恋は突然に愛は永遠に 【若当主アルファ×訳ありオメガ】 ～ツンデレ同士の両片思いは、実るんですか？～

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　ナイフを使わずフォークだけで、前菜をぱくりと頬張った、琉果。
　その姿に、拓真は脳内でマイナス点を彼に付けた。
（飢えた凡人のすることだな。全く、とんだ拾い物をしてしまった）
　だがしかし。
「うわぁ……美味しい！　海の香りがする！」
　琉果の素直な笑顔は、とてもキュートだ。
　拓真はすぐに、脳内でプラス点を付けた。
（まぁ、食事の前には手を合わせていたし。最低限のマナーは持っているらしいな）
「ねぇ。これ、貝だよね。何ていう貝？」
「サザエのベニエ、でございます」
「とっても美味しいよ！」
「ありがとうございます」
　給仕とも、すぐに親しく話す琉果に、拓真は安心した。
（これなら、私の愛人たちとも仲良くできるだろう）
　彼は、すでに彼をハーレムの一員にする気でいたのだ。