123 / 280
123
しおりを挟む
「ヤヨイ、目標は達成した、戻るぞ」
レントルード侯爵に魔法を掛け終わった俺は部屋の外で見張りをしているヤヨイに声をかける。
「分かりました、すぐにマスターの元に向かいます」
ヤヨイはそう言うと扉を開けて部屋の中に入ってきた。
「ヤヨイ、俺が部屋の中に居た時に誰か人は来たか?」
俺はヤヨイにそう聞く。
「はい、見回りの兵士が来たので、魔法で追い返しておきました」
成る程、しっかりと対処した訳だな。
「ちゃんとバレないようにしたか?」
今回俺たちは誰にもバレない様にこの屋敷に侵入し、誰にも気づかれない様に脱出しないといけないからな。
貴族の屋敷に侵入した者が居たとなれば多少大きな問題になりかねないからな。
そこの所は普段よりも気を付けないといけない。
「はい、それについては問題有りません」
見回りの兵士は仕事として必ずレントルード侯爵の寝室の前を通る。
屋敷の中の見回りなのだから当然だ。
ヤヨイ自身は気配遮断などで兵士に見つかる事はないが、部屋の前には俺とヤヨイが眠らせた兵士が居るからな。
縛られた状態の兵士を見つければ何か有ったと直ぐにわかってしまう。
普通なら、見回りの兵士に気づかれない様に部屋から遠ざけるなんて出来ないだろう。
どれだけ隠密行動に長けていても、部屋の前で待機していた兵士が気絶していたり、寝ていたりしたら直ぐに分かるからな。
だがヤヨイならそれが出来る。
ユグドラシルオンラインでは魔法スキルの熟練度が高ければ並大抵の現状は魔法で再現する事が出来る。
その代わりに消費する魔法が大きいというのが難点だが、俺やヤヨイのレベルはカンストしてるから余裕で行使する事が出来る。
ヤヨイの事だから見回りの兵士に魔法で兵士がいる様に幻影でも見せたのでは無いだろうか?
見た感じここの兵士にはヤヨイや俺が使う魔法を見破る事が出来る奴は居なさそうだしな。
見回りの兵士は幻影を見て、きちんと警備をしていると思ってそのまま通り過ぎたのだろう。
「じゃあ早速脱出…の前に…」
転移で脱出しようと思ったのだが、俺はとある事を思い出したから先にそれをやる事にしよう。
「マスター?」
俺は部屋の外に出て、扉の前に眠っている兵士達の拘束を外す。
「ああ、そう言う事ですか」
このまま俺たちが脱出して、朝に兵士が拘束された状態で見つかったら忍び込んだ意味が無いからな。
拘束を外して、見張りをしていたが、居眠りをしてしまったという事にさせてもらおう。
他の人に発見される前に兵士達が起きれば、眠っていたという事を隠すだろうし、見つかった場合には誰かに眠らされたと発言をするだろう。
だが、誰かに眠らされたと言っても屋敷に侵入者が来た形跡は無いし、兵士達の言っていることは保身の為の嘘という風に判断される筈だ。
「よし、これで大丈夫だろう…ヤヨイ、行くぞ」
「はい」
俺が声を掛けるとヤヨイは俺の腕を取る。
ヤヨイが俺に触れているのを確認した俺は転移魔法を発動させ、屋敷から脱出。
その後、俺たちは異空間にある屋敷に戻って、眠る事にした。
「マスター…マスター…朝ですよ、起きてください」
遠くから俺を呼ぶ声が聞こえる…
「マスター、朝です!」
そして微睡みの中から俺の意識はぼんやりと現実に戻される。
俺が目を開けると、目の前にはヤヨイが立っていた。
「…ヤヨイか?おはよう」
俺はヤヨイに挨拶をする。
「おはようございます…もう朝ごはんは出来ていますので顔を洗ってから降りてきてくださいね」
「…分かった、直ぐ向かう」
俺の返事を聞いたヤヨイは一度頷いてから部屋を出て行く…
「ふぁぁ~」
俺はあくびをしながら魔法を発動させ、温水を顔に当てる。
そして濡れた顔を風魔法で乾かし、温水を窓から外ひ投げ捨てる。
「…行くか」
顔を洗った事で意識が完全に覚醒した俺はヤヨイの待っているリビングに降りていく。
レントルード侯爵に魔法を掛け終わった俺は部屋の外で見張りをしているヤヨイに声をかける。
「分かりました、すぐにマスターの元に向かいます」
ヤヨイはそう言うと扉を開けて部屋の中に入ってきた。
「ヤヨイ、俺が部屋の中に居た時に誰か人は来たか?」
俺はヤヨイにそう聞く。
「はい、見回りの兵士が来たので、魔法で追い返しておきました」
成る程、しっかりと対処した訳だな。
「ちゃんとバレないようにしたか?」
今回俺たちは誰にもバレない様にこの屋敷に侵入し、誰にも気づかれない様に脱出しないといけないからな。
貴族の屋敷に侵入した者が居たとなれば多少大きな問題になりかねないからな。
そこの所は普段よりも気を付けないといけない。
「はい、それについては問題有りません」
見回りの兵士は仕事として必ずレントルード侯爵の寝室の前を通る。
屋敷の中の見回りなのだから当然だ。
ヤヨイ自身は気配遮断などで兵士に見つかる事はないが、部屋の前には俺とヤヨイが眠らせた兵士が居るからな。
縛られた状態の兵士を見つければ何か有ったと直ぐにわかってしまう。
普通なら、見回りの兵士に気づかれない様に部屋から遠ざけるなんて出来ないだろう。
どれだけ隠密行動に長けていても、部屋の前で待機していた兵士が気絶していたり、寝ていたりしたら直ぐに分かるからな。
だがヤヨイならそれが出来る。
ユグドラシルオンラインでは魔法スキルの熟練度が高ければ並大抵の現状は魔法で再現する事が出来る。
その代わりに消費する魔法が大きいというのが難点だが、俺やヤヨイのレベルはカンストしてるから余裕で行使する事が出来る。
ヤヨイの事だから見回りの兵士に魔法で兵士がいる様に幻影でも見せたのでは無いだろうか?
見た感じここの兵士にはヤヨイや俺が使う魔法を見破る事が出来る奴は居なさそうだしな。
見回りの兵士は幻影を見て、きちんと警備をしていると思ってそのまま通り過ぎたのだろう。
「じゃあ早速脱出…の前に…」
転移で脱出しようと思ったのだが、俺はとある事を思い出したから先にそれをやる事にしよう。
「マスター?」
俺は部屋の外に出て、扉の前に眠っている兵士達の拘束を外す。
「ああ、そう言う事ですか」
このまま俺たちが脱出して、朝に兵士が拘束された状態で見つかったら忍び込んだ意味が無いからな。
拘束を外して、見張りをしていたが、居眠りをしてしまったという事にさせてもらおう。
他の人に発見される前に兵士達が起きれば、眠っていたという事を隠すだろうし、見つかった場合には誰かに眠らされたと発言をするだろう。
だが、誰かに眠らされたと言っても屋敷に侵入者が来た形跡は無いし、兵士達の言っていることは保身の為の嘘という風に判断される筈だ。
「よし、これで大丈夫だろう…ヤヨイ、行くぞ」
「はい」
俺が声を掛けるとヤヨイは俺の腕を取る。
ヤヨイが俺に触れているのを確認した俺は転移魔法を発動させ、屋敷から脱出。
その後、俺たちは異空間にある屋敷に戻って、眠る事にした。
「マスター…マスター…朝ですよ、起きてください」
遠くから俺を呼ぶ声が聞こえる…
「マスター、朝です!」
そして微睡みの中から俺の意識はぼんやりと現実に戻される。
俺が目を開けると、目の前にはヤヨイが立っていた。
「…ヤヨイか?おはよう」
俺はヤヨイに挨拶をする。
「おはようございます…もう朝ごはんは出来ていますので顔を洗ってから降りてきてくださいね」
「…分かった、直ぐ向かう」
俺の返事を聞いたヤヨイは一度頷いてから部屋を出て行く…
「ふぁぁ~」
俺はあくびをしながら魔法を発動させ、温水を顔に当てる。
そして濡れた顔を風魔法で乾かし、温水を窓から外ひ投げ捨てる。
「…行くか」
顔を洗った事で意識が完全に覚醒した俺はヤヨイの待っているリビングに降りていく。
0
お気に入りに追加
375
あなたにおすすめの小説
「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした
御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。
異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。
女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。
――しかし、彼は知らなかった。
転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
アイテムボックスを極めた廃ゲーマー、異世界に転生して無双する。
メルメア
ファンタジー
ゲームのやり過ぎが祟って死亡した楠木美音。
人気プレイヤーだった自身のアバターを運営に譲渡する代わりに、ミオンとしてゲーム内で極めたスキルを持って異世界に転生する。
ゲームでは、アイテムボックスと無効スキルを武器に“無限空間”の異名をとったミオン。
触れた相手は即アイテムボックスに収納。
相手の攻撃も収納して増幅して打ち返す。
自分独自の戦い方で、異世界を無双しながら生き始める。
病気の村人を救うため悪竜と戦ったり、王都で海鮮料理店を開いたり、海の怪物を討伐したり、国のダンジョン攻略部隊に選ばれたり……
最強のアイテムボックスを持ち、毒も炎もあらゆる攻撃を無効化するミオンの名は、異世界にどんどん広まっていく。
※小説家になろう・カクヨムでも掲載しています!
※9/14~9/17HOTランキング1位ありがとうございました!!
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
転異世界のアウトサイダー 神達が仲間なので、最強です
びーぜろ@転移世界のアウトサイダー発売中
ファンタジー
告知となりますが、2022年8月下旬に『転異世界のアウトサイダー』の3巻が発売となります。
それに伴い、第三巻収録部分を改稿しました。
高校生の佐藤悠斗は、ある日、カツアゲしてきた不良二人とともに異世界に転移してしまう。彼らを召喚したマデイラ王国の王や宰相によると、転移者は高いステータスや強力なユニークスキルを持っているとのことだったが……悠斗のステータスはほとんど一般人以下で、スキルも影を動かすだけだと判明する。後日、迷宮に不良達と潜った際、無能だからという理由で囮として捨てられてしまった悠斗。しかし、密かに自身の能力を進化させていた彼は、そのスキル『影魔法』を駆使して、ピンチを乗り切る。さらには、道中で偶然『召喚』スキルをゲットすると、なんと大天使や神様を仲間にしていくのだった――規格外の仲間と能力で、どんな迷宮も手軽に攻略!? お騒がせ影使いの異世界放浪記、開幕!
いつも応援やご感想ありがとうございます!!
誤字脱字指摘やコメントを頂き本当に感謝しております。
更新につきましては、更新頻度は落とさず今まで通り朝7時更新のままでいこうと思っています。
書籍化に伴い、タイトルを微変更。ペンネームも変更しております。
ここまで辿り着けたのも、みなさんの応援のおかげと思っております。
イラストについても本作には勿体ない程の素敵なイラストもご用意頂きました。
引き続き本作をよろしくお願い致します。
土下座で女神に頼まれて仕方なく転生してみた。
モンド
ファンタジー
ドジな女神が失敗を繰り返し、管理している世界がえらい事になって困っていた。
ここに来て女神は「ここまできたら最後の手段を使うしかないわ。」と言いながら、あるカードを切った。
そう、困ったら「日本人の異世界転生」と言うのが先輩女神から聞いていた、最後の手段なのだ。
しかし、どんな日本人を転生させれば良いかわからない女神は、クラスごと転生を先ず考えたが。
上司である神に許可をもらえなかった。
異世界転生は、上司である神の許可がなければ使えない手段なのだ。
そこで慌てた女神は、過去の転生記録を調べて自分の世界の環境が似ている世界の事案を探した。
「有ったこれだわ!・・何々・「引きこもりかオタクが狙い目」と言うことは・・30歳代か・・それから、・・「純粋な男か免疫のない男」・・どういうのかわからなくなったわ。」
と呟きながら最後は、
「フィーリングよね、やっぱり。」
と言い切ってカードを切ってしまった、上司の許可を得ずに。
強いのか弱いのかよく分からないその男は、女神も知らない過去があった。
そんな女神に呼ばれた男が、異世界で起こす珍道中。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる