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『お帰りなさいませ、ご主人様。お食事になさいますか。それとも、エッチになさいますか?』

「あぁ、飯の前に……」
(先輩、まさか!)
「風呂に入る」
 ほ~っ、と千尋は大きく息をついた。
 そうだ。
 今まで柔道で、汗を流していたのだ。
 ひと風呂浴びて、先にさっぱりすることが、弦の日課だ。

 バスルームへ消えた弦を見送った後、千尋は室内を急いで片付け、夕食の準備を始めた。
「今日は遅くなっちゃったから、冷やし中華にしよう」
 家事をこなすうちに火照った顔は元に戻り、のぼせた頭は冷えてきた。
 下ごしらえの済んだ食材を冷蔵庫に入れていると、ちょうど弦が風呂から上がってきた。
 グッドタイミングだ。

「上がったぞ。お前も、汗を流せ」
「はい、ありがとうございます」
 振り返った千尋は、息を飲んだ。
 下着一枚の、弦の姿。
 半裸のたくましい体から、目が離せない。
 そして、どうしてもセクシャルな部分に、視線が走ってしまう。
(ヤバい! さっきの動画、思い出しちゃう!)
 千尋は慌てて、バスルームへ逃げ込んだ。

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