君に会いに行こう

大波小波

文字の大きさ
上 下
62 / 193

8

しおりを挟む

「お待たせしました、キリマンジャロです」
「ありがとう、幸樹」
 抱き合ったり、キスをしたりはできないが、二人の間には幸せな空気が満たされていた。
「これで良かったのか?」
「玄馬さんの、おかげです」
 それは違う、と玄馬はゆるやかに首を横に振った。
「幸樹の頑張りがあったからこそ、だよ。マスターの心を、動かしたんだ」
「僕は、あれで良かったんでしょうか」
 それは、まだ判らない。
 やはり玄馬は、首を横に振った。
「ただ、今できるベストは尽くしたんだ。後悔は、無いと思うよ」
「ありがとうございます」
 幸樹は、そっと手を伸ばした。
 玄馬はその手を、取った。
 温かな、だがしっかりとした、握手だった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

a pair of fate

みか
BL
『運命の番』そんなのおとぎ話の中にしか存在しないと思っていた。 ・オメガバース ・893若頭×高校生 ・特殊設定有

傷だらけの僕は空をみる

猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。 生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。 諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。 身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。 ハッピーエンドです。 若干の胸くそが出てきます。 ちょっと痛い表現出てくるかもです。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

白い子猫と騎士の話

金本丑寅
BL
(一話目を分割しました)  吾輩は猫である。名前はまだない。何故なら、生まれたばかりの子猫ちゃんだからである。 「みぁ」 ◇  生まれ変わったら子猫になってたので猫生満喫してる主人公と、そんな猫を見つけた男の話。  視点切り替え有。性的描写は疎か恋愛要素がまだまだ無いです。要素、精々攻めに撫でられて気持ちよくなるくらい。なにせ猫だから。そのうちいつか、人になれるかもしれない。そんな日を思いながら今日も日向で寝転がる。にゃお。  終始ただの猫が、可愛がられてる話。 ■ムーンライトノベルズより転載/素材「猫画工房」様

スイート・スパイシースイート

鈴紐屋 小説:恋川春撒 絵・漫画:せつ
BL
佐藤裕一郎は経営してるカレー屋から自宅への帰り道、店の近くの薬品ラボに勤める研究オタクの竹川琢を不良から助ける。そしたら何か懐かれちまって…? ※大丈夫っ(笑)この小説はBLです。

水泳部合宿

RIKUTO
BL
とある田舎の高校にかよう目立たない男子高校生は、快活な水泳部員に半ば強引に合宿に参加する。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

番犬αは決して噛まない。

切羽未依
BL
 血筋の良いΩが、つまらぬαに番われることのないように護衛するαたち。αでありながら、Ωに仕える彼らは「番犬」と呼ばれた。  自分を救ってくれたΩに従順に仕えるα。Ωの弟に翻弄されるαの兄。美しく聡明なΩと鋭い牙を隠したα。  全三話ですが、それぞれ一話で完結しているので、登場人物紹介と各一話だけ読んでいただいても、だいじょうぶです。

処理中です...