上 下
160 / 203
本編

No.154~ダンジョン解放前イベント28

しおりを挟む
俺が新しい作戦を考えている間もリヴァイアサンは俺の事を攻撃していたが海の水を操ってくるだけなので避けることは簡単だった。

「ガァァァァ!!」

いきなりリヴァイアサンは叫ぶと海の中に戻っていった。

(時空魔法が無効化されたか)

リヴァイアサンが叫んだ時にリヴァイアサンから大量の魔力が発せられた、つまり大量の魔力で自分に掛けられている時空魔法を強制的に壊したという事になる。

今まで解除された事の無かった時空魔法が破られた。

(こりゃあもう一回時空魔法を掛けても直ぐに解除されるか)

俺は海に潜っていったリヴァイアサンに注意する。

少しその場に待機しているといきなり後ろから衝撃を感じた。

(何だ!?)

気づいた時にはいつの間にか水中に沈んでいた。

(くそ、後ろからの水に気づかなかったって事か)

俺は水中のリヴァイアサンに注意していたから後ろから来ていた大量の水に気づかなかった。

(そうか、だから俺が気づかなかったのか)

リヴァイアサンは魔力で海水を操っている訳じゃないみたいだ。

俺はてっきりリヴァイアサンは海水を魔力で操っていると思っていた。

いつも俺は魔力感知で自分に向かってくる魔法攻撃を感知する。

今回の俺はリヴァイアサンは魔力で海水を操っていると勘違いしていたため起こったって訳だ。

(早く海から出ないと!)

海の中はリヴァイアサンの領域だ。
 
早く脱出しないと不利な戦いになる。

幸い窒息ダメージを受けない事から、なんらかの称号の力で窒息はしない様にはなっているが、水中だと動きが遅くなるし、攻撃の威力も減る、それに対してリヴァイアサンは元々海にいるモンスターだから移動も攻撃も弱くなったりしない。

俺は風魔法を使って足からジェット噴射の様に風を作り出し推進力にして海から出ようとする。

ぐんぐんと海の中を進んでいる俺だがそこまで深く沈んだのだろうか?進めど進めど海から出られる気配がしない。

(それにリヴァイアサンの姿も無い…なにか怪しいな)

自分のテリトリーに獲物を連れてきたら一方的に攻撃が出来る筈だ。

なのに攻撃どころか姿が見えない所に何か有るんじゃないかと考えてしまう。

周りを警戒しながら海から出るために移動していた俺はとある場所で停まる事になった。

(これは…海の外に出れない様にしているのか?)

あとちょっとで海から出られるという所で俺の進むスピードが急激に低下して、その原因を探るために一旦停止していたのだ。

その結果、海面から下に凄い勢いで水が行っている事が分かった。

多分リヴァイアサンの水流操作で万が一にも俺が海から出ない様にしたって訳か…それで、姿が見えないのは直接戦わなくても窒息で死ぬと考えたからか?

たしかに俺も称号の効果が無かったらなすすべも無く死んでいる作戦だが、リヴァイアサンは俺が生きているという事に気づいているのだろうか?

俺は策敵を発動させてリヴァイアサンの場所を確認する…リヴァイアサンは俺から大分離れた所に居るみたいだ。

(リヴァイアサンは俺が窒息して死ぬと考えていた、ならバレない様に近づけば確実に攻撃を当てられる)

俺はマップを確認しながらゆっくり、そして着実にリヴァイアサンに近づいていく。

(見つけた!)

リヴァイアサンは俺に気づく感じも無く巨大な魚を補食していた。

俺に削られたHPを回復させているみたいだ、すでにゲージの3分の1も回復させている。

どうやら食べる事に集中しているみたいだ…これなら多少の事じゃ気づかれないだろう。

俺は龍神の杖をストレージに入れて代わりにオリハルコン合金の刀を2本取り出し装備する。

(どうせなら刀をさして解放した方が威力がでるんだけど物理攻撃が効かないんじゃなぁ)

俺はリヴァイアサンに気づかれない様気をつけて着々とリヴァイアサンの元に近づいていく…そしてリヴァイアサンの真後ろに気づかれずに行くことが出来た。

俺は両腰に帯びていた刀を抜く。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

聖女の姉が行方不明になりました

蓮沼ナノ
ファンタジー
8年前、姉が聖女の力に目覚め無理矢理王宮に連れて行かれた。取り残された家族は泣きながらも姉の幸せを願っていたが、8年後、王宮から姉が行方不明になったと聞かされる。妹のバリーは姉を探しに王都へと向かうが、王宮では元平民の姉は虐げられていたようで…聖女になった姉と田舎に残された家族の話し。

ズボラ通販生活

ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

処理中です...