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しおりを挟む健さんが、何か言ってる。
まだ、何か喋ってる。
ああ、でも。ごめんなさい。
「僕、もう何にも考えられないぃ!」
未悠の体は勝手に震え、腰は淫らに波打ち始めた。
男を貪るオメガの、本能だった。
「健さん! ふぁ、あぁあん! ヤだ、ヤだ、もっとやってぇえ!」
「OK。解ってるよ、未悠」
「ふぅ、うぅ。お、奥に。もっと、奥に! 強くぅ!」
二人の繋がった部分からは、淫靡な音が派手に鳴っている。
ローションと、未悠のオメガ体液と、健が肌を叩きつける音と。
しかし、それを上回るほどに未悠は熟れた声で啼いている。
もっともっとと、ねだっている。
「だ、出して。中に、僕の、中に。んぁ、あぁああ!」
「それだけは、できないな」
健は、思いきり射精した。
しかし、それはスキンの中にだ。
薄いゴムを通して、健の波動が未悠に響いてくる。
それは甘美な衝撃だったが、今の彼には不満だった。
「いや。ヤだぁ、健さん。中に、生で……」
「何てはしたない事を言うんだろうね、この子は」
ただ、種付けの儀式に体は反応したらしく、急に未悠は眠たくなってきた。
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