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しおりを挟む温かな車内で、寿士は相沢に話しかけた。
「名前、何ていうの?」
「相沢 瑠衣(あいざわ るい)です」
「ふーん」
瑠衣は、この不思議な客に興味を持った。
申し分のないイケメンで、お金持ち。
だが、なぜか表情が読めない。
(僕のこと、可哀想って思ってくれたのかな)
しかしそう考えた時、前を向いたまま寿士は瑠衣の白い腿に手を置いた。
「お、お客様?」
「静かに。運転手さんに聞こえるよ」
瑠衣が黙ってしまったのをいいことに、寿士の手は大胆に動き始めた。
すべすべの肌を撫でまわし、膝を指腹で擦る。
その手は、ついに太腿の間を割って奥へと忍び込んできた。
「!?」
(ヤだ。何、この人……)
寿士の手は、下着越しに瑠衣の股間をゆっくりと上下し始めた。
なだめるような手つきだが、その刺激に体の中心はどんどん充血してゆく。
(ヤだ、ヤだ。やめて、お願い!)
サンタ服の裾を握りしめ、瑠衣は必死で耐えた。
痴漢行為をされているのに、体が火照ってくる。
第三者に知られるかもしれない、との恐れは、興奮を呼ぶ。
「……ッく」
(ダメ! 声が。声が出ちゃう!)
そこで、車が停まった。
「はい、着きましたよ」
「運転手さん、チップあげるからケーキ運ぶの手伝ってよ」
は、と我に返ると、寿士の手は瑠衣から離れていた。
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