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あの後東門から王国の外に出た俺と修羅は王国から少し離れた所で公国に向かって転移した。
「…周囲には誰も居ないな」
「ええ、人の気配は一切感じませんね」
公国に転移した俺達は周囲に人が居ないかを探る。
「よし、じゃあ魔法を解除するぞ」
周囲に人が居ないのを確認した俺は修羅に一言伝えてから修羅に掛けていた魔法を解除する。
「じゃあ俺はこの後フェルを迎えに行くから、修羅はヤヨイと合流しといてくれ」
「はい、それでは」
修羅の返事を聞いた俺はフェルの元へ向かうため、転移魔法を発動させようと思ったが、とある事が頭に浮かんだ為魔法の発動を中止した。
それは修羅は以前公国に来たことが有るのか?という物だ。
俺は修羅にヤヨイと合流しといてくれと言ったけど修羅が前にこの国に来たことが無いのなら道が分からない、なんて事になるかも知れない。
「そう言えば…ってもう居ないか」
そう考えた俺は修羅に公国に来たことが有るのか聞こうと思い後ろに振り向いたがそこには修羅の姿は既に無かった。
「…ま、大丈夫か」
修羅がもう居ないって事は多分修羅は前に公国に来たことが有るのだろう。
まぁ最悪道が分からなかったとしてもヤヨイの魔力に向かえばヤヨイに合流する事は出来るし、大丈夫だろう。
「じゃあフェルの所に行く前に…」
俺はアイテムボックスから携帯を取り出してフェルに電話する。
すると数コールもしないうちにフェルは電話に出た。
「もしとしフェルか?今時間取れるか?」
俺は電話に出たフェルに今電話する時間が有るかを聞く。
「大丈夫です、もうこっちで私がやる事は殆ど無いので…それで主は私にどんな用ですか?」
ふむ、という事は集落の人たちの説得には成功したって事だな。
「そうか、俺は今からそっちに迎えに行くから連絡しとこうと思ってな」
俺は集落の人たちの説得をしなくて良いという事実に安心しながらフェルに電話を掛けた理由を話す。
「分かりました、じゃあ家で待ってますね」
「おう、じゃあ今から転移でそっち行くが準備は大丈夫か?」
「ええ、既に準備は万端です」
フェルの言葉を聞いた俺はじゃあな、と言って電話を切る。
「よし、じゃあ行きますか」
フェルとの電話を切った俺は転移魔法を発動させて直接フェルの住処である氷の城に転移する。
「それじゃあ主、行きましょうか」
俺が氷の城に転移すると目の前には大荷物を背負ったフェルの姿が有った。
「おう、じゃあ荷物は預かるから俺に渡してくれ」
俺がフェルにそう伝えるとフェルは素直に荷物を俺に渡す。
「じゃあ公国に転移するから俺に触れてくれ」
フェルの大荷物をアイテムボックスに収納した俺はフェルと自分に魔法を掛ける。
「じゃあ行くぞ」
フェルが服の裾を掴んでいるのを確認した俺は転移魔法を発動させて公国の裏路地まで転移した。
「フェル、着いたぞ」
「此処が公国ですか…」
公国に転移したフェルは物珍しそうに周囲をキョロキョロと見渡している。
「フェル、ここは裏路地だから周囲を見ても何も無いぞ」
「んん!そ、そうですね」
俺に指摘をされたフェルは咳払いをして話を逸らそうとするが頬が赤くなってるのが隠せていない。
「じゃあ魔法を消して2人と合流しようか」
「主、待ってください」
俺はそう言って魔法を消そうとしたがフェルに止められる。
「どうした?」
周囲に人影は無いから魔法を消しても大丈夫な筈だが、何か問題でも有ったのだろうか?
「いえ、魔法を消す前にやっておきたい事がありまして…少しお待ちください」
「分かった、準備ができたら俺に声をかけてくれ」
フェルが少し待ってくれと言うので魔法を解除するのを待つ事にした。
そうしてフェルから声が掛かるのを待っていると突然ボフン、という音と共にフェルの体から一気に煙が出た。
「フェル!?大丈夫か!?」
「ん…大丈夫」
いきなりフェルの体から煙が出た事に驚いた俺はフェルの身に何が起こったんじゃ無いかと慌てたが、フェルの大丈夫という声を聞いて落ち着きを取り戻す。
煙は時間と共に薄れていき、煙が晴れるとそこには小さくなったフェルが立っていた。
「…周囲には誰も居ないな」
「ええ、人の気配は一切感じませんね」
公国に転移した俺達は周囲に人が居ないかを探る。
「よし、じゃあ魔法を解除するぞ」
周囲に人が居ないのを確認した俺は修羅に一言伝えてから修羅に掛けていた魔法を解除する。
「じゃあ俺はこの後フェルを迎えに行くから、修羅はヤヨイと合流しといてくれ」
「はい、それでは」
修羅の返事を聞いた俺はフェルの元へ向かうため、転移魔法を発動させようと思ったが、とある事が頭に浮かんだ為魔法の発動を中止した。
それは修羅は以前公国に来たことが有るのか?という物だ。
俺は修羅にヤヨイと合流しといてくれと言ったけど修羅が前にこの国に来たことが無いのなら道が分からない、なんて事になるかも知れない。
「そう言えば…ってもう居ないか」
そう考えた俺は修羅に公国に来たことが有るのか聞こうと思い後ろに振り向いたがそこには修羅の姿は既に無かった。
「…ま、大丈夫か」
修羅がもう居ないって事は多分修羅は前に公国に来たことが有るのだろう。
まぁ最悪道が分からなかったとしてもヤヨイの魔力に向かえばヤヨイに合流する事は出来るし、大丈夫だろう。
「じゃあフェルの所に行く前に…」
俺はアイテムボックスから携帯を取り出してフェルに電話する。
すると数コールもしないうちにフェルは電話に出た。
「もしとしフェルか?今時間取れるか?」
俺は電話に出たフェルに今電話する時間が有るかを聞く。
「大丈夫です、もうこっちで私がやる事は殆ど無いので…それで主は私にどんな用ですか?」
ふむ、という事は集落の人たちの説得には成功したって事だな。
「そうか、俺は今からそっちに迎えに行くから連絡しとこうと思ってな」
俺は集落の人たちの説得をしなくて良いという事実に安心しながらフェルに電話を掛けた理由を話す。
「分かりました、じゃあ家で待ってますね」
「おう、じゃあ今から転移でそっち行くが準備は大丈夫か?」
「ええ、既に準備は万端です」
フェルの言葉を聞いた俺はじゃあな、と言って電話を切る。
「よし、じゃあ行きますか」
フェルとの電話を切った俺は転移魔法を発動させて直接フェルの住処である氷の城に転移する。
「それじゃあ主、行きましょうか」
俺が氷の城に転移すると目の前には大荷物を背負ったフェルの姿が有った。
「おう、じゃあ荷物は預かるから俺に渡してくれ」
俺がフェルにそう伝えるとフェルは素直に荷物を俺に渡す。
「じゃあ公国に転移するから俺に触れてくれ」
フェルの大荷物をアイテムボックスに収納した俺はフェルと自分に魔法を掛ける。
「じゃあ行くぞ」
フェルが服の裾を掴んでいるのを確認した俺は転移魔法を発動させて公国の裏路地まで転移した。
「フェル、着いたぞ」
「此処が公国ですか…」
公国に転移したフェルは物珍しそうに周囲をキョロキョロと見渡している。
「フェル、ここは裏路地だから周囲を見ても何も無いぞ」
「んん!そ、そうですね」
俺に指摘をされたフェルは咳払いをして話を逸らそうとするが頬が赤くなってるのが隠せていない。
「じゃあ魔法を消して2人と合流しようか」
「主、待ってください」
俺はそう言って魔法を消そうとしたがフェルに止められる。
「どうした?」
周囲に人影は無いから魔法を消しても大丈夫な筈だが、何か問題でも有ったのだろうか?
「いえ、魔法を消す前にやっておきたい事がありまして…少しお待ちください」
「分かった、準備ができたら俺に声をかけてくれ」
フェルが少し待ってくれと言うので魔法を解除するのを待つ事にした。
そうしてフェルから声が掛かるのを待っていると突然ボフン、という音と共にフェルの体から一気に煙が出た。
「フェル!?大丈夫か!?」
「ん…大丈夫」
いきなりフェルの体から煙が出た事に驚いた俺はフェルの身に何が起こったんじゃ無いかと慌てたが、フェルの大丈夫という声を聞いて落ち着きを取り戻す。
煙は時間と共に薄れていき、煙が晴れるとそこには小さくなったフェルが立っていた。
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