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颯真は、郁実にひどく興味を惹かれてきた。
いろいろと、彼の背景を聞き出したくなってきた。
(これは、お茶でも飲みながら、ゆっくり語り合いたいな!)
そう考えて、颯真はさっそくお茶を淹れることにした。
すると、郁実の方から手を挙げてきた。
「僕が、この豆でコーヒー淹れますよ」
彼の父が、引っ越し祝いにと持たせてくれた、コーヒーだ。
親子そろって歓迎してくれたようで、颯真は嬉しかった。
「本当? ありがとう」
郁実はコーヒー豆を、さっそくミルで引き始めた。
「郁実くん、お母さんは? いつも見ないけど、外に勤めに出てるの?」
「父と母は離婚しました。母は今、別の家庭を持ってます」
これはいきなりマズいことを訊いた、と颯真はゆっくり瞬きをした。
気を取り直して、当たり障りのない話題を振ってみる。
「え~、趣味とかある? 音楽を聴いたり、映画を観たり、するのかな?」
「僕、流行に疎くて。音楽とか映画とか。あとサブカルも、ほとんど知らないんです」
「そ、そう。あ、でもね。俺さぁ、去年日本アカデミー賞で、主演男優賞とったよ」
「ホントですか? すごいですね!」
「観てくれたかな?」
「あ、いぃえ……」
いろいろと、彼の背景を聞き出したくなってきた。
(これは、お茶でも飲みながら、ゆっくり語り合いたいな!)
そう考えて、颯真はさっそくお茶を淹れることにした。
すると、郁実の方から手を挙げてきた。
「僕が、この豆でコーヒー淹れますよ」
彼の父が、引っ越し祝いにと持たせてくれた、コーヒーだ。
親子そろって歓迎してくれたようで、颯真は嬉しかった。
「本当? ありがとう」
郁実はコーヒー豆を、さっそくミルで引き始めた。
「郁実くん、お母さんは? いつも見ないけど、外に勤めに出てるの?」
「父と母は離婚しました。母は今、別の家庭を持ってます」
これはいきなりマズいことを訊いた、と颯真はゆっくり瞬きをした。
気を取り直して、当たり障りのない話題を振ってみる。
「え~、趣味とかある? 音楽を聴いたり、映画を観たり、するのかな?」
「僕、流行に疎くて。音楽とか映画とか。あとサブカルも、ほとんど知らないんです」
「そ、そう。あ、でもね。俺さぁ、去年日本アカデミー賞で、主演男優賞とったよ」
「ホントですか? すごいですね!」
「観てくれたかな?」
「あ、いぃえ……」
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