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第一章
第8話 ブラッドリーは問題を抱え、ローザがやって来る
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「ブラッド!お前の新妻ヤベえぞっ!」
「……」
ブラッドリーは執務室に駆け込んできたリュック・ディミアンを睨んだ。ブラッドは、ブラッドリーの愛称だ。
朝から騒々しいのも寝不足の頭に響くから気に喰わないが、なによりも新妻というワードがなにやら気に喰わない
「……扉をきっちり閉めろ」
「ああ」
リュックは言われた通り扉を閉め、カギまで掛けた。
「……それで?」
「ああ……!お前に言われた通り朝から監視してたら、城の中をあちこち動き回っては聞き耳立ててよ。ずいぶん怪しい動きをしてたんだよ」
「ほう……」
ブラッドリーは興味深げにあごをなでる。
「その後、新人の侍女に接触」
「ふむ。手頃な相手だ」
「その通り。確実に選んでいる。手駒にするつもりと見て間違いない」
リュックは得意げに人差し指を振る。
「ところが、そこへ現れたのが我らがコートニー女史だ。新人侍女を叱りつけ、引き離そうとするも失敗。なんと、言い負かされちまった」
「なに?」
「かくして、アンタの新妻は手駒を一人手に入れたってわけだ。さすが“蛇のゼファニヤ”。三日目にして着実に侵食してきてるぜ。こりゃ毒が回るのは、案外早いかもな」
興奮気味にリュックは言う。
ブラッドリーは思案顔にならざるを得ない。
リュックは傭兵時代以前からの仲間で、昔から目端が利くし、身のこなしも素早く、諜報活動を難なくこなす。
頬に一筋の古傷があるが、黙っていれば見た目も少女のように愛らしい。歳はまだ10代のはず。
表裏を使い分ける頭もある。ついでにナイフ投げの達人だ。
だが、少々思い込みが強いところがある。
今回のように警戒すべき相手だというバイアスがかかっていると、なおさらのことだと言える。
(まあ、たしかに俺もバイアスがかかっているからこそ、監視を頼んだのだが……)
昨夜の会話を思い出す。
やたらとアーサーに執心していた。
ブラッドリーはそれになぜか腹が立った。
『……わたしを抱かなかったのも、忙しいからですか?』
夜の闇から聞こえてきた寂しさを含んだ挑発には血が熱くなり、しおらしい謝罪には安心感を覚えた。
ローザの言動からは、ゼファニヤ家のためにこの地を手中に収めようとする狡猾さは感じられない。
もちろん、感じられないというだけで何の確証もない。
(希望的観測だ……)
しかし、ブラッドリーは心のどこかでローザを疑いたくないと思い始めていた。
もっといえば、信じたいとさえ。
これでは別のバイアスがかかってしまっている。
警戒すべき相手だというバイアスと無垢な少女だと信じたいというバイアス。
この2つがせめぎ合っている。
(バカなことだ……!信じたいなどと!)
ブラッドリーの心の古傷から、苦い痛みが滲む。
(感情を揺さぶられているから、こんな馬鹿げたことを考えてしまうのだ。……蛇は感情を揺さぶることで、人心を絡め取るのかもしれんな)
やはり警戒すべき相手と見るのが妥当だろう。
ブラッドリーは寝不足の頭で結論付けた。
「それにしても、コートニーさんにも注意するよう手を回していたのか?」
「ん……」
コートニーには何も話していない。
すこし前に気まずいことがあって以来会話さえしていなかった。
最近いろいろと忙しかったというのもあるが、どうも避けられているようだ。
リュックにも言いづらいことなので、誰にも何があったかは言っていない。
自然と口が重くなるのをごまかそうとして、ブラッドリーはどうでもいいことを聞いた。
「あー、コートニーさんが新人侍女を叱ったのか?」
コートニーは真面目で温厚な女性で通っており、だれかを叱るというのは珍しいことだった。
「ああ!そりゃもう!新妻さんを威嚇しようとしたんだろうが、ちょいと演技過剰だったな。あの人あんなに大きな声出るんだなって、驚いちまったよ」
ブラッドリーはすこし不審に思う。
だがその時、ドアをノックする音が室内に響いた。
ローザは廊下を歩きながら、考えをまとめていた。
ブラッドリーは戦争が終わって、今から3年前に辺境伯に叙された。
コドラ領を拝したのも3年前。
つまり、それまではほかの領主がいたということである。
(コートニーからしたら、自分の領地だったところを取り上げられて、なおかつ侍女頭として働かされているのだから、頭にも来るわよね……)
コートニーの屈折した感情は理解できる気がした。
かと言って、天使のようなアーサーを傷つけていることは、許されないことだと思ったが。
(とりあえず、順番に処理して行きましょう)
「ここね」
「はい……」
ローザはニコラを引き連れて、ブラッドリーがいるであろうと思われる執務室の前にいた。
ニコラは不安そうな顔をしている。
おそらく自分もそうだろうと思い、不思議とすこし気が楽になった。
一回深呼吸してから、ドアをノックする。
「……」
すこしの間があり、カギの開く音がしてドアが開いた。
(わざわざカギ掛けてたの?)
ローザはなんとなく疑問に思う。
ドアから顔を覗かせたのはブラッドリーではなく、藍色の髪色と黒い瞳を持つ可愛らしい容姿をした青年だった。
頬に一筋の古傷があるが、背も低いので、それがなければ少女と思い違いしていたかもしれない。
ローザの顔を見て、青年はギョッとした顔になる。
「ブラッドリー様はいらっしゃるかしら?」
「えっ!?え~と……」
青年は一瞬挙動不審にチラチラと室内を見てからうなずいた。
「どうぞ……」
ドアを開けて、恭しく頭を下げる。
「どうも」
ローザは会釈して室内に入った。
トコトコと生まれたてのヒヨコのように、ニコラもついていく。
青年がそれを見て怪訝な顔をしたのを、ローザは目の端で捉えたが、気を取られることなく前を見据えた。
ブラッドリーが大きな黒いデスクにヒジをついて、油断のない真紅の瞳をローザに注いでいたからだ。
ローザはその瞳を見つめて単刀直入に言った。
「ニコラをわたし専属の侍女にしようと思いますの。よろしいですね?」
ローザはここへ許可を取りに来たのだった。
コートニーにはニコラの人事権などないと言ったが、嫁いで来たばかりのローザにもあるわけがない。
「ニコラ?」
ブラッドリーは新入り侍女の名前を把握していないようだったが、うしろからおっかなびっくり付いてきた侍女を見て「ああ……」とうなずいた。
「……構いませんが、なぜ彼女を?」
「気に入ったからです」
「そうですか……。侍女頭のコートニーさんには言いましたか?」
「ええ……。コートニー、さん?」
ブラッドリーが部下である侍女頭にさん付けというのは、奇妙な気がした。
「ああ……。実は彼女は元領主の娘でして、姓はアッシャーというのです」
城の名前と同じ姓だった。
「彼女の御父上であるアッシャー辺境伯には、昔お世話になりまして、まあ、それでつい昔の呼び方をしてしまうというわけです」
「……昔の縁で侍女頭として雇用しているのですか?」
「まあ、そうなりますね」
ブラッドリーは落ち着き払った様子で答える。
「……それは浅慮なのではないですか?」
「なぜです?」
「なぜって……。かつての領主の一族だった娘が、今は侍女頭として働かされているなど屈辱的なのでは?」
ブラッドリーは鼻で笑った。
「それはいかにも貴族的な考え方ですね」
「なっ!?」
「アッシャー辺境伯は王都の貴族たちとは違い、民と同じ目線で物事を考えられる名君でした。その娘であるコートニーさんも同様の方です」
(とてもそんなふうには思えなかったけどっ!?)
「領主に成りたてで右も左もわからない私を支えてくれた数少ない一人です。敬意を払ってください」
衝撃の一言を言われ、ローザは声も出せずに固まる。
だが、頭の中は忙しなく動いていた。
(こ、この男、実はめちゃくちゃ人を見る目がないんじゃないの!?アンタの息子がイジメられてるのよっ!?)
だが、これはアーサーとの約束で口には出せない。
「そうですか……。コートニーさんとは、ずいぶん仲がよろしいのですね……!」
代わりというわけではないが、蛇の体温のように底冷えのする声でローザはつぶやいたのだった。
「……」
ブラッドリーは執務室に駆け込んできたリュック・ディミアンを睨んだ。ブラッドは、ブラッドリーの愛称だ。
朝から騒々しいのも寝不足の頭に響くから気に喰わないが、なによりも新妻というワードがなにやら気に喰わない
「……扉をきっちり閉めろ」
「ああ」
リュックは言われた通り扉を閉め、カギまで掛けた。
「……それで?」
「ああ……!お前に言われた通り朝から監視してたら、城の中をあちこち動き回っては聞き耳立ててよ。ずいぶん怪しい動きをしてたんだよ」
「ほう……」
ブラッドリーは興味深げにあごをなでる。
「その後、新人の侍女に接触」
「ふむ。手頃な相手だ」
「その通り。確実に選んでいる。手駒にするつもりと見て間違いない」
リュックは得意げに人差し指を振る。
「ところが、そこへ現れたのが我らがコートニー女史だ。新人侍女を叱りつけ、引き離そうとするも失敗。なんと、言い負かされちまった」
「なに?」
「かくして、アンタの新妻は手駒を一人手に入れたってわけだ。さすが“蛇のゼファニヤ”。三日目にして着実に侵食してきてるぜ。こりゃ毒が回るのは、案外早いかもな」
興奮気味にリュックは言う。
ブラッドリーは思案顔にならざるを得ない。
リュックは傭兵時代以前からの仲間で、昔から目端が利くし、身のこなしも素早く、諜報活動を難なくこなす。
頬に一筋の古傷があるが、黙っていれば見た目も少女のように愛らしい。歳はまだ10代のはず。
表裏を使い分ける頭もある。ついでにナイフ投げの達人だ。
だが、少々思い込みが強いところがある。
今回のように警戒すべき相手だというバイアスがかかっていると、なおさらのことだと言える。
(まあ、たしかに俺もバイアスがかかっているからこそ、監視を頼んだのだが……)
昨夜の会話を思い出す。
やたらとアーサーに執心していた。
ブラッドリーはそれになぜか腹が立った。
『……わたしを抱かなかったのも、忙しいからですか?』
夜の闇から聞こえてきた寂しさを含んだ挑発には血が熱くなり、しおらしい謝罪には安心感を覚えた。
ローザの言動からは、ゼファニヤ家のためにこの地を手中に収めようとする狡猾さは感じられない。
もちろん、感じられないというだけで何の確証もない。
(希望的観測だ……)
しかし、ブラッドリーは心のどこかでローザを疑いたくないと思い始めていた。
もっといえば、信じたいとさえ。
これでは別のバイアスがかかってしまっている。
警戒すべき相手だというバイアスと無垢な少女だと信じたいというバイアス。
この2つがせめぎ合っている。
(バカなことだ……!信じたいなどと!)
ブラッドリーの心の古傷から、苦い痛みが滲む。
(感情を揺さぶられているから、こんな馬鹿げたことを考えてしまうのだ。……蛇は感情を揺さぶることで、人心を絡め取るのかもしれんな)
やはり警戒すべき相手と見るのが妥当だろう。
ブラッドリーは寝不足の頭で結論付けた。
「それにしても、コートニーさんにも注意するよう手を回していたのか?」
「ん……」
コートニーには何も話していない。
すこし前に気まずいことがあって以来会話さえしていなかった。
最近いろいろと忙しかったというのもあるが、どうも避けられているようだ。
リュックにも言いづらいことなので、誰にも何があったかは言っていない。
自然と口が重くなるのをごまかそうとして、ブラッドリーはどうでもいいことを聞いた。
「あー、コートニーさんが新人侍女を叱ったのか?」
コートニーは真面目で温厚な女性で通っており、だれかを叱るというのは珍しいことだった。
「ああ!そりゃもう!新妻さんを威嚇しようとしたんだろうが、ちょいと演技過剰だったな。あの人あんなに大きな声出るんだなって、驚いちまったよ」
ブラッドリーはすこし不審に思う。
だがその時、ドアをノックする音が室内に響いた。
ローザは廊下を歩きながら、考えをまとめていた。
ブラッドリーは戦争が終わって、今から3年前に辺境伯に叙された。
コドラ領を拝したのも3年前。
つまり、それまではほかの領主がいたということである。
(コートニーからしたら、自分の領地だったところを取り上げられて、なおかつ侍女頭として働かされているのだから、頭にも来るわよね……)
コートニーの屈折した感情は理解できる気がした。
かと言って、天使のようなアーサーを傷つけていることは、許されないことだと思ったが。
(とりあえず、順番に処理して行きましょう)
「ここね」
「はい……」
ローザはニコラを引き連れて、ブラッドリーがいるであろうと思われる執務室の前にいた。
ニコラは不安そうな顔をしている。
おそらく自分もそうだろうと思い、不思議とすこし気が楽になった。
一回深呼吸してから、ドアをノックする。
「……」
すこしの間があり、カギの開く音がしてドアが開いた。
(わざわざカギ掛けてたの?)
ローザはなんとなく疑問に思う。
ドアから顔を覗かせたのはブラッドリーではなく、藍色の髪色と黒い瞳を持つ可愛らしい容姿をした青年だった。
頬に一筋の古傷があるが、背も低いので、それがなければ少女と思い違いしていたかもしれない。
ローザの顔を見て、青年はギョッとした顔になる。
「ブラッドリー様はいらっしゃるかしら?」
「えっ!?え~と……」
青年は一瞬挙動不審にチラチラと室内を見てからうなずいた。
「どうぞ……」
ドアを開けて、恭しく頭を下げる。
「どうも」
ローザは会釈して室内に入った。
トコトコと生まれたてのヒヨコのように、ニコラもついていく。
青年がそれを見て怪訝な顔をしたのを、ローザは目の端で捉えたが、気を取られることなく前を見据えた。
ブラッドリーが大きな黒いデスクにヒジをついて、油断のない真紅の瞳をローザに注いでいたからだ。
ローザはその瞳を見つめて単刀直入に言った。
「ニコラをわたし専属の侍女にしようと思いますの。よろしいですね?」
ローザはここへ許可を取りに来たのだった。
コートニーにはニコラの人事権などないと言ったが、嫁いで来たばかりのローザにもあるわけがない。
「ニコラ?」
ブラッドリーは新入り侍女の名前を把握していないようだったが、うしろからおっかなびっくり付いてきた侍女を見て「ああ……」とうなずいた。
「……構いませんが、なぜ彼女を?」
「気に入ったからです」
「そうですか……。侍女頭のコートニーさんには言いましたか?」
「ええ……。コートニー、さん?」
ブラッドリーが部下である侍女頭にさん付けというのは、奇妙な気がした。
「ああ……。実は彼女は元領主の娘でして、姓はアッシャーというのです」
城の名前と同じ姓だった。
「彼女の御父上であるアッシャー辺境伯には、昔お世話になりまして、まあ、それでつい昔の呼び方をしてしまうというわけです」
「……昔の縁で侍女頭として雇用しているのですか?」
「まあ、そうなりますね」
ブラッドリーは落ち着き払った様子で答える。
「……それは浅慮なのではないですか?」
「なぜです?」
「なぜって……。かつての領主の一族だった娘が、今は侍女頭として働かされているなど屈辱的なのでは?」
ブラッドリーは鼻で笑った。
「それはいかにも貴族的な考え方ですね」
「なっ!?」
「アッシャー辺境伯は王都の貴族たちとは違い、民と同じ目線で物事を考えられる名君でした。その娘であるコートニーさんも同様の方です」
(とてもそんなふうには思えなかったけどっ!?)
「領主に成りたてで右も左もわからない私を支えてくれた数少ない一人です。敬意を払ってください」
衝撃の一言を言われ、ローザは声も出せずに固まる。
だが、頭の中は忙しなく動いていた。
(こ、この男、実はめちゃくちゃ人を見る目がないんじゃないの!?アンタの息子がイジメられてるのよっ!?)
だが、これはアーサーとの約束で口には出せない。
「そうですか……。コートニーさんとは、ずいぶん仲がよろしいのですね……!」
代わりというわけではないが、蛇の体温のように底冷えのする声でローザはつぶやいたのだった。
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