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しおりを挟む生唾を飲みながら、画面を食い入るように観ていた、千尋たち。
その時、玄関口から大声がした。
「帰ったぞ、千尋。何だ、誰か来てるのか。友達か?」
いつの間にか、時刻は午後7時になっている。
弦が、帰宅したのだ。
佐藤は慌ててデッキを止めると、ディスクを取り出した。
手元をもつれさせながらパッケージにそれを納め、ほか数枚と共に千尋に押し付けた。
「こッ、これ! ここで預かっててくれよ!」
「どうして!?」
「お母さんに見つかるとヤバいんだよ。頼むぜ!」
佐藤たち三人は、バタバタと玄関へと殺到した。
そこには、弦が仁王立ちしている。
「やはり友達か。もう帰るのか?」
「こんばんは!」
「また来ます!」
「お邪魔しました!」
まるで、逃げるように出ていく三人だ。
変な奴らだ、と見送った後、弦はリビングへと進んだ。
お菓子、ジュース、そして、数枚のDVDを手にして、千尋が座り込んでいる。
「フッ。よく遊んだようだな」
優しい響きの弦の声だった。
「お、お帰りなさい、弦先輩。食事にしますか? それとも……」
そこまで言って、つい先ほどの女優のセリフが頭をよぎった。
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