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模擬戦を終えた俺とフェニは異空間から出てヤヨイと合流する為に公国を目指していた。

ちなみに転移魔法で直接公国に向かわないのはフェニが話をしたいから空を飛んで行こうと提案したからだ。

「ユウヤ~この後どうするの?」

「なにするって…公国でヤヨイと合流して戦争が始まりそうになるまで待機だってさっき話しただろ?」

「そうじゃなくてさ、ヤヨイと合流した後の話だよ、もうすぐ戦争が始まるってのは聞いたけど何日かは猶予がある訳でしょ?その間に何かしたりするのかな?って思ったんだ」

成る程、そう言うことか…でも戦争が始まるまでにやる事ねぇ…特に思いつかないな。

「特に無いな」

「無いの!?」

俺が待機中にやる事は無いとフェニに伝えるとフェニは驚いた様に声を上げた。

「フェニ、なんでそんなに驚いてるんだ?」

そんなに驚く事じゃないだろ、そう思った俺はフェニに何故驚いたのか、理由を聞いてみる事にした。

「いや、だってユウヤってこう言う事する時って何かと準備したりで常に行動してたから、何もしないって言ったのが意外だったんだよ」

「ふ~ん、そうなのか?」

確かにそう言われてみるとイベント前は準備とかで忙しくしていた気がするが…それはイベントを有利に進めるためだったからな。

「まぁ今回は俺自身が率先して行動する必要が無いからな、作戦の内容的に教国が攻めてくるまでやる事がもう無いんだよ」

今回の作戦は戦争が始まりそうになった所に俺たちが介入して圧倒的な力を見せて戦争を止めさせるって奴だから特に準備する様な事は無い。

市民の避難とかは公国側がやるだろうしな。

「そうなんだ…じゃあ戦争が始まるまでヤヨイとユウヤと公国で待機してるって事だけ」

「ああ、そう言う事になるな」

俺がそう伝えるとフェニは嬉しそうに呟いた。

「ヤヨイと会うのは久しぶりだから楽しみだな~それに僕、この世界に来てから騒ぎになるからってあんまり人の居るところに行けなかったから公国がどんな所か楽しみだよ!」

そうか…フェニはこの世界だと神獣扱いされている、だから国や街に立ち寄れなかったのか。

この世界で神獣とされているフェニがどっかの国に寄ったりなんかしたら大騒ぎになってしまう。

神獣が立ち寄った国、とか我々は神獣の加護を受けたとか他の国に対して嘘を発表したりする可能性も有るし、そうなった場合この世界の国の勢力バランスが変わってしまうからな。

他の国からしたら加護を受けたという発表を嘘だと思っていても神獣が加護を与えた可能性が少しでも有るならその国に対して下手に出るしか無い。

あの国の機嫌を損ねた場合あの国に加護を与えた神獣が自分たちの国にどんな事をするか分からない…下手したら国を滅ぼされるかも…という考えになってしまうからな。

俺たちを除いてフェニに敵う存在はこの世にはいない訳だし、下手したら国を滅ぼされる位強い存在がバックに居るかも知れない国に対して強く出る事ができない他の国はフェニの威を借りている国に従うしかなくなってしまう。

まぁそれもフェニ自身が否定すれば大した問題には成らなそうだが、面倒な事になるのは間違い無いだろう。

フェニもその事を考えて無闇に国に立ち寄ったりする事をしなかったのだろう。

「僕は目立つからね、それにフェルみたいに人間形態がある訳じゃ無いからね」

「そうだな…」

人間形態か、今度フェニを鳥の獣人っぽく変身させる様なアイテムを作れるか試してみるか、上手く行けばフェニもこの世界を自由に行動できる様になるだろうし

「でもユウヤが居ればその問題も解決!小さくなっておけばユウヤの使い魔として堂々と公国を見物する事ができるよ」

「そうだな…まぁ今の公国は戦争が始まりそうでピリピリしてるだろうけど、戦争を止めた後にしっかりと公国を観光しような」

「そうだね!…ってあそこに見えるの公国じゃない?」

フェニがそう言って指を刺した方を見ると公国が見えてきた。
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