弦先輩と千尋の日常は晴れ時々くもり所によりドキドキするでしょう！ ～硬派先輩×可愛い後輩 幼馴染だった二人は恋に落ちていく……のか？～

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（千尋！　俺は、お前だけを見て応援するぞ！）
　朗々とした声で白組勝利、などと謳いながら、心の中では逞しく成長した千尋を想っていた。
　体が弱くて泣き虫だった、千尋。
　いじめられて、いつも俺の背中にかくれていた、千尋。
　それが、見事に成長した。
　俺を慕って、同じ高校へ入学してきてくれた、大切な後輩。
（千尋。俺はいつでも、いつまでも、お前を応援しているからな！）
　弦の熱い想いは審査員にも届いたのか、10点満点中の10点を見事獲得した。

「先輩、お疲れ様でした！」
「千尋」
　まだ長ラン姿の弦の元に、千尋が駆け寄ってきた。
　なぜか、望遠レンズなどの器材バッグを下げた男と、一緒だ。
　そして、満面の笑みでこう言った。

「カメラマンさん！　二人で一緒に撮ってください！」
「何ィ！？」
「任せて！　団長さん、もっと笑って！」
　ぴったり寄り添ってくる、千尋。
　弦は、赤くなった顔が写るのでは、と恐れていたが、カメラマンは情け容赦ない。
「激写！　連写！　いいね、その笑顔！　それじゃあ一枚脱いでみようか！」
「調子に乗るな！」
　次の種目があるのだ、と弦はカメラマンから離れ、着替えに向かった。