恋は突然に愛は永遠に 【若当主アルファ×訳ありオメガ】 ~ツンデレ同士の両片思いは、実るんですか?~

大波小波

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「拓真さまに、ご報告があります」
「何だ、水瀬。私は今、忙しい」
 病室の琉果に別れを告げ、拓真はプライベートルームに戻っていた。
 大きなソファに身を沈め、ビンテージワインを嗜んでいた。
 ゴルフコンペの主催者が、欠席した彼宛てに急ぎ贈って来たものだ。
 健康上の理由で執事に欠席を勧められた、との拓真への、見舞いの品。
 明らかにご機嫌取りなのだが、ワインに罪はない。
 その芳醇なアロマを、味わっているところだった。
 だが唇は、への字だ。
 水瀬に対して、すねたような態度。
 執事には、そんな主人が微笑ましく思えた。
(まだ、琉果くんのことで、ご立腹なのだな)
 拓真には反抗的なのに、水瀬には素直な琉果。
 それが拓真には、気に入らないのだ。
 しかしどうあれ、水瀬には主人に伝えなければならない事実があった。

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