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しおりを挟む「やっぱり長風呂だなぁ、杏は」
「真さん、ワインそんなに飲んじゃったんですか!?」
マンションだと杏が止めるので、最近あまり深酒をしていなかった真だ。
つかの間だが、久々のお一人様の時間に、ボトル一本開ける勢いで飲んでいた。
「そんなに飲んで。酔っぱらってませんよね?」
「大丈夫。ワインくらいで潰れる私じゃないよ」
それより、と真は笑顔だ。
「ぶかぶかだなぁ、バスローブ」
「でも、温かいです」
「杏もバスから上がったことだし、湯冷めする前に寝るか」
「はい」
寝室へ移動し、パジャマを着て、二人は大きなベッドに潜り込んだ。
真のコロンは、ホテルの上質なソープの香りに代わっている。
その香りをゆっくり吸って、杏は瞼を閉じた。
そんな仕草に、真は軽くうなずき諦めた。
(やはり、まだ無理か)
だが、今までで一番リラックスしている風の杏だ。
そんな安息を彼に与えることができた喜びを噛みしめ、真もまた瞼を閉じた。
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