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しおりを挟む透の爛れた思考を突き破るかのように、司が突然精を放った。
「あぁッ! あ、あぁあ!」
長く続く、司の熱い射精だ。
それを体内に抱き留め、透は悦びに震えた。
「う、うぅ、う……」
終わった後、司は力の抜けた透の体を、そっとさすった。
「あ……」
「大丈夫か?」
(こういう所が、大人の余裕なんだろうな)
透は、ゆっくりと頭を上げて、彼を見た。
「あの画像は、削除するから安心しろ」
「はい……」
そうだった。
それが条件で、僕は先生に抱かれたんだ。
悦楽に呑まれ、すっかり忘れていた。
だが、と司は言った。
「私は毎週水曜日の夕刻には、実験準備室にいる」
え……?
「会いたくなったら、いつでも来るといい」
待ってるぞ、と言い残して、司は去って行った。
水曜日の、夕方。
衣服を整えていると、どんどん頭が冷えてきて、そんな馬鹿なと思った。
先生に抱かれに、自分から訪ねていくなんて、そんなこと。
ともかく、画像はこれで抹消できたんだ。
これで、終わりなんだ。
そう、自分に言い聞かせていた。
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