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祈りと願いと

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「振り出しに戻った感じだね」


翌朝の文殿。

管理人の神職さまにバレないように窓から中へ侵入した私たちは、それぞれの棚に散ってまた情報収集を再開した。

憑物の棚を一緒に見ていた来光くんが潜めた声でそう言う。そうだね、と相槌を打った自分の声は思ったよりも気落ちしていた。

嬉々先生なら何か知っているのではないかと思ったけれど、薫先生の証言で潔白が証明されて、あのノートもただの研究を記すためのノートなのだと分かった。

────初等部の頃からずっと、調べた呪いや憑物の事をまとめるノートを作ってるんだよ。俺も見たことあるし。

薫先生の言葉を思い出す。

嬉々先生は犯人ではなかった。個人的に今回の流行病について研究しているだけらしい。皆納得はしていないようだけど、薫先生があそこまで言うならそうなんだろう。

嬉々先生が犯人じゃなかったことにガッカリしているわけではないけれど、来光くんの言う通り状況的には振り出しに戻った訳で、それに想像以上に私達にとってダメージが大きかった。


「……っと、ここにもいないか」


棚の影から亀世さんが顔を覗かせ、きょろきょろと辺りを見回す。

その後ろには恵衣くんの姿もあって、亀世さんの今朝の診察が終わったらしい。


「誰か探してますか?」

「おう。ちょっと聖仁に聞きたいことがあるんだが、あいつどこ行った?」

「"皆の飲み物取ってくるよ"って出て行って……そういえば結構経ったのに帰って来てないですね」


スマホの画面を叩いて時間を確認すると、確かに聖仁さんが出ていってから40分近く経っている。社頭から寮の厨房までは歩いても往復10分程度しかかからないはずなのに。


「私、探してきます」

「いい、いい。先生か神職に見つかって説教を食らってたとしても、そのうち帰って来るだろ」


亀世さんは「行くぞ」と恵衣くんの首根っこを掴むと、私達に手をひらひら振って棚の影に消えて行った。


「聖仁さん、見つかっちゃったのかな」

「どうだろ……」


窓の外を見た。相変わらず天気は冴えない。

何だか胸の奥がざわざわして落ち着かない。


「来光くん、私やっぱり探してくる。誰かに聞かれたら、答えといてもらっていい?」

「了解。巫寿ちゃんまで見つからないようにね」


うん、と頷いて近くの窓をカラカラと開けると、そこから外へ飛び出した。

まずは寮に戻って、と段取りを考えながら走っていると、探すまでもなく松葉色の制服を見つけることが出来た。

学舎のあるエリアへ続く石階段のそば、ちょうど本殿の真裏の壁の前に聖仁さんは立っていた。ホッと胸をなでおろし「聖仁さん!」と駆け寄りながら声をかける。

私の呼び掛けに気が付かないのか、聖仁さんは壁に向き合ったままぴくりとも動かない。


聖仁さん……?


不思議に思いながらその背中に近寄れば、聖仁さんが壁に向かって手を合わせているのに気が付いた。

風に乗って祝詞が聞こえてくる。初めて聞いたものだった。


「聖仁さん……?」

「うわっ!」


びくりと体を震わせて弾けるように振り向いた。目を丸くしながら私を見下ろす。数度瞬きして「なんだ、巫寿ちゃんか」と胸に手を当てて深く息を吐いた。


「ごめんなさい。驚かせるつもりでは……」

「ううん、こっちこそごめん。もしかして、俺の事呼んでた?」

「あ、えっと……はい」

「わあ、ごめん。申し訳ない」


申し訳なさそうに笑った聖仁さんに、小さく首を振った。


「亀世さんが聖仁さんのことを呼んでて。戻って来るのが遅かったので探しに来たんです」

「え? うそ、もうそんなに時間たってる?」

「えっと40分くらいは」


あちゃー、と首の後ろをさすって苦笑いを浮かべた。


「申し訳ない。あと15分くらいしたら戻れると思うから」

「聖仁さん……あの、何を」

「ああ心配しないで。ただ祝詞奏上だよ。祈念祝詞きねんのりと、一年生の三学期に習うやつ」

「祈念祝詞……?」

「そ。家内安全と無病息災のね。少し前から毎日百回奏上するようにしてるんだ」


百回、と息を飲む。

言霊の力は言い換えれば体力のようなもの、使えば少しづつ削られていく。それを百回も繰り返すとなれば、きっと以前の私のように力の使いすぎで気を失ってしまうはずだ。

聖仁さんならその事を分かっているはずなのに、分かっていても止めない理由は、きっと────。


「拝殿だと神職さまに見つかっちゃうから、裏でこそこそ奏上してたんだ」


目を細めた聖仁さんは姿勢を正して、また胸の前で手を合わせた。


掛巻かけまくかしこ諸神等もろかみたち廣前ひろまえにに かしこおそれみももうさく 宇豆うづ幣帛みてぐらならび種々くさぐさの物を ささそなえ丹精きよきこころまことさきとし 神代かみよ古風のり崇敬あがめ 正直まさにすなお根元もともと歸依かえりよりし────」


その声は優しく鼓膜を震わして、お腹のそこをじわっと熱くする。

木漏れ日を浴びているかのように全身を柔らかな光が包み込んでいる心地だ。つま先から指先から、力が溢れて身体中を駆け回る。


邪曲よこしま末法すえののり棄捨すてて 今神道いまかみのみち妙行たえなるわざ奉祈願きがんたてまつり 吾國根元わがくにはじめはらいもって 称辭たたへごとを奉此状たてまつるこのさまを たいらげくやすらげく聞食きこしめし 夏目瑞祥身心安穏みこころやすく 衆病もろもろのやまい悉除ふつにのぞき壽命長延いとちながくのび 福禄ふくろく圓満えんまんにして 家内いえのうち親属うからやから朋友ともだちまでも 事故ことゆえ無く愚なる心をあかしめたまひ 何はの事もたると思より 楽しきはなければ足ことを知しめ 牛馬うひうまひづめいたるまで 安穏息災あんのんそくさいにして憐愍めくじとをぼすみこころを 垂給たれたまへとかしこかしこみも申す……」


言祝ぎに満ち溢れた一点の曇りもない澄み通った声だった。胸の中にずっとあった影が、すうっと引いていく。

優しい、どこまでも優しく温かい。


「────……辭別ことわけもうさく穩気さわり不浄げかれ不信うたがいて 懈怠おこたり罪咎とが祟有たたりありて 諸神等もろかみたち御心みこころ不叶共かなわずとも ひろあつ仁慈いつくしみ垂給たれたまいて 清き御心みこころなだめゆるしたまいて 神直日命かんなをひのみこと大直日命おをなほひのみことと 見直し聞直し給て 祈願きがん圓満えんまん感應かんおう成就じょうじゅ 無上むじょう霊宝れいほう神道しんどう加持かじ


深い一礼のあと揖をして頭をあげると同時に聖仁さんは後ろに数歩よろめくとその場にどさりと座り込んだ。

驚いて咄嗟に肩を支えると聖仁さんは「ごめん、ありがと」と青い顔で微笑んだ。


「無理しすぎですっ、これで何回目なんですか……!」

「あはは、82だか3だか。でもあと少しだから」


そう言って立ち上がろうとする聖仁さん。

笑いながらも目は必死で、そんな顔を見せられて止めれるわけがなかった。きゅっと唇をかみ締めて、背筋を伸ばして立つその背中を見つめる。


「……私にその祝詞教えてください」

「え?」


聖仁さんが目を瞬かせながら振り返った。


「私も一緒に奏上します。二人で分けたら、あと十回ずつくらいで終わりますよね……?」

「いや、でも」

「私も、大切な友達を助けたい気持ちは一緒です」


聖仁さんの瞳が光った。零れそうになった光をこらえるように上を向いて、鼻を啜った。


「俺、先輩なのに情けないね。巫寿ちゃんに助けられてばかりだ」

「私の方が、聖仁さんにいっぱい助けて貰ってますよ……?」

「あはは、なら、お互いさまって事だね」


聖仁さんは両手で顔を覆ってひとつ大きく息を吐くと、そのまま自分の両頬を叩いた。


「おいで。詞が長いから、地面に書くよ」


手招きした聖仁さんに大きく頷き歩み寄った。





「おい恵衣、お前グリンピース食えないのかよ!」

「え、マジ!? お子ちゃまだなぁ~」


午前中は文殿で調べ物をして、お昼時は庭園の反橋の下でお弁当を広げるのがここ最近の私たちの過ごし方だった。

外で食べれるようにと、こっそり食堂のおばさんたちにお願いしてお昼はお弁当箱に詰めてもらっている。今日のお昼はグリンピースご飯につくねハンバーグだ。

【うるさい!】とスマホのメモに高速で文字を打つと、ワイワイと騒ぎたてる慶賀くんの顔にそれをめり込ませる。


「おい騒ぐなバカたれ」

「最近は恵衣もこいつらと同じテンションで騒ぐからな」


鶴吉さんのその一言に恵衣くんは目を剥いた。


「俺らと同じだって、喜べよ恵衣!」


肩を組んできた慶賀くんの腕を捻りあげると、寮へ向かって歩いていった。

いってぇ、と涙目で肩をさする慶賀くんの頭を聖仁さんはぽんと叩いた。


「いい意味で、恵衣も変わってきてると思うんだけど、やっぱりどこかまだ頑な・・なんだよね」


遠ざかっていく背中を見つめて、聖仁さんはそう呟く。

確かにここ最近一緒に過ごす時間が増えたけれど、恵衣くんはずっと迷惑そうな顔だったし、私たちと必要以上に関わろうとしない。

私達のことを嫌っているんだから仕方ないのだろうけど、なんだかなぁ……。


「よっしゃ。これ食ったら午後も気合い入れて頑張るぞ、一年ズ」


はーい、とみんなは声を揃えた。


その日の消灯後、私たちはいつも通り鶴吉さんの部屋に集まって昼間の調べ物についてみんなで情報交換しながら進捗を確認していた。


「今日も進捗なし、か」


亀世さんのその一言にみんなは息を吐く。

慶賀くんは唸り声を上げてバタンと後ろに倒れた。


「もう無理、腹減ったー……」

「さっき夕飯食べたばっかりでしょ?」

「夜中って腹減るんだよ!」


壁にかけられた時計を見あげると、ちょうど夜中の1時を過ぎた所だった。


「明日の分担箇所確認したら、解散にしようか」

「聖仁さん、その前に休憩にして!」

「はいはい、じゃあちょっと休憩ね」


やった!と慶賀くんは大きく伸びをした。


「あ、そういや僕の冷蔵庫にサイダーあるよ。重曹で作ったやつ。あとチョコパイも。ちょうど人数分くらいは残ってるかも」

「マジ!?」


来光くんの言葉に目の色を変えて飛び起きる。

料理が得意な来光くんは、厨房の片隅に自分専用の冷蔵庫を置いている。壊れた冷凍庫らしいけど、冷蔵庫としては使えるので厨房のおばさん達から譲り受けたんだとか。

よくデザートを作っては、慶賀くんと泰紀くんの二人に食べられていた。


「持ってきてよ来光~」

「なんで僕なんだよ! 食いたいやつが取ってこい!」

「ケチ」

「はァ!? それお前が言うの!?」


ヒートアップする来光くんに聖仁さんが「まぁまぁ」と宥めに入る。

公平にじゃんけんで負けた人が取りに行くという事になり、見事に私が一人負けして取りに行くことになった。

真夜中の寮の廊下は何度歩いてもなれない。空気がひんやりしていて、静かすぎて耳鳴りがする。誘導灯の緑のライトが少し不気味だ。

早く取って戻ろう、と急ぎ足で階段をおりて無事に厨房にたどり着く。ホッと息を吐いたその時、ポンと自分の肩を冷たい手が叩いた。

ほぼ反射で悲鳴をあげようとしたものの、その冷たい手は私の口を抑えた。恐怖で完全に足が竦んでいると、目の前に白い何かが差し出されて思わず目を細める。

目が慣れて来てよく見ると、スマホの画面だった。


【馬鹿、落ち着け】


弾けるように振り向くと、私服姿の恵衣くんがそこに立っていた。

手が離れてぷはっと息を吐く。まだバクバクとうるさい心臓を服の上から抑え肺の空気を全て吐き出した。


「恵衣くん……! 脅かさないでよ……!」


小声でそう訴えると、恵衣くんは直ぐにすすっと画面を触りこちらに向ける。


【人のせいにするな。お前が勝手に驚いたんだろ】


相変わらずな物言いに呆れて息を吐く。


「……こんな時間にどうしたの?」

【お前に関係ないだろ】


恵衣くんは厨房の中へはいると、食器棚からコップを取りだして水道を捻った。

恵衣くんも、水飲みに来たんだ……。

それならそう言えばいいのに、どうしてあんな言い方しか出来ないんだろう。

私も厨房の中へ入り、来光くんの冷蔵庫わ覗き込む。料理酒の瓶に【※ サイダー】と書かれた紙が貼ってあるものと、銀のバットに並べられたチョコパイを見つけて取り出した。

これだよね。うん、ちゃんと人数分ある。寮監に見つかる前に早く戻ろう。

よいしょ、と立ち上がり冷蔵庫を閉めた。


厨房を出る直前ちらりと恵衣くんを見た。流しに手を付き、 反対の手で喉を押えて俯く背中に戸惑う。

どうしようと、出口とその横顔を見比べ、 恐る恐る口を開いた。


「……眠れないの?」


その問いかけに、恵衣くんはぴくりと肩を震わせて睨むように顔を上げた。


【だからお前には関係ないだろ。さっさと戻れよ】

「わ、分かってるよ。もう戻るもん。でも、そんな言い方しなくても……」


はあ、とわざとらしく息を吐いた恵衣くんは、私の手元に目を落とした。怪訝な顔をした恵衣くん。


「……あ、これは……みんなに頼まれて」

【お前らまだやってるのか】

「えっと、うん。……あ、でも恵衣くんを呼んでないのは、亀世さんが"病人だから夜は休ませよう"って言ったからで、仲間はずれとかそんなんじゃ!」

【別にどうでもいい】


バッサリ会話を切られて何度目かのため息を吐いた。


【そこまでして何になるんだ】


差し出された画面に書かれた文字を読んで、え?と困惑気味に聞き返す。


【神職も教員も原因不明だとお手上げ状態で、患者たちは良くなる傾向すらない。ただの一学生が調べたところで、大人たちが分からないことを解決出来るはずがない】


恵衣くんの言うことは正論だ。そしてそれは、私だって心の隅でずっと思っていた。みんなだって薄々分かっているはずだ。

大人が出来ないことを、子供の私たちに出来るはずがない。連日みんなで文殿にこもったり症状を緩和出来そうな薬を作ろうと躍起になっているけれど、今まで何一つ進展がない。

それでも誰も、何も言わずに毎日文殿に集まった。朝から夜遅くまで、必死になって調べた。

だってそれは────。


「大切な友達を助けたいから。友達が大変な時に、何かしたいって思うのは普通でしょ……? それが無駄だったとしても」


嘉正くんや嘉明くん、瑞祥さんを助けたい。私たちが思っているのはただそれだけだ。

それはもちろん、


「恵衣くんもだよ」


恵衣くんは僅かに目を見開いた。


「恵衣くんも助ける。みんな助ける。だから皆必死になって助ける方法を探してるの」


恵衣くんは顔をゆがめて手の甲を口元に押し当てた。ふ、と私から視線を逸らすと、足早に私の横を通り過ぎた。

通り過ぎる瞬間、恵衣くんの赤くなった頬がちらりと見えて目を見開く。

まさか熱が……?

恵衣くん!と慌てて呼び止めると彼は一瞬ぴたりと足を止めた。しかし振り返ることなく厨房を後にした。

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