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しおりを挟む「ね、透先輩。今度、講義が終わってから、ちょっと寄り道しない?」
「いいね。いつにする?」
何事もなかったように、透は日常を取り戻していた。
美咲とも、相変わらず仲がいい。
彼女は何も言わないし、困った様子もない。
司は約束通り、あのキス画像を削除してくれたのだろう。
「明日は、どうかな?」
「明日って、水曜日だよね」
透の脳裏に、司の顔が浮かんだ。
途端に、顔が赤くなる。
下肢が疼く。
心臓が、どきどきしてくる。
「水曜日は、ちょっと……。別の日がいいな」
透はつい、そう言ってしまっていた。
「じゃあ、木曜日は?」
「いいよ」
水曜日の予定を、開けてしまった。
僕は、どうするつもりなんだ?
佐々木先生に、会いに行くのか?
そして、また……。
前が、硬くなる。
後膣が、疼く。
「どうしたの?」
考え込んでしまった透を、美咲が心配そうに見ている。
「いや、何でもないよ」
慌てて、取り繕っては見せた、透だ。
何だか、色あせて見えてきた、美咲の姿。
それとは逆に、司が透の心をどんどん占めてきていた。
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