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しおりを挟む寿と瑠衣、そして静子と武士がホテル・コスタに到着した時、すでに瑠衣の両親が席に着いていた。
そして4人の姿を見つけた時、立ち上がって深く頭を下げた。
「このたびは、息子がご迷惑をおかけしまして。すぐに、連れて帰りますので!」
父は瑠衣の腕を掴むと、そのまま引きずるように歩き始めた。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
寿士が慌ててそれを止め、静子が席に着くよう促した。
「本来なら父親が同席するところですが、あいにく手が離せませんで」
祖父の私でご勘弁ください、と武士が言うと、ようやく瑠衣の両親は椅子に掛けた。
「まさか楠グループの息子さんを、かどわかしているとは。この通り、お詫び申し上げます」
そして、テーブルに額がつくかと思われるほど、頭を下げた。
「待ってください、かどわかす、なんて。瑠衣さんは、御両親が思っておられるような人ではありません」
僕が、瑠衣さんを見初めたんです、と寿士は語り始めた。
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