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不安と月兎の舞
壱
しおりを挟む【初等部が学校閉鎖になったから、今日からみんなマスク着用必須ね】
朝起きて眠気まなこでトークアプリを確認すると、薫先生からそんなメッセージが届いていた。
チーム出仕のトークグループでは「誰かマスク持ってるー?」「俺もほしい」「持ってなーい」「医務室で貰えるかな」とみんなが忙しなく話していた。
幸い私は花粉症対策で春頃はよく身につけていたので余っている。広間でみんなに渡すね、と返事を打って、布団から抜け出した。
朝ごはんのお膳を受け取ってみんなの姿を探しながら広間をうろうろしていると「巫寿ちゃんおはよ」と来光くんに声をかけられた。
「おはよう。あれ一人?」
「慶賀は忘れ物。泰紀はトイレ籠ってるから、置いて来ちゃった。先食べてよう」
空いてるスペースにお禅を置いて手を合わせた。今朝は焼き鮭だ。
「薫先生からのメッセージ、初等部が学校閉鎖ってびっくりだね」
「そうだね。でも学校閉鎖になったら、どうなるの?」
「全員家に帰ることになるんだよ、1週間くらいね。でもさっき先輩から聞いた話だと、家には帰さないんだって」
帰さない?と繰り返す。
「流行ってるものの正体が分からないから、本庁から帰宅させるなってお達しがあったんだって。だから寮で隔離。ご飯も広間で食べちゃダメだから、一人一人部屋に運んで、お風呂も時間制にするんだってさ」
なんだか大変なことになったな、と眉を顰める。
次々と正体不明の病気にかかる学生が増えている。
体調は良くなった学生もチラホラいるみたいだけれど、依然声は戻らないままだと聞いている。嘉正くんもまだ微熱が続いているらしく、医務室から退院出来ていない。
それに先日は────。
虚ろな表情の瑞祥さんと、顔を強ばらせた聖仁さんを思い出して唇を結んだ。
「おっはよー! あれ、お前らなにそんな険しい顔してんの?」
「なんだよ来光、便秘か? 俺はさっきバカでかいの出たぞ!」
朝ごはんを持った慶賀くんと泰紀くんが現れる。いつもと変わらない二人の姿になんだか肩の力が抜けた。
早く落ち着けばいいんだけれど、と人の少ない広間を見渡し目を伏せた。
「奉納祭のクラス発表の演目を決めるよ」
朝のホームルーム、教卓の上に座って胡座をかいた薫先生が、「いえーい」と一人で拍手をした。
朝からテンションたっか、と慶賀くんが欠伸をこぼしながら呟く。慶賀くんも広間ではそんな感じだったんだよ、と心の中で小さく突っ込んだ。
「例年通り、授業で習ったことをクラス毎に自由に発表していいからね。今年はどうする? 去年の神職あるあるコントかなりウケたし、もう一回やっとく?」
「やんねーよ! あれのせいでしこたま怒られたのに!」
「そうだよ! 薫先生の提案だったのに、僕らがめちゃくちゃ怒られたんだから!」
「でも生徒投票で一位だったじゃん。あははっ」
去年のみんな、何やってたの……。
「あ、動画見る?」とタブレットを素早く叩いた薫先生は画面を掲げた。
神楽殿が映し出されて、画面左端から今より少しあどけないみんなが拍手しながら現れる。
『どうもー! 明階一級の志々尾慶賀です!』
『なんでやねーん! 昇階位受けられるのは15歳からやっちゅーの!』
『実は俺、死んでるから72歳なんや!』
『なんでやねーん!鎮魂の祝詞を奏上して、修祓したろかー!』
『でも無害やから浮遊霊かー!』
あっはっはっは、と生徒たちの笑い声が響く。
なんというか、笑いの取り方がマニアック過ぎて上手く感想が出てこない。
でも確かに、学校で習ったことを上手くコントに組み込んでいるのでルール違反ではなさそうだけど……。
それにしても画面に映る恵衣くんの遠い目がなんだか切ない。彼が当時どんな反応をしてこの表情に至ったのか考えなくても想像がついた。
「えー、コントやらないの? 今年もセンセー張り切ってネタ考えたのに」
「勝手に一人でやってくださーい」
ちぇー、と唇をとがらせた薫先生は【ネタ帳】と書かれたノートを渋々下げた。
自分が大勢の前に立って上手くコントができるか不安だったので、取り下げになってホッとする。
「毎年どのクラスも舞に祝詞に合奏。ありきたりでエンターテインメント性に欠けてるんだよねぇ」
奉納祭にエンターテインメント性って必要なんだろうか。嘉正くんの鋭いツッコミが恋しい。
「俺なんでもいいわ。部活の方の発表で忙しくなるから、そこまで面倒くさくないやつならなんでも」
「俺もー」
机にだるんと突っ伏しながら二人がそう言う。そんな二人に薫先生は呆れた顔をした。
「勿体ないなぁ。君らは二度と手に入らない青春時代を過ごしてるんだよ? 思い出になる面白いことしようよ~」
「罰則で青春時代三ヶ月無駄になるよりかはましでーす」
はあ、と大袈裟にため息をついた薫先生は教壇から飛び降りた。
「じゃあもう何でもいいからパパッと決めちゃって。職員会議で伝えなきゃいけないから」
うーん、と首を捻ったまま、何一つ案が出ずに話が固まる。
皆がちょっと面倒臭そうな雰囲気を出し始めて、「どうしよう」と机の木目に視線を落とす。
出し物、出し物……。そこまで難しくなくて、神修で習ったことで、エンターテインメント性があるもの……。
何気なく視線をさ迷わせた時に、恵衣くんの横顔がちらりと見えた。
あ、と顔を上げた瞬間、薫先生が私を見下ろす。
「ん? 何かある? 巫寿」
「あ、はい。合唱とかどうですか?」
「合唱?」
「はい。二学期から始まった声学の授業で、よく歌を歌っているので……言祝ぎと呪の調整を意識した歌の発表……とか」
みんなの反応を伺いつつ、恐る恐るそう提案してみる。
合唱なら練習にそこまで時間を取られることもないだろうし、そこまで難しくない。神修で習ったことの発表、というテーマも守っているし、薫先生のいうエンターテインメント性もあるはずだ。
どうかな、と聞き返すまでもなく「良いじゃん!」という反応が帰ってきた。
「合唱って俺初めて!」
「みんなで一斉に歌うのか? なんか面白そうだな」
ああ、そうか。
神修は音楽の授業の代わりに雅楽器の授業がある。来光くんと私以外は一般的な小学校中学校を通っていないから、音楽の授業もなければ合唱の経験もないんだ。
「合唱かぁ、懐かしいな。結構面白いよ。高いパートと低いパートで分けて歌ったり、ソロパートとか作ったら盛り上がるし」
「じゃあソロパートは恵衣だな!」
突然自分の名前が上がって、窓の外を眺めていた恵衣くんが迷惑そうに目を細めて振り向いた。
「恵衣歌上手いもんな! 合唱で決まりじゃん!」
「……俺がいつやると言った」
「減るもんじゃないし、いいじゃん!」
顔を顰めた恵衣くんは机に頬杖を着いてまた窓の外に顔を向けた。
決まりだね、と薫先生は指を鳴らした。
「呪を扱うなら選曲は要注意だね。使う曲決まったら俺に教えて~。当日音楽は機材から流す?」
「あ、なら僕ピアノやりたい」
そう言って手を挙げた来光くんに皆は目を見開く。
「お前ピアノ弾けんの!?」
「うん。あれ、言ってなかった? 三歳から小学校卒業するまで習ってたからそれなりに弾けるよ」
「すっげー!! ばばばばーんってヤツも出来んの!?」
普段二人から蔑ろに扱われ悪戯の標的にされる来光くんだ。
二人から向けられる純粋な尊敬の眼差しが嬉しいのか、ちょっと感動したように瞳を潤ませて自慢げに「まあね」と鼻をさすった。
その日のお昼に、広間の前の掲示板に「部活動活動自粛」の張り紙が張り出された。内容は、初等部が学校閉鎖になったことにより他の学年も活動を自粛すべし、というものだった。
初等部が休みの一週間の間、部活動も強制的に休みになるらしい。
ちょうどお昼休みでお昼ご飯を食べるために寮へ戻ってきていた生徒たちがその周りに群がっていた。
「うそ~、僕ノリケンで新作の祝詞先生に見てもらってたのに」
「俺部室に道着置いてきてんだけど、1週間後カビ生えてたりしねぇかな」
「お前マジで!? きったねぇ! クセェ!!」
私達もその掲示板を見上げながらそんな話をする。
周りを見れば、皆どこか不安げな顔でヒソヒソと話す。学校が始まって早ひと月、原因不明の病気が流行り始めて二週間は経っている。一向に終息が見えないのだから、仕方ないだろう。
「なぁこの後どうする? 池で亀釣らねぇ?」
「駄目だよ! 先週やって怒られたばっかでしょ!?」
「バレなきゃいいって~どうせリリースするし」
「そういう問題じゃない!」
御神木の枯れ枝で釣竿作ろうぜ、と罰当たりなことを言いながら歩き出した二人を来光くんがぷりぷりと怒りながら追いかける。
くすくす笑いながら自分も歩き出したその時、「巫寿ちゃん!」と後ろから声をかけられて振り向く。
聖仁さんが走ってくるのが見えた。
「あれー? 聖仁さんじゃん!」
急に立ち止まった私を気にして振り向いたみんなが、駆け寄ってくる聖仁さんに気が付き手を振る。
聖仁さんはいつも通りの柔らかい笑みを浮かべて手を振り返した。
「ごめん、ちょっと巫寿ちゃん借りていい? そんなに時間かからないから」
「はーい! じゃあ巫寿、先に池行ってるな」
「亀釣っちゃ駄目だよ」
聖仁さんにそう釘を刺されて、二人は顔をひきつらせて不自然な笑みを浮かべるとそそくさと走っていった。間違いなく釣る気だ。
走っていった皆に呆れたように肩を竦めた聖仁さんは、「さて」と私を見下ろす。
「大事な話があるんだ」
真剣な目に少し戸惑う。
ガヤガヤと騒がしい辺りを見回した聖仁さんは、「移動しようか」と窓の外に視線を向けた。
量の正面玄関を出て、社頭へ向かう階段を並んでおりた。
いつも昼食後の休憩時間は初等部の子供たちが社頭や運動場で遊んでいるのだけれど、学校閉鎖になってしまったのでシンとしていた。
黙って歩き続ける聖仁さんに耐えきれず、口を開く。
「聖仁さん。あの、話って……」
「ん? ああごめん。ぼうっとしてた」
「大丈夫ですか……? 顔色が」
「大丈夫だよ、ちょっと考え事してたら寝不足で」
力なく笑った姿に、寝不足になるほど考えていたことは嫌でも分かる。
「瑞祥さんの具合、どうですか?」
「うん、明け方頃に少し熱が下がって、話せるくらいには回復したよ。────声は、出ないんだけど」
「そんな……」
「瑞祥が、他の部員に心配かけたくないから黙ってろって言ってるんだ。だから内緒ね」
神妙にひとつ頷いて、「あれ」と少し胸に引っかかった。
内緒だと言われたなら、私に話してしまっても良かったんだろうか。
「それで────」
歩みを止めた聖仁。
不思議に思いながら振り向き顔を見上げた。
「多分観月祭には間に合わない」
咄嗟に口を押えたけれど、言葉は出なかった。かける言葉がなかった。
観月祭のリハーサルを思い出した。
『お前たち来月には本番なんだぞ。そんなレベルで演舞する気か?』
狸みたいな丸いお腹の本庁の役員の人に舞台の上でそう叱られている二人を思い出す。何度も何度もやり直しをさせられて、ようやく解放された頃には二人とも汗だくになっていた。
私が差し出した水を一気に煽った瑞祥さんは、全部飲み干すと「くそっ!」と大きな声を出す。
『なんだよあの狸ジジイ! ネチネチネチネチいちゃもんつけやがってクソがーっ!』
『こら瑞祥、呪が強いよ』
『聖仁は腹立たないのか!?』
ははは、と笑った聖仁さんも水を一気に飲み干すと空になったペットボトルを片手でメリッと握り潰した。
私と瑞祥さんはひゅっと息を飲む。
『あいつ、黙らせるよ瑞祥』
『お、おう……! 去年よりも完璧にして、全員驚かせてやろう!』
その日、二人はリハーサルが終わったあとも本庁の人に頼んで残って練習をしていた。
その時の二人の真剣な顔はきっと忘れることは無いだろうと思いながら見ていた。
それほどたくさんの練習を重ねてきた舞だった。
去年も舞手には選ばれていたらしく『また今年もか』と瑞祥さんはため息をついていたけれど、きっと心の底ではそんな風には思っていなかったはずだ。
じゃなければ、あんなに必死に練習をする必要はないはずだ。こんな形であっさり諦められるようなものじゃないはずだ。
「巫寿ちゃんに、代わりに出て欲しい」
言われたことが理解できなくて、数十秒遅れてやっと「え……?」と聞き返した。
「巫寿ちゃんに頼みたい。瑞祥の代わりに月兎の舞を踊ってくれないかな」
私が、瑞祥さんの代わりに?
言葉の意味を理解する前に口は勝手に動こうでした。
「私なんかに────」
聖仁さんは続きの言葉を止めるように片手を上げた。あまりにも思い詰めたその表情に言葉に詰まる。
いやそれでも、私には出来ない。
観月祭まであと十数日を切った今から舞を覚えることも、瑞祥さんの代わりとして舞台の上に立つことも。
それなら、もっと経験がある盛福ちゃんや玉珠ちゃんを代わりに出すべきだ。ふたりが無理なら、別に神楽部の部員じゃなくてもほかの二年の先輩や三年の先輩だっている。
私じゃなくても。
「月兎の舞にはふたりで手を取って舞うパートがあったでしょ。盛福や玉珠じゃ身長が足りないんだ。部員以外の女子学生も考えたけど、正直授業程度でしか舞を習っていないから、今からじゃきっと間に合わない」
「でも、」
「自分の代わりは巫寿に、そう瑞祥が頼んできたんだ」
瑞祥さんが……。
目を見開いた。
「巫寿ちゃんなら瑞祥とは五センチ程度しか背丈が変わらないから、俺も練習すればある程度は合わせられると思う。それに、巫寿ちゃんはいつも自分を卑下しがちだけど、間違いなく今は他の二三年よりも君の方が上手い」
聖仁さんは目を逸らさずに真っ直ぐと私にそう伝える。お世辞やその場限りの嘘でそういったのでは無い事はよく分かった。
「俺も、巫寿ちゃんに頼みたいと思ってる」
瑞祥さんがあんな事になって大変な状況で、私を頼ってくれた事は嬉しかったし助けになりたいとさえ思っている。
ただ、それは私が出来ることの範囲の中であって、瑞祥さんの代役は間違いなく私が出来ることの範囲外だった。
理由があったにしろ、開門祭の神話舞ですら最後でやり遂げれなかった。それなのに更に大きな舞台で瑞祥さんの代わりを踊るなんて。
「すぐには決められない頼み事をしているのは承知なんだけど、時間が無いんだ。今ここで答えを聞かせて欲しい」
あ、と情けない声が漏れる。
それもそうだ。もし私が断ればすぐに別の生徒を探さなければいけない。時間が無いんだ。
「私が、瑞祥さんの代わりが務まるとは思いません」
「はは……申し訳ないけど瑞祥の代わりは誰にも出来ないよ」
その言葉に、二人が重ねてきた時間がどれだけのものだったのかが分かった。
「でも、俺ができる限りのサポートはするし練習も朝から晩まで付き合うつもりだよ。だから────頼む」
意思の強い声だった。
正直自分には荷が重過ぎる。大切な式典、しかも本庁が主催している。神話舞の時は代役要員の神職さまがいたけれど、今回はそうはいかない。
間に合う? 上手くいく?
不安しかなかった。
でもきっとそれは私だけではなく、聖仁さんや瑞祥さんも色んな不安を胸に抱えている。
それでも二人は私に代わりを頼むと決めてくれた。二人が私のことを信じて頼ってくれたんだ。
「────分かり、ました。やります」
聖仁さんは目を見開いた。
一瞬少し泣きそうな顔をしたかと思ったが、直ぐに「ありがとう」といつも通りに笑った。
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