両片思いのI LOVE YOU

大波小波

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「一生懸命の瑠衣は、とっても綺麗だったよ。ホントに」
 寿士の目が、声が、優しく静かに響いてくる。
 何だか、不思議。
 そう、瑠衣は思った。
 遠い昔のようだけど、ほんの昨日のようにも感じられる。
「愛してるよ、瑠衣」
 愛してる、と繰り返し囁きながら髪を撫でる寿士の手が、とても温かで心地よくて。
「寿士さん、僕も寿士さんのこと、愛してる……」
 半ば瞼を閉じながら、瑠衣はそう呟いた。
「クリスマスプレゼントは、明日あげるから」
 今夜はゆっくり眠って、と寿士が言う頃には、瑠衣はすっかり寝入ってしまっていた。
「おやすみ、瑠衣」
 寿士もまた、瞼を閉じた。

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