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しおりを挟む「それはそうと。怜士さんたちは、そろそろお出かけの時刻ではなくって?」
「ん? もう、そんなに時間が過ぎましたか」
彩華の言葉に、怜士と倫は揃って時計を見た。
二人の手首には、ペアのスマートウォッチが。
腕時計のような見た目のハイブリッド型で、今はアナログ表示を選んである。
揃って動く秒針が、これからパートナーとして共に歩む姿に見える。
「では、私と倫は出かけます」
「皆さんは、どうぞごゆっくりなさってください」
席を立つ怜士と倫に、光希が明るい声を掛けた。
「いってらっしゃい、倫さん。気を付けてね!」
「うん。行ってきます!」
「怜士おじさまも!」
「ありがとう、光希くん」
ゆっくりと去って行く二人を見送りながら、光希は母に問うた。
「倫さんたちは、どこへ行くのですか?」
「山荘で過ごすそうよ。一泊する、と話していたわ」
「いいなぁ。お母様、僕も行ってみたいです!」
「そうね。近いうちに、遊びに行きましょう」
「ぜひ、丈士おじさまたちも!」
急に話を振られて丈士は驚いたが、戸惑いはしなかった。
すぐに笑顔を、返した。
「それは良い。一緒に行こう!」
姉弟が、そして家族が、ひとつになっている。
彩華も丈士も、光希も櫻子も、朗らかな時間をたっぷりと味わった。
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