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時計を見ると、すでに19時を回っている。
「千尋、疲れただろう。先に、シャワーを使え」
「いえ、弦先輩が先に」
いいから、と弦は千尋をバスルームへ押し込んだ。
「足が腫れてくるようなら、教えるんだぞ」
浴室の千尋へ声を掛けながら、自分も応援団の長ランを脱いだ。
皺を伸ばし、整えているところで、玄関のベルが鳴った。
いや、ベルと同時に、甲高い女子の声が響いた。
「こんばんは! 海江田クン、河島クン、今日は楽しかったね!」
「坂井!」
彼女が、なぜここに!?
「疲れてるから、夕食作るの大変だろうと思って。差し入れ、持ってきたよ」
坂井が手にしているのは、コンビニ弁当だ。
千尋がこれで楽ができるかと思うと、ありがたい。
弦は、素直に礼を言った。
だが、坂井の目的は、それだけではなかった。
「千尋、疲れただろう。先に、シャワーを使え」
「いえ、弦先輩が先に」
いいから、と弦は千尋をバスルームへ押し込んだ。
「足が腫れてくるようなら、教えるんだぞ」
浴室の千尋へ声を掛けながら、自分も応援団の長ランを脱いだ。
皺を伸ばし、整えているところで、玄関のベルが鳴った。
いや、ベルと同時に、甲高い女子の声が響いた。
「こんばんは! 海江田クン、河島クン、今日は楽しかったね!」
「坂井!」
彼女が、なぜここに!?
「疲れてるから、夕食作るの大変だろうと思って。差し入れ、持ってきたよ」
坂井が手にしているのは、コンビニ弁当だ。
千尋がこれで楽ができるかと思うと、ありがたい。
弦は、素直に礼を言った。
だが、坂井の目的は、それだけではなかった。
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