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しおりを挟む「ありがとうございます!」
「どれ。着けてやる」
玄馬の手が、幸樹の華奢な手を取った。
そして、細い指にリングをはめる。
それを幸樹は、見守っていた。
揺らめく屋台の光は幻想的に、二人の手を浮かび上がらせた。
(改めて見ると、玄馬さんの指、すごく太い)
この太い指が、いつも僕の中に入って……。
ぐにゅぐにゅ、動いて……。
幸樹の耳は、熱くなった。
「どうした?」
「な、何でもありません!」
「今度、ショップで本物を買ってやるから。今夜はこれで我慢してくれ」
「これで充分、嬉しいです」
何だか、結婚式みたい。
そんな幸せな心地を、幸樹は感じていた。
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