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「さて、ここを登れば無事ダンジョンから帰れるな」
あの後、きた道を引き返して無事にダンジョン一階層の外に通じる階段の前に着いた俺はそのまま階段を登り、ダンジョンから脱出しようとする。
「…まてよ、このままダンジョンから出てもし誰かに俺の姿を目撃されたら…」
そうなれば修羅に俺の存在がバレないようにと頼んだ意味が無くなってしまう。
光魔法で光学迷彩を使って人に見られないようにするか…いや、修羅の事だから一応ダンジョンからモンスターが溢れてこないか見張り役を冒険者に頼んでいる筈。
だとすれば光学迷彩でバレずにダンジョンから出たらいつダンジョンから出たのかという話にならないだろうか?
となれば光学迷彩は一旦ボツだな。
となれば後は俺だと分からない程に全身重装備で固めるしか無いか…
俺はストレージの中に何かいい感じの装備が無いかを調べる事にする。
装備の条件は全身が隠れる様な装備で、尚且つ一目見れば上物だと分かるような装備。
ダンジョンのスタンスピードを一人で収めるほどの奴が一級品の装備をしていないと可笑しいと思われる可能性があるからな。
「これなら大丈夫だろう」
探していた条件に合う装備は直ぐに見つかった。
その装備はこの国に来た時にも使った黒騎士装備セットだ。
この装備は性能自体もゲーム内トップだったし、一目で強者感が出るオーラも装備から発せられるので装備自体も一級品だと分かるだろう。
なにより、黒騎士セットを装備した状態ならクリスを王都に連れてきたという功績があるからダンジョンのスタンスピードを一人で解決したとしても説得がしやすい。
考えれば考えるほどこの装備以外に相応しい装備はないんじゃ無いかと思う。
と言うわけで俺は黒騎士装備を装備してからダンジョンを脱出する事にする。
「あ、あ~…よし、こんな感じで良いか」
最後に声質を地声より少し低めにして、俺はダンジョンから脱出した。
「なぁ、あんた」
そして王都の方に向かおうとするとした所で声が掛かった。
多分修羅が配置したダンジョンからモンスターが出てきた時に対処する冒険者だろう。
「何だ?」
「あんたがマスターの言っていたマスターの古い知り合いって奴だね」
女性の冒険者は俺にそう尋ねる。
それにしても古い知り合いか…上手い言い訳を思いついたな。
古い知り合いと言う事で肉体が20歳ぐらいまで若返っている俺の存在は露見し無い。
「そうだ」
俺は短くそう答える。
「そうかい、それで、ダンジョンから出てきたってことはスタンスピードは解決できたって考えて良いのかい?」
俺が頷くと周りに集まってる冒険者達が安心した様に息をつく。
「あんたら!モタモタしてないで早く王都に行ってスタンスピードが収まったって報告してきな!」
女冒険者は近くにいた冒険者にそう言い、言われた冒険者は一瞬止まったが直ぐに行動を開始した。
「あんたらも気を抜くんじゃ無いよ!スタンスピードが収まったとは言え、大量発生したモンスターが出てこないって事は無いんだからな!」
女冒険者は周りにいる冒険者たちに聞こえる様に大声で指示を出した。
周りの冒険者達は文句も言わずに従っているからどうやらここにいる冒険者達はこの女冒険者を慕っているらしい。
「すまないね、あんたの仕事を疑っている訳じゃ無いんだけどね、これも仕事だから」
女冒険者は俺に謝ってきた。
どうやら俺が無言だったせいで冒険者達に最期の警戒をさせた事を怒っていると思ったのだろう。
「気にする事はない、完全に危険性が無いと判断されるまで警戒を怠らないのは基本だからな」
「そう言ってくれると助かるよ…それで、これからあたしらはダンジョンの警戒をする。
あんたはもうソコにあるテントで寝て、英気を養ってくれ」
女冒険者はそう言ってテントの一つを指差した。
俺はああ、と返事をして指定されたテントに入る。
あの後、きた道を引き返して無事にダンジョン一階層の外に通じる階段の前に着いた俺はそのまま階段を登り、ダンジョンから脱出しようとする。
「…まてよ、このままダンジョンから出てもし誰かに俺の姿を目撃されたら…」
そうなれば修羅に俺の存在がバレないようにと頼んだ意味が無くなってしまう。
光魔法で光学迷彩を使って人に見られないようにするか…いや、修羅の事だから一応ダンジョンからモンスターが溢れてこないか見張り役を冒険者に頼んでいる筈。
だとすれば光学迷彩でバレずにダンジョンから出たらいつダンジョンから出たのかという話にならないだろうか?
となれば光学迷彩は一旦ボツだな。
となれば後は俺だと分からない程に全身重装備で固めるしか無いか…
俺はストレージの中に何かいい感じの装備が無いかを調べる事にする。
装備の条件は全身が隠れる様な装備で、尚且つ一目見れば上物だと分かるような装備。
ダンジョンのスタンスピードを一人で収めるほどの奴が一級品の装備をしていないと可笑しいと思われる可能性があるからな。
「これなら大丈夫だろう」
探していた条件に合う装備は直ぐに見つかった。
その装備はこの国に来た時にも使った黒騎士装備セットだ。
この装備は性能自体もゲーム内トップだったし、一目で強者感が出るオーラも装備から発せられるので装備自体も一級品だと分かるだろう。
なにより、黒騎士セットを装備した状態ならクリスを王都に連れてきたという功績があるからダンジョンのスタンスピードを一人で解決したとしても説得がしやすい。
考えれば考えるほどこの装備以外に相応しい装備はないんじゃ無いかと思う。
と言うわけで俺は黒騎士装備を装備してからダンジョンを脱出する事にする。
「あ、あ~…よし、こんな感じで良いか」
最後に声質を地声より少し低めにして、俺はダンジョンから脱出した。
「なぁ、あんた」
そして王都の方に向かおうとするとした所で声が掛かった。
多分修羅が配置したダンジョンからモンスターが出てきた時に対処する冒険者だろう。
「何だ?」
「あんたがマスターの言っていたマスターの古い知り合いって奴だね」
女性の冒険者は俺にそう尋ねる。
それにしても古い知り合いか…上手い言い訳を思いついたな。
古い知り合いと言う事で肉体が20歳ぐらいまで若返っている俺の存在は露見し無い。
「そうだ」
俺は短くそう答える。
「そうかい、それで、ダンジョンから出てきたってことはスタンスピードは解決できたって考えて良いのかい?」
俺が頷くと周りに集まってる冒険者達が安心した様に息をつく。
「あんたら!モタモタしてないで早く王都に行ってスタンスピードが収まったって報告してきな!」
女冒険者は近くにいた冒険者にそう言い、言われた冒険者は一瞬止まったが直ぐに行動を開始した。
「あんたらも気を抜くんじゃ無いよ!スタンスピードが収まったとは言え、大量発生したモンスターが出てこないって事は無いんだからな!」
女冒険者は周りにいる冒険者たちに聞こえる様に大声で指示を出した。
周りの冒険者達は文句も言わずに従っているからどうやらここにいる冒険者達はこの女冒険者を慕っているらしい。
「すまないね、あんたの仕事を疑っている訳じゃ無いんだけどね、これも仕事だから」
女冒険者は俺に謝ってきた。
どうやら俺が無言だったせいで冒険者達に最期の警戒をさせた事を怒っていると思ったのだろう。
「気にする事はない、完全に危険性が無いと判断されるまで警戒を怠らないのは基本だからな」
「そう言ってくれると助かるよ…それで、これからあたしらはダンジョンの警戒をする。
あんたはもうソコにあるテントで寝て、英気を養ってくれ」
女冒険者はそう言ってテントの一つを指差した。
俺はああ、と返事をして指定されたテントに入る。
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