2 / 100
2
しおりを挟む酔っぱらいかと思っていたが、まさか怪我人だったとは!
「すぐに救急車を呼びますから!」
慌てる未悠の手首を、男が掴んだ。
「それは困る。これくらい平気だから、通報しないでくれ」
「でも」
男の白いシャツは、どす黒く染まっている。
大量に出血しているに違いないのだ。
「頼む。通報はしないでくれ」
重ねて頼まれ、未悠は腹をくくった。
「じゃあ、僕のマンションに連れて行きます」
「何だって」
すぐに未悠はタクシーを止め、男に肩を貸して乗り込んだ。
腹からは、まだじわじわと出血が進んでいるようだ。
未悠は、自分のマフラーを彼の傷に当て、止血を試みた。
幸いタクシーの運転手に気づかれることも、シートを汚すこともなく、マンションに着いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
39
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる