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付喪神の子守り
漆
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頭痛が収まりゆっくりと顔をあげる。私の服を掴んだお雛さまはきちんと元の位置に戻っていて、綺麗に前を向いて並べられていた。
時計を見上げる。針は三時を指していて、もう三時間もそこに蹲っていたことになる。慌てて立ち上がり障子に手をかけたその時、反対側から誰かがすっと障子を開けた。
現れたのは詩子のお母さんだった。一歳くらいの小さな女の子を抱いている。詩子って妹いたんだ、と驚きながら横にずれて急いで頭を下げた。
「勝手に入ってしまって、ごめんなさい。実は」
「うたちゃん、ほら見て。お雛さまよ~」
詩子のお母さんは、まるで私が見えていないかのように前を通り過ぎる。小さな女の子にひな人形を見せなら、嬉しそうに語りかけていた。
え、と目を瞬かせた。
「あ、あの……」
「ほら、あれがお雛さま、となりはお内裏さま。すてきねえ」
私の声が聞こえていないかのようだ。背筋を変な汗がつたって、心臓がどくどくと波打った。詩子のお母さんは優しい声でひな祭りの歌を歌い始める。
「あの」とその肩を叩こうと手を伸ばして、ひっと息を飲んだ。私の手が、叩こうとした肩をすり抜けたのだ。
胸の前にその手を引き寄せて確かめる。ちゃんと手の感触も感覚もある、でも、その手がうっすらと後ろの景色を透かしていた。出し方を忘れてしまったかのように声が出ず、ただただ目を見開いて腕を持ち上げたりして確認した。
間違いなく自分の腕は、いいや体全部が透けている。
「詩子、このひな人形はあなたを守ってくれるからね」
呼ばれたその名前にはっと顔をあげる。いつの間にか歌が終わって、詩子のお母さんはそう微笑んだ。
────詩子? この子の名前も詩子なの? どうして、だってその名前は。
その瞬間、目の前の景色がぐにゃりと歪む。渦を巻く景色に立っていられず、目を瞑ってその場にしゃがみ込んだ。
するとしばらくして、遠くでまたひな祭りの歌が聞こえる。あどけない無邪気な声だった。どんどん近付いてきて、まるですぐそばで歌っているように聞こえる。恐る恐る目を開けると、幼稚園児くらいの女の子の背中があった。
「はるのやよいのこのよきひ、なによりうれしいひなまつり」
とても楽しそうな声だった。少女が動くたびに、高い位置で結われたポニーテールがさらさらと揺れる。少女は忙しそうに手を動かしている。ひな人形がその手に握られているのがちらりと見えた。
「“おだいりさま、やよいってなんだかわかりますか”。“やよいはひなまつりってことだ”。“まあそうなんですの”」
お内裏さまとお雛さまを仲良く寄り添わせながら、少女が声色を変えてそう言った。
「詩子どのが楽しそうに遊んでおられるぞ」
「今年も、お元気な姿が見られて何よりじゃ」
「愛らしいお姿ですこと」
「誠に愛らしいのう」
鈴のなるような美しい声だった。背後で誰かが話しているのが聞こえる。はっと振り返ると、ひな壇にひな人形が並んでいるだけだった。
気のせいか、と思い向き直る。しかしすぐに目を見開いてもう一度振り返った。
ひな壇に、人形は並んでいるはずがない。だって、ひな人形は今、女の子が遊ぶために床に下ろされているのだから。
よく見ると、ひな人形たちはいつものように畏まった顔でその場に座っているのではなく、手に持ってた楽器や道具を側に置いて、砕けた座り方をしている。足を延ばしたり組んだり、その場に寝転んだり……寝転んだり?
金魚のように口をパクパクとさせた私。頭の中は真っ白で、言葉が本当に出てこなかった。
「詩子どのは将来、どんな方になるのでしょうな」
「きっと殿方に大層人気のある方になるでしょう」
「そうですわ、御友人もたくさんいらして」
「我々で見守っていきましょう」
「そうですぞ、付喪神の一生はたいそう長いと聞きますからな」
お内裏さまもお雛さまも、五人囃子も三人官女も、皆が女の子を愛おしそうに見つめている。まるで我が子を見守るような温かいまなざしを向けていた。
詩子、付喪神、見えない私、小さな女の子。
その瞬間、全部がつながった。
これは夢、これは思い出、付喪神になった詩子のひな人形の記憶なのだ。
最後に来聞いた「助けて下され」は、このひな人形たちが発した言葉だったのだ。その言葉に影響を受けて、私は彼らの夢を見ている。
そう言うことだったのか、と息を吐いた。確かに女の子の横顔には、今の詩子の面影があった。
その時、少女の傍に影が落ちた。どこかで見たことのあるような靄が、その陰からもくもくと生じる。付喪神たちのまとう空気が鋭いものに変わる。
「みろ、また災厄が来ておる」
「懲りぬ奴らじゃ」
「さあ兵ども、刀を取れ、武器を取れ!」
お内裏さまが腰の刀を引き抜き立ち上がると、五人囃子もそれに続いた。勢いよくひな壇から飛び上がった彼らは、その勢いのまま刀を靄に振り下ろす。剣先からまばゆい光が発せられ、真っ二つに切り裂かれた靄は空気中に拡散する。
「詩子どのに手を出すなんぞ、我々の目が黒いうちは断じて許さんぞ」
「詩子どのをお守りするのが我らの務め」
満足げに言い切ったひな人形たちは軽やかな足取りでひな壇に飛び移る。彼らはまた優しい顔で少女のことを見守った。
はじめはそれが何を意味しているのか理解できず、茫然とそれを見ていたが、やがてそれはひな人形たちが詩子に近付く厄を断ち切っているのだと分かった。
三門さんの言葉を思い出す。
────ひな人形は、生まれた女の子の成長を見守って、災厄から守ってくれる。
そう言うことだったのか。彼らは詩子を守っていた。厄や災いを断ち切り、詩子の成長を見守っていたのだ。
何度も目の前の景色が歪み、そして同じような光景が繰り返された。小さな詩子に近付く黒い影を、ひな人形が何度も断ち切る。しかし、次第に最初を余裕の笑みを浮かべていたひな人形たちの顔に、苦痛の色が窺えた。一太刀で打ち祓っていた彼らも、何度かの攻撃の末で退治するようになる。
目の前の景色が目まぐるしく変わる。今よりも少しだけ背が低く、髪の短い詩子がそこにいた。もしかしたら去年くらいの詩子なのかもしれない。
彼女に迫りくる影を見つけた途端、ひな人形たちはまた立ち上がった。
「今年も来たか、馬鹿者め」
「行くぞっ」
ひな壇を飛び出した彼らは、靄に向かって飛び降りる。靄の頭から振り下ろされた刀は、またそれを真っ二つに切り裂くと思われたが、違った。お内裏さまの握る刀は、キン────という小さな音を立て、刃先から真っ二つに折れたのだ。弓矢を背負った右大臣と左大臣のひな人形がすぐさま矢を放った。素早くそれをかわした靄は、畳の上に落ちる詩子の陰にすっと溶け込んだ。
「詩子どのが高い熱を出されたらしい」
「あの災厄を断ち切れなかったからじゃ」
「頭に怪我をおったらしい」
「詩子どのをお守りする力が弱いのだ」
「刀が折れさえしなければ」
「我らの力が強ければ」
彼らは自分たちの力が、詩子を守り切れないほど弱くなっているのを悔いていた。
────ああ、そうか、そう言うことだったのか。
三門さんが言っていた詩子の『守りの力』と言うのは、ひな人形が詩子を守っていたことだったのだ。そして詩子の守りの力が弱くなったのは、ひな人形たちが彼女のことを守りきれなくなってしまったからだったんだ。
頭痛が収まりゆっくりと顔をあげる。私の服を掴んだお雛さまはきちんと元の位置に戻っていて、綺麗に前を向いて並べられていた。
時計を見上げる。針は三時を指していて、もう三時間もそこに蹲っていたことになる。慌てて立ち上がり障子に手をかけたその時、反対側から誰かがすっと障子を開けた。
現れたのは詩子のお母さんだった。一歳くらいの小さな女の子を抱いている。詩子って妹いたんだ、と驚きながら横にずれて急いで頭を下げた。
「勝手に入ってしまって、ごめんなさい。実は」
「うたちゃん、ほら見て。お雛さまよ~」
詩子のお母さんは、まるで私が見えていないかのように前を通り過ぎる。小さな女の子にひな人形を見せなら、嬉しそうに語りかけていた。
え、と目を瞬かせた。
「あ、あの……」
「ほら、あれがお雛さま、となりはお内裏さま。すてきねえ」
私の声が聞こえていないかのようだ。背筋を変な汗がつたって、心臓がどくどくと波打った。詩子のお母さんは優しい声でひな祭りの歌を歌い始める。
「あの」とその肩を叩こうと手を伸ばして、ひっと息を飲んだ。私の手が、叩こうとした肩をすり抜けたのだ。
胸の前にその手を引き寄せて確かめる。ちゃんと手の感触も感覚もある、でも、その手がうっすらと後ろの景色を透かしていた。出し方を忘れてしまったかのように声が出ず、ただただ目を見開いて腕を持ち上げたりして確認した。
間違いなく自分の腕は、いいや体全部が透けている。
「詩子、このひな人形はあなたを守ってくれるからね」
呼ばれたその名前にはっと顔をあげる。いつの間にか歌が終わって、詩子のお母さんはそう微笑んだ。
────詩子? この子の名前も詩子なの? どうして、だってその名前は。
その瞬間、目の前の景色がぐにゃりと歪む。渦を巻く景色に立っていられず、目を瞑ってその場にしゃがみ込んだ。
するとしばらくして、遠くでまたひな祭りの歌が聞こえる。あどけない無邪気な声だった。どんどん近付いてきて、まるですぐそばで歌っているように聞こえる。恐る恐る目を開けると、幼稚園児くらいの女の子の背中があった。
「はるのやよいのこのよきひ、なによりうれしいひなまつり」
とても楽しそうな声だった。少女が動くたびに、高い位置で結われたポニーテールがさらさらと揺れる。少女は忙しそうに手を動かしている。ひな人形がその手に握られているのがちらりと見えた。
「“おだいりさま、やよいってなんだかわかりますか”。“やよいはひなまつりってことだ”。“まあそうなんですの”」
お内裏さまとお雛さまを仲良く寄り添わせながら、少女が声色を変えてそう言った。
「詩子どのが楽しそうに遊んでおられるぞ」
「今年も、お元気な姿が見られて何よりじゃ」
「愛らしいお姿ですこと」
「誠に愛らしいのう」
鈴のなるような美しい声だった。背後で誰かが話しているのが聞こえる。はっと振り返ると、ひな壇にひな人形が並んでいるだけだった。
気のせいか、と思い向き直る。しかしすぐに目を見開いてもう一度振り返った。
ひな壇に、人形は並んでいるはずがない。だって、ひな人形は今、女の子が遊ぶために床に下ろされているのだから。
よく見ると、ひな人形たちはいつものように畏まった顔でその場に座っているのではなく、手に持ってた楽器や道具を側に置いて、砕けた座り方をしている。足を延ばしたり組んだり、その場に寝転んだり……寝転んだり?
金魚のように口をパクパクとさせた私。頭の中は真っ白で、言葉が本当に出てこなかった。
「詩子どのは将来、どんな方になるのでしょうな」
「きっと殿方に大層人気のある方になるでしょう」
「そうですわ、御友人もたくさんいらして」
「我々で見守っていきましょう」
「そうですぞ、付喪神の一生はたいそう長いと聞きますからな」
お内裏さまもお雛さまも、五人囃子も三人官女も、皆が女の子を愛おしそうに見つめている。まるで我が子を見守るような温かいまなざしを向けていた。
詩子、付喪神、見えない私、小さな女の子。
その瞬間、全部がつながった。
これは夢、これは思い出、付喪神になった詩子のひな人形の記憶なのだ。
最後に来聞いた「助けて下され」は、このひな人形たちが発した言葉だったのだ。その言葉に影響を受けて、私は彼らの夢を見ている。
そう言うことだったのか、と息を吐いた。確かに女の子の横顔には、今の詩子の面影があった。
その時、少女の傍に影が落ちた。どこかで見たことのあるような靄が、その陰からもくもくと生じる。付喪神たちのまとう空気が鋭いものに変わる。
「みろ、また災厄が来ておる」
「懲りぬ奴らじゃ」
「さあ兵ども、刀を取れ、武器を取れ!」
お内裏さまが腰の刀を引き抜き立ち上がると、五人囃子もそれに続いた。勢いよくひな壇から飛び上がった彼らは、その勢いのまま刀を靄に振り下ろす。剣先からまばゆい光が発せられ、真っ二つに切り裂かれた靄は空気中に拡散する。
「詩子どのに手を出すなんぞ、我々の目が黒いうちは断じて許さんぞ」
「詩子どのをお守りするのが我らの務め」
満足げに言い切ったひな人形たちは軽やかな足取りでひな壇に飛び移る。彼らはまた優しい顔で少女のことを見守った。
はじめはそれが何を意味しているのか理解できず、茫然とそれを見ていたが、やがてそれはひな人形たちが詩子に近付く厄を断ち切っているのだと分かった。
三門さんの言葉を思い出す。
────ひな人形は、生まれた女の子の成長を見守って、災厄から守ってくれる。
そう言うことだったのか。彼らは詩子を守っていた。厄や災いを断ち切り、詩子の成長を見守っていたのだ。
何度も目の前の景色が歪み、そして同じような光景が繰り返された。小さな詩子に近付く黒い影を、ひな人形が何度も断ち切る。しかし、次第に最初を余裕の笑みを浮かべていたひな人形たちの顔に、苦痛の色が窺えた。一太刀で打ち祓っていた彼らも、何度かの攻撃の末で退治するようになる。
目の前の景色が目まぐるしく変わる。今よりも少しだけ背が低く、髪の短い詩子がそこにいた。もしかしたら去年くらいの詩子なのかもしれない。
彼女に迫りくる影を見つけた途端、ひな人形たちはまた立ち上がった。
「今年も来たか、馬鹿者め」
「行くぞっ」
ひな壇を飛び出した彼らは、靄に向かって飛び降りる。靄の頭から振り下ろされた刀は、またそれを真っ二つに切り裂くと思われたが、違った。お内裏さまの握る刀は、キン────という小さな音を立て、刃先から真っ二つに折れたのだ。弓矢を背負った右大臣と左大臣のひな人形がすぐさま矢を放った。素早くそれをかわした靄は、畳の上に落ちる詩子の陰にすっと溶け込んだ。
「詩子どのが高い熱を出されたらしい」
「あの災厄を断ち切れなかったからじゃ」
「頭に怪我をおったらしい」
「詩子どのをお守りする力が弱いのだ」
「刀が折れさえしなければ」
「我らの力が強ければ」
彼らは自分たちの力が、詩子を守り切れないほど弱くなっているのを悔いていた。
────ああ、そうか、そう言うことだったのか。
三門さんが言っていた詩子の『守りの力』と言うのは、ひな人形が詩子を守っていたことだったのだ。そして詩子の守りの力が弱くなったのは、ひな人形たちが彼女のことを守りきれなくなってしまったからだったんだ。
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