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しおりを挟む「嬉しいお言葉ですね。やっと私も、青原監督に認めていただけたのかな」
「うんうん! そういうこと!」
それでねぇ、と興奮し、早口の笹山だ。
「二次選考通過の内定、もらっちゃった! いよいよ、最終選考だよ!」
「内定、って。二次選考の結果は、一週間後に発表のはずでは?」
「青原監督は、それだけ桐生さんに期待してるんじゃないかな」
きっと胸の内では、すでに君を起用するつもりなんだ、と笹山は皮算用まで始めている。
隼人は、そんな楽観的な彼を、少し踏みとどまらせた。
「待ってください。二次選考には、佐藤 大介さんもいました。喜ぶのは、早すぎます」
「えっ、佐藤 大介が!?」
佐藤 大介は、隼人同様、中堅に差し掛かる俳優だ。
デビューは隼人より遅かったものの、人気も評価も爆上がり中の、今が旬な芸能人。
その佐藤がライバルと聞き、さすがの笹山も顔を引き締めた。
「だから青原さんは、最終選考まできちんと見るつもりなのか」
「現在私を推してくれているとしても、最後でひっくり返る可能性はありますから」
「承知した。でもね、桐生さん。桐生さんなら、絶対に大丈夫だから! ね!」
慎重な隼人に、笹山は力強いエールを送ってくれた。
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