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「耐えられなかったら、俺のアパートに来いよ。狭いけど、ここよりマシだろ」
「ありがとう、兄さん。ありがと……」
 ぽろぽろと涙をこぼす弟の背中を、兄は穏やかに撫でてあげた。
「また、園芸やれよ。園芸のサークルくらい、あるだろ。大学にも」
「うん」
「瑞樹は、植物が大好きだからな」
「うん」

 時々、家に帰るから。
 瑞樹が元気か、確かめに来るから。
 そう、兄は言ってくれた。
「ホントに。我慢できなくなったら、遠慮なく連絡しろよ。すぐに迎えに来るから」
 ありがとう、兄さん。
 でも、もうすでに我慢できないかも。
 いっぱいいっぱいなんだ、僕。
 それでも瑞樹は、本心を言えずにいた。
 ただ、園芸サークルには入ろうと、心に決めていた。

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