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 怜士は、貪欲に倫を求めた。
 決して激しくはないが、繊細で、ていねいで、濃厚な愛撫。
 その小さな体を、余すところなく食べてしまうような、そんな交わり方をした。
「れ、怜士、さん……。僕、僕、もう……あぁあ!」
 わななき、精を飛ばす倫。
 もうこれで、何度目になるだろう。
 ねっとりと腰を捻りながら打ち込んでくる怜士からは、まだ一回も受け取ってはいないのに。
「僕、欲しい。怜士さんの……あぅ、う! あ、そこは、そこはダメッ!」
「大切な、私の倫。一体、何が欲しいのかな?」
「い、意地悪ぅう!」
 言えたら、あげるよ。
 含み笑いしながら、そんな悩ましい課題を出す怜士だ。
 倫の敏感なスポットに、硬い先端で刺激を与えて煽って来る。
「はぁ、はぁ、あぁ。もう、ダメ……ッ」
 喘ぐ息を吸い込み、倫は声を張った。
「僕は! 怜士さんの!」
「はい、そこまで」
「あぅ!? は、あぁあ! んあぁ、あぁああ!」
 倫の体内に、勢いよく怜士の熱が注がれた。
「んっ、く。うぅ、あ! ふぅ、あぅ、うぅうう……」
「君に、品のない言葉を使わせたくはないな」
「やっぱり……意地悪ぅ……」
「すまない。いや、ごめん、と言うべきなのかな」
 少しフランクな言葉を、怜士は選んだ。
 もう私は、北白川家の人間ではないのだ。
 そして倫に、もっともっと寄り添いたい。
 余韻の熱に震える倫を、怜士は優しく抱いた。
 倫もまた、彼にしっかりと腕を回した。
 温かな互いのぬくもりを確かめながら、新しい世界を歩み始めた。

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