時の舟には二人で乗ろう~自分を隠して偽り生きるイケメン俳優とモフモフあやかし少年は、愛を通して心を取り戻す~

大波小波

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1話 準備は良いか!

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「まずは、どうやって一ヶ月もの長期休業を取るか、なんだ」
 隼人は、比呂が朝食に焼いてくれたパンケーキに、蜂蜜を落としながら言った。
「隼人さん、人気者だから。お仕事、いっぱいなんだね」
「先延ばしにできそうな依頼を、まずはチェックしてみようかな」

 だがしかし。
 それ以前に、クリアしなければならない問題があった。

「……笹山さんに、どうやって切り出そうか?」
「猫又の吉永さんから頼まれました、なんて言えないよね。絶対に」

 休業するには、まず敏腕マネージャー・笹山を説得する必要がある。
 隼人と比呂、二人でパンケーキを頬張りながら、いろいろと考えた。

「祖父が危篤、ということにしたら、どうだろう」
「レポーターが来て、元気なお爺ちゃんの姿を映しちゃったら、バレるよ」
「私が急病になった、ということにしたら、どうだろう」
「万が一バレたら、信用ガタ落ちだよ?」
「いっそ、正直に話してみたら、どうだろう」
「今度は逆に、病院に連れていかれるよ」

 うぅん、と隼人は唸った。
 笹山とは、長い付き合いだ。
 信頼関係も厚いし、彼を欺くようなことは、なるべくしたくない。
 そこへ、比呂が思いもよらない提案を出してきた。

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