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第4章 新しい家族と
4話
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「んーと、予定してたのは全部買えたかな」
少し早いお昼ご飯を終えた後も、買い物を続けた。
子供用の食器(持ち方の矯正が出来るタイプが人気だった)に、オモチャ(自由帳とクレヨン、知育玩具(2、3歳用)、読み聞かせ用の絵本(数冊でセットのシリーズを1セット)、ぬいぐるみ)、それと自分用の子育て教本。
おもちゃ売り場のレジ付近には、フリーのおもちゃカタログが置かれていたので、今後の参考のために一部頂いてきた。
それからおしぼり用のタオルを数枚、子供用のシャンプーやボディーソープ、歯ブラシ等の日用品も買い足す。
子供用の常備薬や、ケガした時のための救急箱も必要かと思って薬局にも寄った。
「うん、大丈夫そうだね。後はご飯の材料見てこうか」
ニコ用の買い物は全て終えた。
最後に少なくなった食材の調達だ。
野菜や果物は充分ある。卵と牛乳も毎日採れて、既に溜まり始めている。
調味料は使う量が少ないので、まだ1度目に買った物で足りている。ストック分もまだ降ろしていない。
そのため、今回購入予定なのは、まだ保存箱に表れない肉類と、自分で調達できない魚介類だ。
それぞれ少しずつ見繕って購入していく。
「よし、これぐらいかな。それじゃあ帰ろうか」
買い物を終えてエントランスホールへ戻ると、やはり人で溢れていた。
暫くは平気そうにしていたニコだが、まだ恐怖心があるのか足にしがみ着いて動かなくなってしまった。
屈んで目線を合わせながら頭を撫でる。
「少しずつ慣れていこうね。おいで」
腕を広げればその中に飛び込んでギュッと抱きついてきた小さな身体を抱きしめて、ショッピングモールを後にした。
「みんな、ただいまー」
「おかえりー」
「ニコ、おかえりー」
妖精総出のお出迎えにビックリしたニコだが、人とは違う存在の妖精に対して恐怖は抱かなかった。
馬車から降ろしてあげれば、その周りを飛び回る妖精達を真似るようにピョンピョン飛び跳ねている。馬車でお昼寝してきたから元気だ。
家の中へはいると、こちらもちょうど起きたところなのか、ユキも待っていた。
「時間もちょうどいいから、オヤツにしようか。ニコは…」
何を作ろうかその間ニコはどうしようかと考えながらニコを見てみれば、首から下げた袋を開けようとしている。
帰ってから開けようと約束したんだった。
「あ、そっか。先に開けようか」
ニコの首から袋の紐を外す。
袋から出せば、指定して通りの可愛らしいコンパクトケースが入っていた。
ピンク色のケースに、蓋には等間隔に色のついた硝子の様なものが嵌められていた。
中に何か入っているのか、カラカラと音がする。
「ん?何か入ってる…」
ボタンを見つけて開ければ、蓋がわには小さな鏡が付いていて、中には小さな櫛が入っている。
櫛を取り出せば、更にその下には小さなボンボンが付いたヘアゴムが2つと、花の付いたヘアピンが入っていた。
「へぇー可愛い!見て、これにもお花付いてるよ」
ヘアピンを取り出してニコに見せると、嬉しそうに顔を綻ばせた。
よく見ると櫛にも花の絵が書いてある。
「これ選んで良かったね」
コクコクと嬉しそうだ。
そう言えば夢の中でも、花冠を作ってもらって喜んでいた。
やはり花が好きなのだと、確信した。
「じゃ、オヤツ作ってくるから、皆と待っててね」
改めて何を作ろうか悩む。
今日は買い物優先で下準備はしていかなかった。
「んー、簡単に作れるもの…ドーナツにでもしようかな」
整形のために冷蔵庫で休ませるか、ドーナツメーカーがあればすぐに出来るが、時間はかけたくないし、道具もない。
あの丸い穴の空いたドーナツではなくても、一口ドーナツなら簡単だ。
材料を混ぜて、パンケーキに似た生地になったら、スプーンで掬って油の中に落としていく。
時々ひっくり返しながら全体が綺麗に色づいたら、キッチンペーパーの上に取り出して余分な油を吸わせる。
最後に軽く砂糖をまぶせば完成だ。
ニコが食べやすい大きさを意識したので少し小さな丸いドーナツがたくさん出来上がった。
食べやすいように人数分のピックを挿して、自分にカフェオレ、ニコに牛乳を入れて、テーブルへ運んだ。
「皆ーオヤツの時間だよ」
「「「はーい」」」
買ってきたばかりのニコの椅子を床に置いて、ニコを座らせる。
テーブルに集まった妖精達を確認して、自分も椅子に腰掛ける。
「いただきます」
「「いただきまーす」」
「!!」
ココロの真似をして、妖精達、そしてニコも手を合わせてから、揃ってドーナツに手を伸ばす。
けれど、妖精達の勢いに驚いたニコはピャッと手を引っ込めた。
「………」
遠慮しているのか、その後も手を出そうとしないので、小皿を持ってきて数個取り分ける。
それをニコの前に置いてあげれば、嬉しそうに食べ始める。
ドーナツを1つ食べたら、パァッと笑顔を浮かべた。
「美味しい?詰まらせないようにしっかり噛んでゆっくり食べてね。ほら、牛乳も飲みながら」
ドーナツに夢中になっている所に、時々牛乳を飲むように促しながら、自分もドーナツを摘む。
「ごちそうさまー」
「ドーナツー!おいしかったー」
妖精達が先に食べ終わる。
ニコのサイズで作ったドーナツは、それでも妖精達には大きい。
それぞれ、2~3個食べれたようだ。
「あ、ココロー。ユキおきたよー」
「んー?」
帰ってきた時、お出迎えをしてくれたユキは、それまで遊び回っていたらしくすぐにお昼寝モードに突入していた。
猫ベッドを見てみれば、起き上がって背中をグゥーと伸ばしているところだった。
「ンミー」
タタタッとこちらに駆け寄ってくれば、ココロの足にピョンと飛び乗ってくる。
その足の上で後ろ足だけで立ったかと思うと、言いたいことでもあるのか、ミーミーと鳴き始めた。
「んー?お腹でも空いたのかな。でも、あと少ししたらご飯の時間になるからなー。ミルクでも飲む?」
「ミー!」
嬉しそうに鳴くユキを抱えて、彼女の食事場所へ連れていく。
水用のお皿にはまだ水が残っていたので、1度それを綺麗にしてから、ヤギ乳を少し入れて元の位置に戻せば、すぐに飲み始めた。
それを確認して立ち上がれば、今度はオヤツを食べ終えたニコがこちらを見ていた。
「終わった?じゃあ片付けちゃうね」
まだ少しだけドーナツが残っていたので、それらを食べきる。
空になったお皿とコップを洗ってから、夕食までに買ってきた物を片付けようと、タブレットを取り出した。
少し早いお昼ご飯を終えた後も、買い物を続けた。
子供用の食器(持ち方の矯正が出来るタイプが人気だった)に、オモチャ(自由帳とクレヨン、知育玩具(2、3歳用)、読み聞かせ用の絵本(数冊でセットのシリーズを1セット)、ぬいぐるみ)、それと自分用の子育て教本。
おもちゃ売り場のレジ付近には、フリーのおもちゃカタログが置かれていたので、今後の参考のために一部頂いてきた。
それからおしぼり用のタオルを数枚、子供用のシャンプーやボディーソープ、歯ブラシ等の日用品も買い足す。
子供用の常備薬や、ケガした時のための救急箱も必要かと思って薬局にも寄った。
「うん、大丈夫そうだね。後はご飯の材料見てこうか」
ニコ用の買い物は全て終えた。
最後に少なくなった食材の調達だ。
野菜や果物は充分ある。卵と牛乳も毎日採れて、既に溜まり始めている。
調味料は使う量が少ないので、まだ1度目に買った物で足りている。ストック分もまだ降ろしていない。
そのため、今回購入予定なのは、まだ保存箱に表れない肉類と、自分で調達できない魚介類だ。
それぞれ少しずつ見繕って購入していく。
「よし、これぐらいかな。それじゃあ帰ろうか」
買い物を終えてエントランスホールへ戻ると、やはり人で溢れていた。
暫くは平気そうにしていたニコだが、まだ恐怖心があるのか足にしがみ着いて動かなくなってしまった。
屈んで目線を合わせながら頭を撫でる。
「少しずつ慣れていこうね。おいで」
腕を広げればその中に飛び込んでギュッと抱きついてきた小さな身体を抱きしめて、ショッピングモールを後にした。
「みんな、ただいまー」
「おかえりー」
「ニコ、おかえりー」
妖精総出のお出迎えにビックリしたニコだが、人とは違う存在の妖精に対して恐怖は抱かなかった。
馬車から降ろしてあげれば、その周りを飛び回る妖精達を真似るようにピョンピョン飛び跳ねている。馬車でお昼寝してきたから元気だ。
家の中へはいると、こちらもちょうど起きたところなのか、ユキも待っていた。
「時間もちょうどいいから、オヤツにしようか。ニコは…」
何を作ろうかその間ニコはどうしようかと考えながらニコを見てみれば、首から下げた袋を開けようとしている。
帰ってから開けようと約束したんだった。
「あ、そっか。先に開けようか」
ニコの首から袋の紐を外す。
袋から出せば、指定して通りの可愛らしいコンパクトケースが入っていた。
ピンク色のケースに、蓋には等間隔に色のついた硝子の様なものが嵌められていた。
中に何か入っているのか、カラカラと音がする。
「ん?何か入ってる…」
ボタンを見つけて開ければ、蓋がわには小さな鏡が付いていて、中には小さな櫛が入っている。
櫛を取り出せば、更にその下には小さなボンボンが付いたヘアゴムが2つと、花の付いたヘアピンが入っていた。
「へぇー可愛い!見て、これにもお花付いてるよ」
ヘアピンを取り出してニコに見せると、嬉しそうに顔を綻ばせた。
よく見ると櫛にも花の絵が書いてある。
「これ選んで良かったね」
コクコクと嬉しそうだ。
そう言えば夢の中でも、花冠を作ってもらって喜んでいた。
やはり花が好きなのだと、確信した。
「じゃ、オヤツ作ってくるから、皆と待っててね」
改めて何を作ろうか悩む。
今日は買い物優先で下準備はしていかなかった。
「んー、簡単に作れるもの…ドーナツにでもしようかな」
整形のために冷蔵庫で休ませるか、ドーナツメーカーがあればすぐに出来るが、時間はかけたくないし、道具もない。
あの丸い穴の空いたドーナツではなくても、一口ドーナツなら簡単だ。
材料を混ぜて、パンケーキに似た生地になったら、スプーンで掬って油の中に落としていく。
時々ひっくり返しながら全体が綺麗に色づいたら、キッチンペーパーの上に取り出して余分な油を吸わせる。
最後に軽く砂糖をまぶせば完成だ。
ニコが食べやすい大きさを意識したので少し小さな丸いドーナツがたくさん出来上がった。
食べやすいように人数分のピックを挿して、自分にカフェオレ、ニコに牛乳を入れて、テーブルへ運んだ。
「皆ーオヤツの時間だよ」
「「「はーい」」」
買ってきたばかりのニコの椅子を床に置いて、ニコを座らせる。
テーブルに集まった妖精達を確認して、自分も椅子に腰掛ける。
「いただきます」
「「いただきまーす」」
「!!」
ココロの真似をして、妖精達、そしてニコも手を合わせてから、揃ってドーナツに手を伸ばす。
けれど、妖精達の勢いに驚いたニコはピャッと手を引っ込めた。
「………」
遠慮しているのか、その後も手を出そうとしないので、小皿を持ってきて数個取り分ける。
それをニコの前に置いてあげれば、嬉しそうに食べ始める。
ドーナツを1つ食べたら、パァッと笑顔を浮かべた。
「美味しい?詰まらせないようにしっかり噛んでゆっくり食べてね。ほら、牛乳も飲みながら」
ドーナツに夢中になっている所に、時々牛乳を飲むように促しながら、自分もドーナツを摘む。
「ごちそうさまー」
「ドーナツー!おいしかったー」
妖精達が先に食べ終わる。
ニコのサイズで作ったドーナツは、それでも妖精達には大きい。
それぞれ、2~3個食べれたようだ。
「あ、ココロー。ユキおきたよー」
「んー?」
帰ってきた時、お出迎えをしてくれたユキは、それまで遊び回っていたらしくすぐにお昼寝モードに突入していた。
猫ベッドを見てみれば、起き上がって背中をグゥーと伸ばしているところだった。
「ンミー」
タタタッとこちらに駆け寄ってくれば、ココロの足にピョンと飛び乗ってくる。
その足の上で後ろ足だけで立ったかと思うと、言いたいことでもあるのか、ミーミーと鳴き始めた。
「んー?お腹でも空いたのかな。でも、あと少ししたらご飯の時間になるからなー。ミルクでも飲む?」
「ミー!」
嬉しそうに鳴くユキを抱えて、彼女の食事場所へ連れていく。
水用のお皿にはまだ水が残っていたので、1度それを綺麗にしてから、ヤギ乳を少し入れて元の位置に戻せば、すぐに飲み始めた。
それを確認して立ち上がれば、今度はオヤツを食べ終えたニコがこちらを見ていた。
「終わった?じゃあ片付けちゃうね」
まだ少しだけドーナツが残っていたので、それらを食べきる。
空になったお皿とコップを洗ってから、夕食までに買ってきた物を片付けようと、タブレットを取り出した。
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