130 / 144
3
しおりを挟む
もし、二人の進路がバラバラになってしまったら。
目の前から私がいなくなったら、駿はどうするだろうか。
チョコの主に言い寄られ、心変わりをするのではないだろうか!?
「馬鹿な……」
「え?」
駿は、伊織を見つめた。
(さっきから、伊織さま何だか変だ)
考え込んでみたり、突然声を上げてみたり。
駿は、挙動不審な伊織の姿に、首を傾げていた。
しかし、そうこうするうちに、時計の針は0時を回っている。
「あ、もうこんな時間」
「何ッ!?」
土曜日です、と駿は寂しげに呟いた。
「僕、もう行かなきゃ」
伊織の腕の中から、するりと抜け出す駿。
ああ、君はそうやって白い翼を広げて、私の知らないところへ飛んで行ってしまうのか?
伊織の胸は、キリキリと激しく痛んだ。
「待ちたまえ、駿」
思わず腕を伸ばし、その手を掴んでいた。
そして、早口で言った。
「行かなくてもいい。君はこのまま、泊って行くんだ」
「伊織さま?」
「土曜日の少年は、二度と来ない。月曜日も、火曜日もそうだ」
駿は、きょとんとしている。
伊織さまは、一体何を考えているのだろう。
「従者は、本日をもって解任する」
思いがけない、伊織の宣言だった。
目の前から私がいなくなったら、駿はどうするだろうか。
チョコの主に言い寄られ、心変わりをするのではないだろうか!?
「馬鹿な……」
「え?」
駿は、伊織を見つめた。
(さっきから、伊織さま何だか変だ)
考え込んでみたり、突然声を上げてみたり。
駿は、挙動不審な伊織の姿に、首を傾げていた。
しかし、そうこうするうちに、時計の針は0時を回っている。
「あ、もうこんな時間」
「何ッ!?」
土曜日です、と駿は寂しげに呟いた。
「僕、もう行かなきゃ」
伊織の腕の中から、するりと抜け出す駿。
ああ、君はそうやって白い翼を広げて、私の知らないところへ飛んで行ってしまうのか?
伊織の胸は、キリキリと激しく痛んだ。
「待ちたまえ、駿」
思わず腕を伸ばし、その手を掴んでいた。
そして、早口で言った。
「行かなくてもいい。君はこのまま、泊って行くんだ」
「伊織さま?」
「土曜日の少年は、二度と来ない。月曜日も、火曜日もそうだ」
駿は、きょとんとしている。
伊織さまは、一体何を考えているのだろう。
「従者は、本日をもって解任する」
思いがけない、伊織の宣言だった。
11
お気に入りに追加
184
あなたにおすすめの小説
【R18】息子とすることになりました♡
みんくす
BL
【完結】イケメン息子×ガタイのいい父親が、オナニーをきっかけにセックスして恋人同士になる話。
近親相姦(息子×父)・ハート喘ぎ・濁点喘ぎあり。
章ごとに話を区切っている、短編シリーズとなっています。
最初から読んでいただけると、分かりやすいかと思います。
攻め:優人(ゆうと) 19歳
父親より小柄なものの、整った顔立ちをしているイケメンで周囲からの人気も高い。
だが父である和志に対して恋心と劣情を抱いているため、そんな周囲のことには興味がない。
受け:和志(かずし) 43歳
学生時代から筋トレが趣味で、ガタイがよく体毛も濃い。
元妻とは15年ほど前に離婚し、それ以来息子の優人と2人暮らし。
pixivにも投稿しています。
【R18】【Bl】魔力のない俺は今日もイケメン絶倫幼馴染から魔力をもらいます
ペーパーナイフ
BL
俺は猛勉強の末やっと魔法高校特待生コースに入学することができた。
安心したのもつかの間、魔力検査をしたところ魔力適性なし?!
このままでは学費無料の特待生を降ろされてしまう…。貧乏な俺にこの学校の学費はとても払えない。
そんなときイケメン幼馴染が魔力をくれると言ってきて…
魔力ってこんな方法でしか得られないんですか!!
注意
無理やり フェラ 射精管理 何でもありな人向けです
リバなし 主人公受け 妊娠要素なし
後半ほとんどエロ
ハッピーエンドになるよう努めます
きょうもオメガはワンオぺです
トノサキミツル
BL
ツガイになっても、子育てはべつ。
アルファである夫こと、東雲 雅也(しののめ まさや)が交通事故で急死し、ワンオペ育児に奮闘しながらオメガ、こと東雲 裕(しののめ ゆう)が運命の番い(年収そこそこ)と出会います。
もし、運命の番になれたのなら。
天井つむぎ
BL
春。守谷 奏斗(α)に振られ、精神的なショックで声を失った遊佐 水樹(Ω)は一年振りに高校三年生になった。
まだ奏斗に想いを寄せている水樹の前に現れたのは、守谷 彼方という転校生だ。優しい性格と笑顔を絶やさないところ以外は奏斗とそっくりの彼方から「友達になってくれるかな?」とお願いされる水樹。
水樹は奏斗にはされたことのない優しさを彼方からたくさんもらい、初めてで温かい友情関係に戸惑いが隠せない。
そんなある日、水樹の十九の誕生日がやってきて──。
【完結】もう一度恋に落ちる運命
grotta
BL
大学生の山岸隆之介はかつて親戚のお兄さんに淡い恋心を抱いていた。その後会えなくなり、自分の中で彼のことは過去の思い出となる。
そんなある日、偶然自宅を訪れたお兄さんに再会し…?
【大学生(α)×親戚のお兄さん(Ω)】
※攻め視点で1話完結の短い話です。
※続きのリクエストを頂いたので受け視点での続編を連載開始します。出来たところから順次アップしていく予定です。
白い部屋で愛を囁いて
氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。
シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。
※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる