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しおりを挟むディープキスを終えた後、茉以は短いキスを智樹の赤く染まった頬に落とした。
「ね、智樹はベッドで寝るのかな? それとも、お布団?」
「ベッドだけど? 隣の部屋に……」
そこまで言って、智樹は口をつぐんだ。
そして、慌てたように早口で言った。
「いや、それはまだ早いんじゃないか? 俺たち、付き合い始めてまだ……」
「しちゃおっか、エッチ!」
「茉以?」
不自然なくらい積極的な、茉以だ。
ここまでくると、智樹も勘付いた。
「何か、あった? 田宮との間に」
「ん? え、と。うん……」
途端に暗い表情でうつむいてしまった茉以に、これ以上のことを訊くのは可哀想だった。
(多分、無理に田宮が茉以のことを求めたんだ)
そして彼は、逆らえずに……。
智樹は、すっと立った。
「ベッド、こっちだよ」
そして茉以の手を引くと、寝室へ連れて行った。
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