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十二ノ天人

第十一話 騎士の誇り

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「桜一刀流・堕天」

少女とタルリの剣が交わる。

お互いが背を向け合い、少女の頬に一筋の傷が付き、タルリの体に1本の傷を受けた。

「……天晴れだ。タルリ」

少女の肩から腹にかけてタルリから一撃をもらった。

「ゲホッ…」

「……ゲホッ…強いな…タルリ リーヴァ。君は強い。一撃じゃ仕留めきれん」

「アリシア流剣術・1式・雷鳴」

「桜一心流・風華」

タルリの攻撃は雷のように不規則で素早く、少女は避けきれなかった。

「…」

(あたしの風華が当たらない……そもそも構えが示現流…どこから習った?この時代に示現流なんて継承されてないはず……)

「桜抜刀流」

少女は刀を鞘に収め後ろに下がった。

「月光刃」

少女は淡く光る斬撃を放ち、それを囮にタルリの背後を取り首を狙った。

(討った)

「二式・甲化」

タルリは剣を逆手に持ち少女の腕を狙った。

(カウンター!?)

「面白い。」

少女は左腕で剣を右手を庇い、左腕を犠牲にした。

「左くらいくれてやる!」

少女は突きの構えを取った。

「桜一心流!雷神ノいかずち!」

少女は一瞬で距離を詰め、タルリが少女を目視した時には刀が胸に刺さり瞬きする頃には体の半分が消えていた。

「…あたしは後ろだよ。人間は死ぬ直前まで耳は聞こえる。目は見えずとも音だけは感じる。だから」

「ウォリャ!」

タルリは後ろに向かって勢いよく剣を振りかざした。だがタルリの剣は少女の持つ「永月刀・夜叉丸」によってバラバラにされた。

「あたしの勝ちだ。その傷ではあたしの力では治せんし、いずれ君は死ぬ。強いよ。だから、一度はあの子達を見逃す。敬意を込めてね。だから、あの子達の幸せを願っていればいい。」

少女はタルリの首に刀を向けた。

「もうひとつの敬意だ。痛くは無い。」

「お前が…逃がす保証はあるか…?」

「この「刀」に誓う。」

「そうか。」

「力を抜け。」

タルリは息を吐いた。

「さよなら」

少女の刀がタルリの首に当たり、血が水溜まりのように溜まった。

「元、騎士。あたしを殺せたかもしれない「最強」。君は

(タルリリーヴァ。異能力は効果を抹消し攻撃を無かったことにする。)

「躊躇していた。きみは、あたしに同情していた。ほんと、かっこいいよ。タルリリーヴァ。その名を忘れることはない。」

少女はタルリの胴体のそばに1本の剣を刺した。

「…違う出会いをしていれば良き友になれたのかもな」

少女は通信の魔法でに伝えた。

「始末した。開始しろ。」

数秒後、村の方から怪物の咆哮が響いき、無数の羽の生えた怪物が見えた。

「…あいつ……殺す気か?まずい。それだけは」
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