19 / 20
聖母
しおりを挟むモールに着くと、丁度嵐が来た。
横殴りの雨にうたれるまえに、おれたちはホームセンターに入った。
「あら、こんな日に、こんなタイミングでどうしたの!?」
買い物かごを整理していた斎藤さんに出会った。
「いや~、ちょっと嵐の前に買い物しとこうと思って」
「後のほうがよくない?あら、真央ちゃんまで、こんにちは!」
「……こんにちは」
真央はペコリとあいさつを返した。おれは静かに驚いた。
「斎藤さ~ん、お先っス~!って、うわっ!降り出してるっ!」
「はっはっはっ、先輩より早く帰ろうなんてするからだよ、春木~!」
春木くんだった。当然、両手があった。
「……よければ君のコーヒーが飲みたいんだけど、ダメかな?」
おれが春木くんに唐突に言うと、春木くんは目が点になった。
「あえ!?べつにいいけど……?え?どこで俺の能力がコーヒーだって知ったんだ?」
「まあ、風のうわさで」
「十兵衛くん、チャレンジャーだなあ!」
斉藤さんが感心したように言った。
「ちょっ!?失礼な!」
「頼むよ」
憤慨している春木くんに、バックパックから取り出したマグカップを差し出した。
「ええ!?まじで言ってる?」
「まじ」
「……よーし!そんじゃ、とびっきりのコーヒーを淹れてやるぜっ!」
春木くんはマグカップを受け取ると、腕まくりをして目をつぶった。集中していた。
マグカップの底から、みるみる黒い液体が滲み出てきた。
「……ふぅ!お待ちっ!熱いから気をつけてくれ!」
「ありがとう!まずっ!」
舌に触れた瞬間、強烈な苦味と酸味が脳天を突き抜けた。熱いとかそれ以前の問題だ。なるほど、とびっきりのコーヒーだった。
だが、おれは飲んだ。
「お、おいおい、無理すんなよ……!」
春木くんが心配していた。
「大丈夫。……真央、おいしいから飲んでみ?」
「……よくそんな堂々と嘘つけますね」
だが、真央はマグカップを受け取り、一口飲んだ。顔が一気にげんこつになった。涙も滲んでいた。
おれたちは爆笑した。
斎藤さんも飲み、春木くん自身も飲んで爆笑していた。
「俺はまたなんてもんを生み出しちまったんだ……!?」
春木くんは自分の能力に戦慄していた。
おれがコーヒーを飲み切ると、自然と拍手が起きた。
「根性あるな!え~と?」
「ああ、絹川十兵衛だ」
「十兵衛って名前なの?へえ、かっこいいな!俺は春木龍一郎」
「……そっちもなかなかじゃないか」
「へっへっへ」
春木くんは声を出して笑った。人懐っこそうな笑みだった。
「じゃ、俺はそろそろ行くよ。これ以上嵐がひどくなる前に帰らねーとな」
「……春木くん」
おれは自動ドアを開けて、出ていこうとした春木くんの背に声をかけた。
「コーヒーありがとう。また飲ませてよ」
春木くんは振り返った。ぽかんとした顔をしていた。
「……お前、ホント珍しいやつだなあ~!いいぜ!いつか店開く予定だからよ!」
「楽しみにしてる」
「……わたしも、飲ませてください」
真央が言った。おれは驚いた。
春木くんも、斎藤さんも驚いていた。
「……うん、何杯でも飲んでよ」
春木くんがやさしい声で微笑んだ。ちょっと涙ぐんでいた。
「何杯もはいりません」
真央は、微笑みを返した。きれいな笑顔だった。
「やっぱり」
おれはホームセンターの中央あたりで、足をタップさせていた。
「エレベーターを探そう」
真央はうなずいた。
スタッフ専用ドアをこっそり開けて忍び込むと、ほどなくエレベーターは見つかった。
エレベーターに乗り込むと、表示されている階数は上のフロアだけだった。地下の表示はなかった。
「しょうがない。ちょっと失礼」
「わっ」
おれは真央を片手で抱え上げた。
「ハッ!」
「え?」
おれはエレベーターの床を踏み抜いた。足型に床が抜けた。それを何度も繰り返して、人が抜けられるくらいの穴を開けた。
「え?え?」
下には、地下空間があった。
「よし、いくぞ!しっかり、つかまってろ!」
「えっ?」
おれは返事を待たず、真央を抱えたまま穴に飛び込んだ。
「ひっ」
真央が悲鳴を押し殺した声が耳元で聞こえた。予想より穴は深かった。一階分くらいかと思ったら、五階分くらいはあった。着地した時、やや足が痺れてしまった。
「苦しい」
真央はおれの頭をがっちり抱え込んでいた。
「ば、ばかなんですか!?」
「失礼な。迅速性を尊んだだけだ。おれたちは忍び込んでいるわけだからな!」
「忍び込んでいる自覚のある人が、あんな大きな音させて床を踏み抜かないでください。というか、そもそも踏み抜けるものなんですか?鉄ですよ?」
真央は非常識な人間を責めるような口調で言った。
「……あと、ちょっと遠慮が無さすぎじゃないですか?降ろしてください」
「はい」
おれは素直に従った。着地した真央は膝が笑っていた。
「まったく……。なに笑ってるんですか?」
「いや、なんでも」
おれは笑いを噛み殺して、エレベーターの扉をこじ開けた。エレベーター室がないため、斜め上の位置に扉があった。おれは一足先にジャンプして、抜け出した。
ひっぱりあげようと、手を伸ばした。
真央は、むくれた顔で手を取った。
手をつないだまま、おれたちは一本道の暗い通路を歩いていった。
「……あの、十兵衛さん」
「なんだ?」
「今更なんですけど、エレベーターを上の階にやってから、扉をこじ開ければ良かったのでは?」
「……それもそうだな」
盲点だった。
「……十兵衛さんって本当に強かったんですね。すごいです」
「ま、真央が気を遣っただと!?お前、さては馬鹿って言葉を飲み込んだだろ!?」
「なにを言ってるんですか。本当にすごいです。褒めてます」
「本当かあ?」
「本当ですよー。それに今更気づいたのはわたしも同じですし」
「じゃあ、両方馬鹿ってことだな!」
「……それは違います」
「おいー!切り捨てるような目をするな!」
くだらない話をしていたら、通路は終わり、明るく開けた場所に着いた。吹き抜けになっていて、天井まで五階分くらいの高さがあった。
そこは発電施設だった。大小様々な配管があちこちに張り巡らされ、街中にエネルギーを供給していることが見て取れた。
だが、奇妙なことに発電するための機械は一切見当たらなかった。
「……あそこだ」
おれは配管の集まっているところを指さした。真央が走り出す。おれも追った。
大きな試験管のようなものが横たわっていた。その中には溶液が満たされていた。
銀髪の美しい女性が沈んでいた。
「おかあ……さん……!」
真央の母親だった。記憶で見た姿と寸分も違わなかった。真央は試験管にすがりつき、涙を流した。
「……ここに来るまでの間、だれにも会いませんでした。それは、やっぱりあなた一人で警備は十分だってことですか?朝倉さん」
「……気づいていたか」
おれが声をかけると、朝倉さんは暗い通路から一人姿を現した。
「その通りだ。……俺はここで彼女を守るという役目を負っている」
朝倉さんは、なんとも気まずそうな顔をしていた。
「……このままなにもしないで帰るなら、黙っていよう」
「エレベーターの穴はどうするんですか?」
朝倉さんは肩をすくめた。
「老朽化が原因とでも言うさ。とにかく、帰りなさい」
朝倉さんの足元から、威嚇するように床が凍っていった。それどころか部屋中の温度が急激に下がり、おれたちの呼気は白くなった。
「いやです!」
真央が主張した。
「おかあさんをここから出します!そのために来たんです!」
その通りだった。
朝倉さんは、真央の瞳を見た。彼女の母と同じ金色の瞳を。
朝倉さんの顔には、苦悩がありありと表れていた。
その瞬間、おれは唐突に箱の中に囚われていた。指をスナップする音が響いて、箱が透明になった。
「十兵衛さん!?」
真央が叫んだ。
「なぁにをしてるんですかぁ、朝倉さぁん。反逆罪ものですよぉ?」
通路から、神谷さんが現れた。手はメガネのツルに置いていた。神谷さんが不意打ちでおれに能力を使ったのだった。
「真央さぁん。ダメですよぉ」
神谷さんはいつも以上にねちっこい口調で真央に語りかけた。嗜虐心が透けていた。あるいはチャンスが巡ってきたと思って、テンションが上がっているのかもしれなかった。
「あなたのお母様のおかげで、このダンジョン都市入巣は維持されてるんですからぁ。お母様の犠牲によってぇ、僕たちは近代的な生活を享受できるエネルギーを得ているわけです。もしもお母様がいなくなれば、多くの人が困り、命を落とすでしょうねぇ。お母様のおかげで、僕たちは平和に暮らせているわけです。だ・か・ら!聖母様なーんて、呼ばれてるんですよぉ!アハハ!」
神谷さんは、とても愉快なことだというように笑った。真央が極力電化製品の類を使わなかったのは、こういう理由があったからだろうと推察された。
「……なんでおかあさんが、犠牲にならなくちゃいけないんですか?」
真央が聞いた。
「それはほら、ねえ?」
神谷さんは朝倉さんに同意を求めた。朝倉さんはなにも応えず渋面になった。
「当たり前だけど、人間じゃないからですよぉ。この社会では、人間の命が一番ですからね。人間は、特別なんですよ?」
まるで聞き分けのない小学生に言い含める教師のような、馬鹿にした口ぶりだった。
「……ふざけないでください」
「え?」
神谷さんの笑顔が曇った。
「あなたなんて、全然特別じゃないですよっ!あなたたち人間なんて、全然特別な命じゃないですよ……!」
真央のへその下辺りが光った。
異様な闇の力の奔流が目覚めようとしていた。
部屋全体の空気が震え、それどころかモール全体が揺れた。
「ストップ!落ち着け!」
おれは箱から抜け出して、真央を抱きしめた。
「え?」
「おいおい、マジか~!ごめん、ちょっと失礼」
おれは真央のスカートをちょっと引っ張って、へその下を見た。そしたら、邪神の紋がまだあった。どうやら一筋縄ではいかない代物だったらしく、邪神との契約を解消しない限り、紋は消えないようだ。
「う~む、これは思った以上に……!」
「ばかっ!!!」
「はがっ!」
おれは真央にみぞおちを殴られた。真央は顔を真っ赤にしていた。
「す…すまん……。でも、必要なことだったん……だ……!」
息が詰まりながらも謝った。
「うゔ~~~~!」
邪神の力は収まったが、真央は鬼のような表情で、涙を堪えながら怒っていた。手をブンブン振っている。風切り音がすごい。
「ごめんて」
「なんか軽いです!」
「イチャイチャするな!!!」
神谷さんの怒りの声と共に、おれと真央はおなじ箱に入れられていた。神谷さんが右手の親指と中指をスナップした。箱が透明になった。
「残念です、真央さん……!あなたはもう汚れてしまったようですね……!ピンと来ましたよ……!」
憤怒の表情の神谷さんが、右手の親指と人差し指を合わせた。なにがピンと来たのか知らないが、神谷さんは涙を一筋流した。
「これ以上、汚れたあなたを見るのは、僕には耐えられない……!さようなら……!」
神谷さんが指をスナップする刹那。
「フンッ!」
おれは箱の内壁に手のひらをつけて、一気に引っこ抜くような動作をした。箱の外にある外気で、箱の外壁を壊した。箱は雲散霧消した。
「はあ!?」
神谷さんは驚いていた。
「さっきも同じように脱出したのに、見ててくれないんだもんなー。神谷さんの箱ってさ、内側からはめっぽう強いけど、外側からはそんなに強くないよね?閉じ込めた敵を銃で撃ち殺したりしてた?」
「そ、そんなはずがないっ!」
神谷さんはおれの話は聞かず、メガネを上げて、再度おれたちを箱に閉じ込めた。
そして、今度はすぐさま右手の親指と人差し指でスナップした。
だが、箱は縮まなかった。
おれが高密度の気を練って纏い、内側の空間を満たしていたからだ。もちろん、おれの気は真央も包んでいた。やがて、箱は自壊した。
「ど、どうなっている!?」
神谷さんはさらにおれたちを箱に閉じ込めた。神谷さんの自信は崩壊していた。半べそをかいていた。
なんだか悪いことをしている気になってくる。前の生では自力で脱出できなかったから、潜んでいるのは分かってて、わざと箱に閉じ込められてみた。
どうやら予想以上に能力の習熟が進んでいるようで、神谷さんの箱能力はまったく脅威ではなかった。
「こういうのはどうか?」
おれは練り込んだ気を針の形にして、内壁に刺した。すると、風船が弾けるように箱は弾けた。
「……う、うぉおおおおおおお!!!」
神谷さんは半狂乱になって、ポケットからサイコロ大の箱をいくつも取り出し、左手の親指と人差し指を何度もスナップした。
サブマシンガンだけでなく、手榴弾、グレネードランチャー、ロケットランチャーまで解放した。神谷さんはロケットランチャーを構えて、おれたちに照準を合わせた。
引き金を引く刹那。
「もういい。休め」
朝倉さんの声が届くのと同時に、神谷さんは凍りついていた。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
魔族転身 ~俺は人間だけど救世主になったので魔王とその娘を救います! 鑑定・剥奪・リメイクの3つのスキルで!~
とら猫の尻尾
ファンタジー
魔王の娘を助けたことにより、俺は人間を辞めることになってしまった! これは【鑑定】【剥奪】【リメイク】の3つのスキルを使い、農民出身の元人間の俺が魔族の救世主になっていくまでの物語である。※ダークファンタジー&ラブコメ。 エンタメ作品として楽しんでいただけたら幸いです。 三幕八場構成になっています。 『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載中です。
幻想美男子蒐集鑑~夢幻月華の書~
紗吽猫
ファンタジー
ーー さぁ、世界を繋ぐ旅を綴ろう ーー
自称美男子愛好家の主人公オルメカと共に旅する好青年のソロモン。旅の目的はオルメカコレクションー夢幻月下の書に美男子達との召喚契約をすること。美男子の噂を聞きつけてはどんな街でも、時には異世界だって旅して回っている。でもどうやらこの旅、ただの逆ハーレムな旅とはいかないようでー…?
美男子を見付けることのみに特化した心眼を持つ自称美男子愛好家は出逢う美男子達を取り巻く事件を解決し、無事に魔導書を完成させることは出来るのか…!?
時に出逢い、時に闘い、時に事件を解決し…
旅の中で出逢う様々な美男子と取り巻く仲間達との複数世界を旅する物語。
※この作品はエブリスタでも連載中です。
半神の守護者
ぴっさま
ファンタジー
ロッドは何の力も無い少年だったが、異世界の創造神の血縁者だった。
超能力を手に入れたロッドは前世のペット、忠実な従者をお供に世界の守護者として邪神に立ち向かう。
〜概要〜
臨時パーティーにオークの群れの中に取り残されたロッドは、不思議な生き物に助けられこの世界の神と出会う。
実は神の遠い血縁者でこの世界の守護を頼まれたロッドは承諾し、通常では得られない超能力を得る。
そして魂の絆で結ばれたユニークモンスターのペット、従者のホムンクルスの少女を供にした旅が始まる。
■注記
本作品のメインはファンタジー世界においての超能力の行使になります。
他サイトにも投稿中
死んだと思ったら異世界に
トワイライト
ファンタジー
18歳の時、世界初のVRMMOゲーム『ユグドラシルオンライン』を始めた事がきっかけで二つの世界を救った主人公、五十嵐祐也は一緒にゲームをプレイした仲間達と幸せな日々を過ごし…そして死んだ。
祐也は家族や親戚に看取られ、走馬灯の様に流れる人生を振り替える。
だが、死んだはず祐也は草原で目を覚ました。
そして自分の姿を確認するとソコにはユグドラシルオンラインでの装備をつけている自分の姿があった。
その後、なんと体は若返り、ゲーム時代のステータス、装備、アイテム等を引き継いだ状態で異世界に来たことが判明する。
20年間プレイし続けたゲームのステータスや道具などを持った状態で異世界に来てしまった祐也は異世界で何をするのか。
「取り敢えず、この世界を楽しもうか」
この作品は自分が以前に書いたユグドラシルオンラインの続編です。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
異世界代理母出産~私は異世界で、100人の子を産んだ
蒼真まこ
ファンタジー
愛する夫と結婚して、子供を産んだ美奈。
幸福に包まれながら、子供を抱いて眠った。
目覚めたらそこは、見知らぬ異世界だった。
「どうか我らの世界をお救いください、聖母様」
異世界の王や神官、貴族たちはひれ伏し、美奈に
赤ん坊を代理出産してほしいと願うのだった。
聖母として召喚された美奈の運命は?
残酷で不条理な世界を、ひとりの女が変換させていく─。異譚・異世界召喚物語。
エブリスタからの転載です。ご了承ください。
7000文字程度の短編です。
記念にファンタジー小説大賞に参加中。
【注意】
物語の前半まで女性及び出産に対して残酷な描写がありますが、女性と出産を蔑視する意図はございません。
(当方も女性で出産育児経験があります)
不条理な世界を変えていくのが本作のテーマですので、できましたら最後まで読んでいただけるとありがたく思います。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる