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しおりを挟む「よし、罰ゲーム決めた! 百瀬、片岡に告れよ」
「ええッ!?」
何だなんだと、周囲の男子がざわめいた。
「百瀬、片岡が好きだったのか!?」
「ひゅ~、マジで?」
「趣味、悪いなぁ!」
休み時間は、いつも一人で本を読んでいる智樹。
そんな彼は、田宮を始めクラスの生徒ほとんどから、陰キャ扱いされていた。
智樹は真面目で、成績も良い。
ただ、身なりに全く無頓着なのだ。
眉を整えていないし、フレームのセンスが悪い眼鏡をかけている。
髪は寝ぐせを付けたままだし、制服も何だか皺が目立つ。
茉以は、必死で周囲からの冷やかしを否定した。
「ち、違うよ! 僕、片岡くんのこと好きじゃないよ!」
ふうん、と田宮は意地悪そうな声を上げた。
「じゃあ、誰が好きなんだ?」
「そ、それは……」
(知ってるくせに!)
茉以は一週間前、田宮に好きだと告白していた。
修学旅行の班を決める時に、田宮と同じグループに入れるよう、友達に頭を下げたことも、打ち明けた。
『田宮くんと、素敵な思い出を作りたいんだ』
こんなことも、言ったっけ。
(だのに、ひどいよ!)
返事の代わりに、何の関係も無い片岡くんに告れ、だなんて!
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