだろう。すかさず祓詞を奏上すれば、黒焦げのそれは光のつぶになって空気中に溶けていく。
完全に消え去って、ほっと息を吐いた。
祝詞の効果はちゃんとあるみたいだ。この調子で行けば、きっと残りも退治することが出来るはずだ。
頑張ろう、と気合いを入れ直して立ち上がると同時に、廊下の奥からオレンジ色の火の玉がゆらゆらと揺れているのに気がついた。
中央階段に向かって歩いてきているということは、きっと泰紀くんだ。
「泰紀く……ん?」
「おお、巫寿! わり、待たせた?」
「それ何持ってるの……?」
泰紀くんの手で轟々と燃える炎を呆然と見上げながら尋ねた。
「あ、これ? 待ってる間に暇だったから、落ちてたその辺の枝で作ったんだよ、松明」
「たい、まつ」
「すげぇんだぞコレ、見てろよ? あ、ちょっと危ねぇからそこから動くなよ」
危ない?と聞き返す。泰紀くんはヒヒッと笑うと、掲げていた松明を前に差し出した。
「神火清明 神水清明 祓い給え 清め給え!」
次の瞬間、松明の先の部分で燃える火がまるで龍のようにしなやかに意志を持って動き出した。うわ、と声を上げて一歩後ずさる。
火は廊下を自由自在に動き回ると、暫くして松明の上にスっと戻る。
見てみ、とスマホのライトを床に当てた泰紀くん。廊下の隅には黒焦げになったにょろにょろが何匹かいて、顔を引き攣らせた。
「何したの……?」
「知らね、でも何か出来た」
何をどうつっこんだらいいのか分からない。
嘉正くん、本当に早く帰ってきて。
「よっしゃ、次2階行くか!」と意気揚々に階段を登り始めた背中に、額に手を当ててため息をついた。
「トイレの方、何か見つかったか?」
「いや、応声虫が数匹いた程度だったよ」
「妙だな……」
学生寮5階の共用ロビーに集まった私たちは、想像と違う結果に皆険しい顔をうかべた。
作戦通り一階の各所からじわじわと5階を目指して階段を登ってきた。その間に各階の共用トイレ、共用ロビーもしっかりと確認しながら上がってきて、もちろん5階も確認した。
亀世さんは5階の共用ロビーかトイレが怪しいと予想していたけれど、確認を担当した聖仁さんと慶賀くんの報告に首を捻る。
「元々そんなに数いなかったんじゃねーの?」
来光くんは顎に手を当てて口を開いた。
「いや……最低でも80匹はいたんだよ。雄雌が半々だとして、もし卵を産んでいたら少なくとも二三倍の数になってるはずだ」
二三倍という言葉に絶句する。
あのニョロニョロが300近くこの寮のどこかにいるってこと? ああ、倒れそう。
「でももう全部探したじゃん」
「いや、まだ探してねぇ所がある」
鶴吉さんはポケットから細い針金を取り出して不敵に笑った。
一番手前の私室へ大股で近づいた鶴吉さんは、鍵のかかった扉の前で膝を着く。そして迷いもせずに鍵穴へ針金を突っ込んだ。
「なるほど、私室か」
「そゆこと~、初等部の二年は全員入院してるから、部屋の中は見たい放題っと」
待たずしてシリンダーが回る音がした。「いっちょあがり」と鶴吉さんが得意げに鼻を鳴らす。
すげぇ、どうやんの!?と慶賀くんと泰紀くんが鶴吉さんに尊敬の目を向けた。尊敬していい特技なのかは微妙だけれど。
開けるよ、と聖仁さんがドアノブを握り、私達は扉の前に立つ。みんながひとつ頷いた次の瞬間、バン!と勢いよく扉を開けた。
中の作りは私の部屋より若干狭いが作りはほとんど同じだった。ゾロゾロとみんなで中へ入り部屋の中を見回し物色する。
「特段、変わった所は無さそうだね」
「だな。ってことはここはハズレか、次行くぞ」
ハズレ、と聞いてこっそり安堵した。
流石にいきなり大量のニョロニョロが現れたら多分心臓が持たない。
そんな調子で今は誰もいない二年生の私室を順番に確認していくが、部屋の中で一二匹見かける程度でこれといった何かを見つけることは出来ていない。
んじゃ次の部屋、とやや流れ作業気味になり始めた私達は次の部屋の前に移動する。
「あ……」
五ノ七と書かれた表札代わりのプレートに、見知った名前が書かれていた。
「ここ嘉明くんの部屋だ」
「そーなの?」
「うん、プレートに書いてある」
嘉明くんもかなり早い段階で応声虫に寄生された一人だ。
まだ小さいのに病気の中両親やお兄ちゃんに会えず、きっと寂しかっただろう。早く元気になって欲しい、そう思いながらプレートを見つめる。
カチャン、とシリンダーが回った。
「お、開けるぞー」
皆は「はいよー」と気の抜けた返事をした。
扉がギィッと開いて私たちのスマホのライトが部屋の中に差し込んだ瞬間、黒い何かが蠢いた。
昔見た有名なアニメ映画で、煤の妖怪がブワッと逃げ出すシーンが一瞬脳裏を過った。
けれどこれはそんな可愛いものではなくて、照らしたライトは床や壁を埋め尽くすほどの黒くて細長い虫を映し出す。図鑑ではミミズのようなほっそりしたものだったけれど、実際はナメクジのように少し大きさがあった。
「ギャーーーッ!」
見事に全員の絶叫が揃った。
力任せに扉を閉じた鶴吉さんは見事なバックダッシュで扉の反対側まで下がる。
「無理無理無理!! キッショ何あれキッショ!!!」
慶賀くんは顔を真っ青にして両腕を抱きしめた。
「もうヤダ僕部屋に帰りたいお願い帰らせて!」
うわーっ、と頭を抱えるのは来光くん。
「あー……うわー……」
「お前ら後輩だろ!? 先に行けよ!!」
頼みの綱の先輩二人までこんな調子だ。そういう私も身体中に鳥肌が立って、言葉が出ない。
「どうなってんだよ嘉正の弟ッ!」
「鶴吉、それよりもこれどうにかしなきゃ……」
「じゃあお前が行けよ聖仁!」
「ごめん、無理」
お前が行けお前が行けと押し付けあいが始まったて、お互いがお互いの背中を押し合う。
どうしよう、流石にあれは……。
「────なんだよ、情けねぇな。これだから都会っ子どもはよぉ」
まるで地獄に垂れた光る一本の蜘蛛の糸のような、雲間から差す光のような、とにかくそんなふうに見えた。
一歩前に出たのは、松明を肩に担ぐ泰紀くんだった。
「俺が中行くから、隙間から出てきたヤツだけ頼むわ」
じゃ、と片手をひらひらさせて歩いていく背中は、これまで見たことがないくらいに頼もしい。
まるで後光が差してるかのようだった。
「泰紀……ッ! 絶対生きて帰って来いよ!」
「大袈裟だつーの。実家の村にある空き家の方がもっとヤバいわ」
振り返らずにグッと親指だけ立てて部屋の中へ入っていった泰紀くん。
数秒後、ゴーッと炎が激しく燃え盛る音がしてドアの隙間からにょろにょろと数匹這い出てくる。すかさず祝詞を奏上した聖仁さん。
出てきたのはそれだけで、私達は呆然としまった扉を眺める。
「あいつ……」
「格好良すぎでしょ……」
慶賀くんと来光くんが、そう呟いた。
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