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「林とは、まだディープキスまでの間柄じゃないだろう」
「大きなお世話です!」
精一杯、強がってみせる透だったが、激しく動揺していた。
美咲とは、キスをした。
つい、この間。
だが、確かに司の言う通り、唇を合わせるだけの、ささやかなものだったのだ。
「時間は3秒弱、だったかな」
淡々と語る司に、透は薄気味悪くなってきた。
(佐々木先生。どうして、そんな細かいところまで)
「見るか?」
そこで司は、白衣のポケットからスマホを取り出し、操作した。
そして、透に向かって差し出したそれには、人が二人映っている。
それは、美咲とキスしている透の画像だった。
「なんで……!?」
透は、息を飲んだ。
(何で、佐々木先生が。こんな画像を持ってるんだ!?」
スマホを再びポケットに収めると、司はその場でぶらぶら歩きながら、その答えを言った。
「お気に入りの望月くんを見かけたから、写真を撮ろうと思ったのさ。残念ながら、彼女とキスなんかしちゃったけどな」
こんな画像、消してもいいんだが、と司の目が光る。
「せっかくだから、取引しよう。今から、この場で私の言う通りにしなさい。そうしたら、削除してやる」
「大きなお世話です!」
精一杯、強がってみせる透だったが、激しく動揺していた。
美咲とは、キスをした。
つい、この間。
だが、確かに司の言う通り、唇を合わせるだけの、ささやかなものだったのだ。
「時間は3秒弱、だったかな」
淡々と語る司に、透は薄気味悪くなってきた。
(佐々木先生。どうして、そんな細かいところまで)
「見るか?」
そこで司は、白衣のポケットからスマホを取り出し、操作した。
そして、透に向かって差し出したそれには、人が二人映っている。
それは、美咲とキスしている透の画像だった。
「なんで……!?」
透は、息を飲んだ。
(何で、佐々木先生が。こんな画像を持ってるんだ!?」
スマホを再びポケットに収めると、司はその場でぶらぶら歩きながら、その答えを言った。
「お気に入りの望月くんを見かけたから、写真を撮ろうと思ったのさ。残念ながら、彼女とキスなんかしちゃったけどな」
こんな画像、消してもいいんだが、と司の目が光る。
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