上 下
192 / 280

192

しおりを挟む
「それなんですよね…邪神の力をどうにかしないと四大貴族が戦争をしないという選択肢を取る可能性が非常に少なくないのに邪神の力に干渉したら避難所にいる人達が危険にさらされる…正に手出しができない状況ですね」

ヤヨイは八方塞がりだと言わんばかりにため息を吐いた。

「…もういっその事グチャグチャにかき乱す事が出来れば楽なんですけどね」

かき乱す?…かき乱すか、そんな考えは無かったな。

この現状を外側からかき乱す事が出来れば公国と教国の戦争をどうにか出来るかもしれない。

そう考えた俺はどうすれば現状をかき乱すことができる方法が無いかを考える事にした。

1番最初に俺が思いついたのは他国の介入についてだ。

公国の教国の戦争に他国…この場合王国としよう、が介入してきた場合、戦争は公国、教国、王国の三つ巴になる。

三つ巴の戦いとなったら最終的に1番始めに戦い始めた2つの国が負け、最後まで戦わなかった国が漁夫の利で勝利するだろう。

だから、3つの国はそれぞれ負けない為に他国と戦うのを躊躇って、戦争は一時的に硬直状態になる。

俺が思いついたのはこの硬直状態を利用して、備蓄を消費させて戦争の被害を抑えると言うものだが…流石に公国と教国の戦争の被害を少なくする為とはいえ、他国を巻き込むのはアウトなのでこの案は没だ。

となると他の案を出さないといけない訳だが…やっぱり被害は出来るだけ抑えられた方がいいよな。

戦争で被害を最小限に抑える方法はやっぱり降伏させるのが1番だろう。

相手の国に絶対に勝つことは出来ないって思わせる必要が有るが、降伏させることが出来れば戦死者は殆ど出なくさせられるからな。

…よし、この方法なら行けるかもしれない

少しの間考えた結果、俺は公国と教国の戦争を止める為の作戦を思いついた。

「ヤヨイ、新しい作戦を思いついたぞ」

俺は早速思いついた作戦をヤヨイに伝える為に声をかける。

「新しい作戦ですか?」

「ああ、ヤヨイのお陰で実行できそうな作戦を思いついたんだ」

俺はヤヨイのお陰で新しい作戦を思いついたことを伝える。

「私のお陰、ですか?」

「ああ、さっきヤヨイがいっその事グチャグチャにかき乱す事が出来れば楽なのにって言ってただろ?それを聞いて思いついたんだ」

「成る程…それで、マスターはどんな作戦を思いついたのですか?」

ヤヨイに聞かれたので俺は作戦の説明を始めることにした。

「俺はヤヨイの言葉を聞いて、どうすれば現状をかき乱す事が出来るかを考えたんだ…俺たちの目的は戦争をさせない事じゃなく、公国と教国の被害を出来るだけ出させないようにするという物だからな」

さっきまで俺たちが戦争を止めようとしていたのはその方が公国と教国の被害が少ないからだ。

だが、現在の状況では公国が戦争をやめるという選択肢を取る事が殆ど無い。

だからこそ、その状況を変える事で公国や教国が取る選択肢を変えてしまおうと言うのが今回俺が考えた物だ。

「現状では公国と教国が戦争をしないという可能性は非常に少ない、ならその現状を変えればいいんじゃないかなって思った訳だ」

「状況を変えることが出来れば公国と教国の戦争をやめさせる事ができるかもしれない…という訳ですね?」

「ああ、その通りだ、それで最初に思いついたのが、教国と公国以外の国がこの戦争に介入したら…という物だな」

俺はヤヨイに始めに思いついたことを話す。

「第三勢力が登場したら…確かにそうなれば強国と公国は互いに三つ目の勢力に注目せざるを得ないでしょう…ですがわたし達には他の国を動かすような力は無いですし、そもそも他国を巻き込んだら被害が増えるのでは無いですか?」

ヤヨイは俺の話を聞いてすぐにメリットとデメリットを理解して俺に言った。

「まぁコレはもしもの話だ、実際に行う作戦じゃ無いから気にしなくても良い」

今回ヤヨイに話したのはあくまでも一例だからな。

そして、俺はヤヨイに今回実行する為には考えた作戦を話す事にした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~

樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。 無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。 そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。 そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。 色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。 ※この作品はカクヨム様でも掲載しています。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

とあるオタが勇者召喚に巻き込まれた件~イレギュラーバグチートスキルで異世界漫遊~

剣伎 竜星
ファンタジー
仕事の修羅場を乗り越えて、徹夜明けもなんのその、年2回ある有○の戦場を駆けた夏。長期休暇を取得し、自宅に引きこもって戦利品を堪能すべく、帰宅の途上で食材を購入して後はただ帰るだけだった。しかし、学生4人組とすれ違ったと思ったら、俺はスマホの電波が届かない中世ヨーロッパと思しき建築物の複雑な幾何学模様の上にいた。学生4人組とともに。やってきた召喚者と思しき王女様達の魔族侵略の話を聞いて、俺は察した。これあかん系異世界勇者召喚だと。しかも、どうやら肝心の勇者は学生4人組みの方で俺は巻き込まれた一般人らしい。【鑑定】や【空間収納】といった鉄板スキルを保有して、とんでもないバグと思えるチートスキルいるが、違うらしい。そして、安定の「元の世界に帰る方法」は不明→絶望的な難易度。勇者系の称号がないとわかると王女達は掌返しをして俺を奴隷扱いするのは必至。1人を除いて学生共も俺を馬鹿にしだしたので俺は迷惑料を(強制的に)もらって早々に国を脱出し、この異世界をチートスキルを駆使して漫遊することにした。※10話前後までスタート地点の王城での話になります。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした

せんせい
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。 その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ! 約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。 ―――

おばあちゃん(28)は自由ですヨ

七瀬美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。 その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。 どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。 「おまけのババアは引っ込んでろ」 そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。 その途端、響く悲鳴。 突然、年寄りになった王子らしき人。 そして気付く。 あれ、あたし……おばあちゃんになってない!? ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!? 魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。 召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。 普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。 自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く) 元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。 外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。 ※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。 ※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要) ※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。 ※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

処理中です...