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「どうすればいいんだ……」
 教室の席で頭を抱え込む弦の耳に、かん高い女子の騒ぐ声が入ってきた。
「おめでとう! はい、プレゼント」
「ありがとう!」
「私からも、プレゼント~」
「嬉しい! ありがとう!」
 目を向けると、坂井が数名の女子から、リボンのかかった包みをいくつも受け取っている。

 女子は、誕生日が好きだ。
 誰かの誕生日には、こうやって必ずプレゼントを用意してくる。
 うらやましい、とさえ感じた。
 よくもまあ、そんなに簡単に誕生日を祝うことができるものだ。
(しかし、これは参考になるかもしれない)

 弦は、隣の席に戻ってきた坂井を、ちらと眺めてみた。
 その手にある物は、モフモフしたぬいぐるみやら、キラキラしたアクセサリーやら、いかにも女子が好きそうな代物だ。
(残念だが、俺はああいったものを千尋には贈りたくない)
 参考にならん、とため息をついたその時、坂井が声を掛けてきた。

「ねね、海江田クンは、河島クンの誕生日どうするの? 10月でしょ?」
「なぜ、それを!?」
 もぅ、と坂井は、ぬいぐるみを撫でた。
「前に話したじゃない。私と同じで、10月が誕生月だってこと」
「そうだったか?」

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