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しおりを挟むこれは一体……。
翌日、弦に渡された服を着た千尋は、ぶかぶかの袖口を握り締めて、詰め寄った。
「弦先輩! まさか、お手伝いって!?」
「そうだ、千尋。今日一日、みっちり俺の練習相手になってもらうぞ!」
「うあぁ……」
千尋は、誰から借りてきたやら知らぬ、汗臭い柔道着の裾を引っ張った。
柔道柔道、毎日柔道。
そして、休みの日まで柔道!
こんなことなら、遊園地かプールに行きたいと、ハッキリ言えばよかった!
しかし、弦は柔軟などしながら、すっかりやる気満々だ。
しかたないな、とあきらめた千尋は、ちょこんと正座して頭を下げた。
「よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしく頼む」
思わぬ展開の夏の一日が、始まった。
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