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しおりを挟む(千尋が中に!?)
そうなると、先ほどの悲鳴が気にかかる。
(妙なことに、巻き込まれていなければいいが)
様子を探るため、弦は迷路に踏み込んだ。
内部は、とても画一化された教室のひとつとは思えないくらい、巧くできていた。
非日常に、放り込まれた気がする。
(何か仕掛けが、あるはずだ)
その仕掛けとは、何だ。
まさか、天井からムカデが降ってきたり。
通路いっぱいに、サソリが這い出してきたり。
(いやいや、まさか……)
それでも弦は、用心しながら奥へと進んだ。
『うわぁあ! やめろ、離せぇ!』
再び聞こえる、悲鳴。
壁一枚向こうから聞こえてくる声の中には、情けない響きも混じっている。
なにやら、無理強いされている様子だ。
「一体、何が起きているんだ」
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