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しおりを挟む(心配事、とは?)
青原の言葉に、隼人はやや警戒心を持った。
(私に妄想癖が備わったと、心配なさるのか?)
だが、それは全く違っていた。
「比呂くん、と言ったね。桐生さんと同棲している、ネコのあやかしは」
「はい。彼が、何か?」
「その比呂くんが、私には少々心配だ」
「えっ?」
一ヶ月間の体験で、桐生さんは劇的に変化した、と青原は言う。
「もちろん、良い方に変わったんだ。人間的に、成長した。そしてそれは、紫織くんも、比呂くんも同様だ」
「はい」
うなずきながらも、隼人の心から疑問は消えなかった。
確かに、紫織の変化は隼人も感じた。
あの傍若無人な猫又が、祖父・達夫の傍で平和への発信を行う決意を固めたのだ。
彼の成長は、とても解りやすかった。
だがしかし。
(比呂くんの、変化。比呂くんの成長、とは?)
考え込む前に、青原が隼人に提案してきた。
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