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フェニと話をしながら火山地帯を飛ぶ事十数分、俺たちはフェニの住処に着いた。

フェニの住処が有る場所は火山地帯の中心部にある一番大きい火山の頂上、その火口付近だった。

「此処がフェニの住処…か?」

俺はフェニの住処らしき物をみてフェニに聞く。

フェニの住処っぽい所にはフェニの羽らしき物が地面に積んであるだけだったからだ。

フェニの羽が積まれている場所は風に羽が飛ばされないようにする為か他の場所より低くなっている様だが…

「そうだよ?」

するとフェニは当たり前じゃ無いか、と俺に言った。

「そうなのか…」

まぁフェニは分類としては鳥だしこういう住処でも問題は無いのか?

それにフェニも不満とか持ってないっぽいし、俺が気にしても仕方ないか?

「フェニはこんなところに住んでたんだな」

「此処は近くに火口が有るからね、効率良くエネルギーを得る事ができるんだよ」

フェニは此処に住処を作った理由を話す。

成る程、だから直ぐ近くに火口がある場所に住処を作ったんだな。

不死鳥は炎や熱を吸収する事でエネルギーを得る事ができると言う特性が有る。

マグマを吸収する事で効率良くエネルギーを得る事ができる様にしてる訳か。

俺はフェニがこんな所に住処を作った理由に納得する。

「でもアレはもう少しどうにかならなかったのか?」

俺はフェニの羽が置いてある場所を指差してそう言った。

「あ~、それの事ね」

フェニは俺の言葉を聴聞いて納得した様な声を上げた。

「僕も最初はあの森にある様な家を建てようとしたんだけどね、此処じゃ出来なかったから諦めたんだよ」

「そうなのか?」

俺はフェニの発言を聞いて一瞬何故?と不思議に思ったがフェニの姿を見て何故フェニが出来ないから諦めた、と言ったのかを理解した。

フェニは不死鳥、大雑把に言えば鳥だ、家を作りたくても作れなかったという事なのだろう。

まぁフェニならどうにかして作れるかも…とは思うが実際に出来なかったのだろう。

だから家が作れずにあんな自分の羽を敷き詰めただけの住処になってしまったのか…

俺はこの場所で生活するフェニの姿を想像して悲しい気持ちになった。

「なんでユウヤがそんな変な顔で僕の事を見てるのかは知らないけど、多分ユウヤの考えてる事じゃ無いから」

フェニは俺にそう言うと家を建てる事が出来なかった理由を話した。

「この火山地帯は此処、中央に行くにつれて気温が上がってるんだ」

「そうなんだ」

フェニの言葉を聞いて俺は温度計を出して見ると温度計には267度と表示された。

「日によって気温は変わるけど、ここら辺は大体250度~300度位の気温なんだ」

ちなみに今の気温は267度ね、とフェニは現在の気温をピッタリと当てる。

やはり体が炎で構成されているから気温が分かるのか?

俺はフェニが現在の気温を当てたのを聞いてそう考える。

「まぁ簡単に言うとね、この世界の木材じゃこの場所に持ってきても燃えちゃうから結局家を建てることは出来なかったって訳だよ」

まぁあの羽を敷いただけの住処でも十分寝床として機能するから良いんだけどね、とフェニは言った。

「それで、さっきユウヤは僕に用があるって言ってたけど、それってどんな用件なの?」

「ああ、それは…」

俺はフェニに教国と公国の間で戦争が起こりそうな事と、それに邪神の力やらが関わっている事を話す。

「と言う訳で、フェニにも協力して欲しいんだ」

「へぇ、戦争に邪神の力か…だからユウヤが関わろうと思ったわけだね」

俺はフェニの言葉に頷く。

「でも邪神の力が使われてるって言っても欠片なんでしょ?ユウヤ1人だけでも戦力は十分なんじゃないの?」

「まぁ確かに出来ない事は無いけど、それだと根本的な解決にならないだろ」

俺は1人で戦争を止めたとしてもまた戦争が起こったら意味がないと伝える。

「戦争を終結させてもまた起こったら意味がない…か、それで僕たちを戦争の抑止力にしようって事ね…了解、その話し、喜んで協力させて貰うよ」

フェニは話を聞くと直ぐに協力してくれると言ってくれた。

「そうか、ありがとな」

俺はフェニに礼を言う。

「僕も久しぶりに皆にも会いたいと思ってたからね、良い機会になったよ」
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